「弱り目に祟り目」は日常生活やビジネスシーンなどでもよく使われる言葉ですが、正しい意味や使い方を理解できていますか?

本記事では、「弱り目に祟り目」の意味や使い方を例文つきで解説。また類語や似た意味のことわざ、英語表現なども紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

  • 「弱り目に祟り目」の意味や使い方、類語などを紹介します

    「弱り目に祟り目」の意味や使い方、類語などを紹介します

「弱り目に祟り目」とは? 読み方・意味・由来

「弱り目に祟り目」の読み方

「よわりめにたたりめ」と読みます。

「弱り目に祟り目」の意味

「弱り目に祟り目」とは、「困っているときにさらに災難に遭うこと」や「不運が重なること」という意味の言葉です。

例えば残業で疲れているときに、新たに仕事上のトラブルが発生するなど、追い打ちをかけて不幸な出来事が続く状況を表します。

「弱り目に祟り目」の由来

「弱り目に祟り目」について、語源にあたる古事成語や外国語のことわざなどは現状見当たらず、日々の生活の中で自然と用いられるようになった言葉だと考えられています。

弱っている状態でさらに悪いことが起こると、祟りに遭っているかのように感じられるため、「不幸が重なる」という意味で使われ始めたのでしょう。

  • 「弱り目に祟り目」は「困っているときにさらに災難に遭うこと」を意味しており、特定の由来はないとされています

    「弱り目に祟り目」は「困っているときにさらに災難に遭うこと」を意味しており、特定の由来はないとされています

「弱り目に祟り目」の使い方と例文

「弱り目に祟り目」は誰もが一度は経験し得るシチュエーションのため、日頃からよく見聞きする言葉でしょう。

日常生活だけでなくビジネスシーンでも使われる表現ですので、誤用を避けるためにも例文で使い方を確認しておきましょう。

  • 昨日財布を落として今日はスマートフォンをなくしてしまった。まさに弱り目に祟り目だ。

  • 大口の取引先との契約が終了した上に、別のクライアントとのアポイントがキャンセルになった。弱り目に祟り目とはこのことだ。

  • 弱り目に祟り目とならないように、問題が起こったときこそ、気持ちを引き締めなければならない。

  • 風邪をひいた上にけがまでしてしまい、弱り目に祟り目状態だ。

  • ビジネスシーンなどで誤用を避けるためにも、例文をきちんと確認しておきましょう

    ビジネスシーンなどで誤用を避けるためにも、例文をきちんと確認しておきましょう

「弱り目に祟り目」の類語や似た意味のことわざ

言葉の意味をより深く理解したり使い方のポイントを把握したりするためには、類語を知ることが効果的です。

「弱り目に祟り目」にも、似た意味を持つ言葉、ことわざがいくつかあります。それぞれの意味や使い方などを確認しておきましょう。

泣きっ面に蜂

「泣きっ面に蜂」は、泣いているときに蜂に刺されて一層つらくなる状態を指しています。「面(つら)」は顔のことです。

不運が重なることを例えた表現で、「弱り目に祟り目」の言い換え表現として使用しやすいでしょう。

「弱り目に祟り目」には確証となる由来がありませんが、「泣きっ面に蜂」は「泣きっ面を蜂が刺す」の形で江戸時代から使われており、『江戸いろはかるた』にも収録されています。

一難去ってまた一難

1つの災難が去っても、落ち着く間もなく、また次の災難が続けてやってくる様子を表す「一難去ってまた一難」。

不幸なことが続く「弱り目に祟り目」と、同じようなニュアンスで使える言葉です。

踏んだり蹴ったり

「踏んだり蹴ったり」は、「踏まれた上に蹴られた状態」を表す言葉で、不幸なことが重なる様子を表現しています。

「ここ最近、不運が続いて踏んだり蹴ったりだ」などのように使用します。

虎口(ここう)を逃れて竜穴(りゅうけつ)に入る

こちらも次々に災難に遭うことの例えです。

虎からようやく逃げ出せたと思ったら、今度は竜のすみかに入り込んでしまったという意味で、不運が続いて起こる状態を表しています。

傷口に塩

「悪いことの上にさらに悪いことが重なる」という意味です。

痛くてたまらない傷口に塩を塗り込むと、染みてより一層痛くなることから、災難が重なるという意味合いで使われるようになりました。

「傷口に塩を塗る」という形でも使われます。

  • 「弱り目に祟り目」の類語は「泣きっ面に蜂」や「一難去ってまた一難」などです

    「弱り目に祟り目」の類語は「泣きっ面に蜂」や「一難去ってまた一難」などです

「弱り目に祟り目」の対義語

次に、「弱り目に祟り目」とは反対の意味を持つ言葉の意味や使い方などを確認しておきましょう。

盆と正月が一緒に来たよう

うれしいことが重なることの例えです。

日本の二大行事でもある盆と正月。別々に暮らす家族や親戚が集まるという、喜びにあふれた時期であることから、「うれしい出来事が同時に来た」という意味でこの言葉が使われるようになりました。

不運が重なる「弱り目に祟り目」とはまさに対照的な言葉であり、対義語といえるでしょう。

ただし、「盆と正月が一緒に来たよう」は、単に「非常に忙しい」という意味でも使われるため注意が必要です。

順風満帆(じゅんぷうまんぱん)

物事がとても順調であることやその様子を表す四字熟語です。

「船が帆に追い風をたくさん受けて順調に進む」という意味から、物事が滞りなく、思い通りに進むことの例えとして使われるようになりました。

「弱り目に祟り目」の英語表現

職場などで英語を使う機会が多い場合、「弱り目に祟り目」の英語表現も知っておきたいもの。

「弱り目に祟り目」は、「misfortunes never come singly」や「add insult to injury」などで表現できます。

「misfortunes never come singly」の「misfortunes」とは「不幸」のことで、直訳すると「不幸は決して単独で来ない」という意味。

また「add insult to injury」の「insult」は「侮辱」や「損傷」を、「injury」は「傷」を意味しています。ひどい目に遭っているのにまた侮辱を加えるということから、「弱り目に祟り目」や「踏んだり蹴ったり」などのニュアンスで使えるフレーズとして知られています。

それぞれの表現を覚えておき、日常英会話やビジネスシーンなどで使えるようにしておきましょう。

  • 「弱り目に祟り目」の英語表現は「misfortunes never come singly」などです

    「弱り目に祟り目」の英語表現は「misfortunes never come singly」などです

「弱り目に祟り目」の意味や使い方、似たことわざなどを知っておこう

「弱り目に祟り目」の意味は「困っているときにさらに災難に遭うこと」で、不運が重なっている様子を表した言葉です。

特定の由来はないとされ、目の調子などに言及している言葉ではないことも併せて覚えておきましょう。

不運が重なるような出来事は誰にでも起こる可能性があるため、日常生活でもビジネスシーンでもよく使われる表現です。類語や英語表現なども併せて理解しておき、自信を持って使えるようにしておきましょう。