高度な電源技術から誕生した高性能クーラー

EcoFlowTechnology(エコフローテクノロジー)は、2017年に設立されたスタートアップ企業で、本社は、中国のシリコンバレーと言われる街、深圳(しんせん)にある。ポータブル電源やクリーンな電力技術の開発を手掛けており、キャンプ・車中泊愛好家には知られた存在だ。

令和4年福島県沖地震では、被災地の福島県・宮城県在住者支援として、ポータブル電源を1,000円で販売したことも話題に。日本ではECが主な販路だったが、最近は家電量販店、スポーツ用品店、アウトドア用品店での取り扱いも増えてきたようだ。需要が増しているのは車中泊である。

夏キャンプの「暑い問題」をテクノロジーで解決

空前のキャンプブームを迎え、人気商用ミニバンであるハイエースなどのクルマでキャンプ・車中泊を楽しむ人も増えた。とはいえ、日本の夏は暑い。

理由は人それぞれだろうが、「暑くて快適に過ごせない」というコメントは少なくない。本体と室外機が別になったおなじみの家庭用エアコンをクルマに持ち込むケースも人もいるが、場所を取りすぎる……。

こうした声に応え、ポータブルクーラー「EcoFlowWave(エコフローウェーブ)」(16万9,400円)が誕生。冷却力、稼働時間、携帯性を兼ね備えた優等生である。

エコフローウェーブ本体の重量は17.5kg。

  • ポータブルクーラー「EcoFlowWave(エコフローウェーブ)」(16万9,400円)

こちらは、専用バッテリーパック(7.5kg)を接続してあるので、合計約25kg。軽量ではないが、頑張れば1人で持ち運びできそうだ。

※「専用バッテリーパック」(11万円)、「本体+バッテリーパック」(27万5,000円)

まず、冷却力と稼働時間。部屋の大きさが5平方メートル未満であれば、通常の室内エアコンと同等の冷却性能を発揮できるという。カタログスペックとしては、「8分で30℃から24℃まで冷却可能」「最大8時間稼働可能※専用バッテリーパック100%充電、かつHighレベルの場合」とされている。

稼働モードは、冷却モード、送風モード、冷却と送風をバランスよく使うエコモード、タイマーモードの4種。スマートバッテリー割り当てアルゴリズムを搭載し、専用アプリで「エコモード」を選ぶと、「エコモード」のレベルによって切り替え時間が自動的に計算される。

例えば、Lowレベル 30分間設定だと「冷却モード20分間→ファンモードへ切り替え10分間稼働」、Mediumレベル30分間設定だと「冷却モード15分間→ファンモード15分間稼働」、Highレベル30分設定だと「冷却モード10分間→ファンモード20分間稼働」といった感じ。

充電方法としては、ACコンセント、専用バッテリーパック、EcoFlowポータブル電源、車両充電、ソーラーパネルの5種類に対応している。

本体と「EcoFlowソーラーパネル」をつなげば、オフグリッドな涼みタイムを実現!

日中にパネルで充電しておき、熱帯夜を涼しく過ごすという使い方も良さそうだ。

サイズ感は、家庭用エアコンと比べるとこんな感じ。

家庭用エアコンだと、本体と室外機を合わせて40kgほどになることもあるので、約2.5kgのエコフローウェーブのコンパクトさが際立つ。

細部まで配慮の行き届いた設計

クーラーには、排水問題がつきものだ。エコフローウェーブでは、冷却時に発生する凝結水をヒートチューブへ通らせることで、自動的に蒸発させる仕組みを持つ。

それでも長時間、高湿度の環境で稼動させれば、どうしても凝結水が発生することも。その場合は、排水チューブを接続させ車外、テント外に排出させることを推奨している。

操作は本体のほか、専用アプリで行うこともできる。

テントで使う場合は、本体を出入り口に設置し、冷たい空気だけをテント内に取り込むという使い方も可能。暑い夏でも快適に過ごせそうで、期待が高まる!