「賢者は複雑なことをシンプルに考える」(ソクラテス)という格言があります。逆に言い換えるなら「愚者はシンプルなことを複雑に考える」ということでしょうか。確かに問題に直面したとき、多くの人はいろいろと考えすぎて頭がパニックになりがち。でも、シンプルに考えるとは具体的にどうしたらいいのでしょうか。イラストレーターであり、漫画家でもある mori yuuさんが改めて気づいた方法論は、メモへの箇条書きでした。

これに気づくのに24年かかった。「漠然と大変すぎて何したらいいか分からなくなる→何にも手をつけられない」の解決策。

  • (Twitter mori yuu@0617Forestより引用)

たとえば、仕事へのダメ出しが多発した時など、 mori yuuさんは「大変」「面倒臭い」「私には手に負えない」と考えがちであったと言います。しかし、あら不思議。メモ帳に分解して箇条書きにしただけで、いっきに気が軽くなったと言います。その様子をイラストでわかりやすく描いてツイッターに投稿すると、多くのフォロワから共感のリプライが寄せられました。

「これはめちゃくちゃオススメ」「めちゃめちゃわかる!」「特に大変なときは、僕は紙に書きだすと、頭も整理できて、役立ちます」「得体のしれないものは恐ろしく、でっかく見えるものですが、分かってしまえば大したことない場合も多いです」「わかる、わかりすぎる...」「やっぱり可視化よね」などなど。mori yuuさんはどうやってこのメソッドにたどりついたのか、直接ご本人にお話を伺いました。

■作者さんに聞く

……何かこの解決策にきづく具体的なきっかけのようなものはありましたか?

以前から、頭の中のことを紙に書き出す脳内整理という方法は知っていました。初めて実践したのはイライラした気持ちを抑えるために書いた「デスノート(そう呼んでいた)」。実際にノートに書いてみたら、モヤモヤがスッキリして、あいまいだったアイデアを明快に掴むことができました。メモの重要性に気づく体験を経て、今回のように、頭がパニックで動き出せないような時も頭の中を整理してみようと試してみたのがきっかけでした。

……初めて「大変」を分解して、文字化した時の感想は?

思ったほど「大変」じゃないし、全体像が見えて重圧が減ったように感じました。場合によっては「思った通り、それ以上に大変!」という時もあったのですが、印象ではなく、実際に具体的に大変だと認識するだけでマシでした。

……引用ツイッターなどでの声で印象的な声はありましたか?

「自分もやっている!」という声がたくさんあり、メモの効果はみなさんが実感されているようにすごいものなのだと改めて気づきました。

▼これに気づくのに24年かかった。「漠然と大変すぎて何したらいいか分からなくなる→何にも手をつけられない」の解決策。