疲れていてつらいとき「誰か察して~!」と思ったことはありませんか?とはいえ、「人前であからさまに疲れた顔や暗い顔は見せられないし……」と葛藤した経験がある人も多いのではないでしょうか。

なんと、そんな葛藤が一切不要になる会社があるんだそう。

印刷物やアクリル製品のグッズ制作を手掛ける株式会社音研 広報係のケン(@onkenkenken)さんがシェアしたのは、同社が導入している遊び心たっぷりな「HP見える化制度」。その人の残りの体力を表すHP(ヒットポイント)を見える化したバッジをつけることにより、疲れている人は疲れていること、元気な人は元気であることを周囲の人に示せるというのです。

当社ではHP見える化制度を採用しております(@onkenkenkenより引用)

こちらの方は、HPが限りなくゼロに近い「ひんし」の状態になっていますね。

  • (@onkenkenkenより引用)

自社の技術を使って作ったというHPを示すバッジは、緑・黄・赤の3種類。HPの値はそれぞれ「15」「3899」「10000」となっています。

  • (@onkenkenkenより引用)

この投稿に対し、リプライや引用リツイートでは「アイデア最高すぎて好き」「ステキやん……働きたい!」「これ必要じゃんね。笑顔だから元気って限らんからね」といった称賛の声が続出。

「多分私だったらずっと赤いやつ付ける」「激しく欲しい」といったコメントのほか「状態異常(風邪、花粉症など)のバッジはありますでしょうか?」「MP(精神的ダメージ)版も欲しい」というリクエストもありました。

遊び心あふれる「HP見える化制度」はどのようにして生まれたのでしょうか。このツイートをした音研広報係のケンさんにうかがいました。

「HP見える化制度」、投稿者に聞いてみた

――「HP見える化制度」、社員さんからの反響はいかがでしょうか?

実用面は絶賛経過観察中ですが、普段あまり会話のない相手とも会話のきっかけになり、少なくとも社員同士のコミュニケーションツールとしてうまく働いているように見えます。社内の雰囲気が明るくなった気がしてます。

誰かに仕事を任せるときなど実用的な場面ではもちろん、ふと社内ですれ違う時にも自然と相手のHPバッヂを見るようになってきました。

また、家に持ち帰って家族(赤ちゃんやペット)につけて遊んでいる社員、あえて緑を付けてプラシーボ効果を狙っている社員もいて、それぞれユニークな使い方をしていておもしろいです。

――こちらの社員さんもHPが残りわずかになっているようですね……。本当にお疲れ様です!

――このアイテムを作られたきっかけは?

仕事・プライベート問わず、社員それぞれがプレッシャーやストレスを抱えていて、当然、精神的にも肉体的にもコンディションは日々異なります。ただ、立場や役割、仕事の状況もあり、そういったことをなかなか気軽に口に出せない場合も多くあります。

そんなとき、何か気軽に(フランクに)自分の状態を発信できる方法はないかと考えていたところ「HPを可視化できるバッチを作ればいいのでは?」という声が社員から上がり、弊社が保有するアクリルカッターでサクッとサンプルを作ってみました。予想以上にいい出来栄えとなり、量産して営業部で制度化する運びとなりました。

大半の時間を過ごす環境(人間関係)なので、少しでも楽しく、ストレスなく過ごせるような環境作りにつながるツールになってくれるといいなと思っており、今後も続けていく予定です。

――こだわったポイントがあれば教えてください。

普段の社員の様子をみて、赤の量を多くしました。また、某有名レトロゲームを彷彿とさせるデザインにもこだわりました。

――HPが「15」「3899」「10000」と3パターンありますが、「3899」とひとつだけ少し半端な数字です。何か理由があるのでしょうか?

デザイナーに聞いてみたところ、「よく行く飲食店の電話番号の下4桁からとったような気がする…」と言っていました。つまり深い意味はないようです。

――ツイートに大きな反響が寄せられたことについて、率直なご感想をお聞かせください。

びっくりしています。社員の思いつきで作ったものですが、こんなにも反響があると思いませんでした。学校や病院で使いたいと言っている方もいて、それが驚きでした。


今回「HP見える化制度」が話題となった株式会社音研は、時代の流れとともに取扱い商材を微妙に変化させつつ、現在では印刷物やアクリル製品等各種グッズ作成をメインに行っている企業。国内3箇所に物流拠点を持っており、検品・保管・発送まで柔軟に対応できるのも強みで、世の中の目まぐるしい変化に乗り遅れぬよう、日々決死で奮闘中なのだそうです。

赤バッジを着ける社員さんが多いのは、そんな奮闘ぶりの表れでしょうか。自社の技術を生かして、社内のコミュニケーションが活性化するユニークな“制度”を作るなんて、とっても素敵ですよね。なお、バッチは音研のオンラインショップ「ケンさんずマーケット」でも販売されているそうです。