北の丸公園といえば東京のど真ん中にある、大都会のオアシス。広大な敷地に豊かな森林と、国立近代美術館などの文化施設も有するこの公園内に、このたび新たなカフェがオープンした。
今回はそんな「CAFÉ 33」の詳報と、このロケーション自体の素晴らしさもお伝えできたらと思う。
森林と共存する「CAFÉ 33」は、フードメニューも大充実
もともと北の丸公園内にあった休憩施設を改築し、“森林公園と共存するカフェ”として生まれ変わったのが「CAFÉ 33」。自然豊かな景色の中に、違和感なく溶け込む佇まいだ。
緑と白でコーディネートされた店内は、明るい日差しがたっぷりと差し込む開放的な空間だ。公園を散策ついでにひと息つくもよし、お気に入りの本を持ち込んでゆっくり読書にふけるもよし。屋外のテラス席はペット同伴もOKだから、大きなパラソルの下でワンコと一緒のティータイムも楽しそう。
「いうても公園の休憩所でしょ」という先入観は、いますぐ捨てて欲しい。だって看板商品であるローマ発祥の四角いピッツァ「ピッツァ アル タリオ」を筆頭に、自家製フォカッチャやパニーニ、野菜たっぷりの特製カレーやロコモコなど、食欲をそそるフード揃いなのだ。
ショーケースに並ぶ彩りスイーツたちを前に、どれにしようか迷ってしまう。
メニューは復興と地産地消にこだわり、東北エリアや東京の地元食材を積極的に採り入れている。 全品テイクアウトができる(*)から、公園散歩のお供にもピッタリだ。
*ノンアルコール フルーツカクテルを除く。
デザートは、ティラミスや季節のフルーツタルト、グルテンフリーのチョコレートケーキなど4種類。さらにソフトクリームは、北海道バニラ、宇治抹茶、ミックスの3種類をラインナップ。
というわけで、テイクアウトしたフォカッチャ片手に、丸の内公園の散策に繰り出そう。
自然と歴史とカルチャーが共存する「北の丸公園」を歩いてみよう
おさらいすると北の丸公園は、皇居外苑の北側に位置する北の丸地区に、旧近衛連隊の跡地を森林公園として整備された国民公園。敷地の中に日本武道館や国立公文書館、東京国立近代美術館などが入っているように、とにかくびっくりするほど広い。
地下鉄九段下駅をあがってすぐ、千鳥ヶ淵と牛ヶ淵にかかる坂道を登っていくと、見えてくるのが田安門。旧江戸城の総構完成当時にさかのぼる建物で、重要文化財に指定されている。
その田安門を通り抜けるとすぐ目の前に、ドン! と日本武道館が現れる。なんというか、際立った存在感が、さすが武道館だ。
この辺りは日によって集う客層がガラリと変わるので、周辺にいる人たちのファッションや年齢層を見て、“今日は誰の公演だろう?”と推測するのも楽しそう。
「CAFÉ 33」の向こうに、スカッと抜け感のある芝生エリアと池を囲むように、森林が広がっている。遠足の小学生やピクニックの家族連れ、ベンチでまどろむ会社員、元気に散策する老人たちが、思い思いに過ごす憩いの場だ。
屋根付きのベンチもあるので、この季節は日陰で凉をとりながら体を休められるのもありがたい。
木々が作る木陰やこもれ日が心地いい散歩道が、あちらこちらに続いている。
緑深い森林の中を歩いていると忘れそうになるが、ここは東京のど真ん中だ。公園内の滝から流れる小川の水音に癒される。
水辺を見下ろすように、東屋なんかもある。
千鳥ヶ淵を一望するように並ぶベンチ。対岸にボート場があり、その向こうは半蔵門のビル群だ。ちなみに今回歩いたのは、北の丸公園のほんの一部。
近ごろよく耳にする「ヒュッゲ」という言葉。デンマーク語で“心地いい空間、楽しい時間”という意味するらしいが、森林浴して過ごすこんな時間もヒュッゲなのかもしれない。
武道館でライブに熱狂した後に、美術館でアートを鑑賞したついでに足を伸ばして、大自然の中でゆったり流れる時間を楽しんでほしい。
■information
「CAFE33(カフェサーティースリー)」
東京都千代田区北の丸公園1-1
営業時間:9:00~17:00(*武道館で開催される公演時間により変更が生じる日もあり)
定休日:北の丸公園に準ずる
アクセス:九段下駅2出口より徒歩6分、竹橋駅1b出口、1a出口より徒歩12分