俳優の大東駿介がナレーションを務めるカンテレのドキュメンタリー番組『ザ・ドキュメント 罪の行方~神戸連続児童殺傷事件 被害者家族の25年~』が、20日(25:25~※関西ローカル)に放送される。
1997年に神戸市須磨区で5人の小学生が殺傷され、当時14歳の「少年A」が逮捕された神戸連続児童殺傷事件から25年。番組では、被害者の土師淳(はせ じゅん)くんの父、守さんの今日までを振り返る。当時は「犯罪被害者の権利」という概念が全くなく、遺族が事件についての情報を得たり、裁判で意見を言うことができなかった。守さんはそんな状況を変えるために、被害者の権利獲得と少年法の改正を求める活動を現在も続けている。
加害者は7年で社会に戻り、ある時期から毎年遺族に手紙が届くようになった。守さんは贖罪の気持ちを受け止めようとしたが、2015年に出版された告白本『絶歌』によって両者の関係は断絶された。事件直後から「少年A」の両親の代理人をしている羽柴修弁護士は25年間無償でサポートしてきたが、裏切られた気持ちでいっぱいだったという。被害者家族が歩む人生を通して、少年事件に対する社会の役割と責任について考える。
ナレーションを担当した大東は「僕は淳くんと同じ年齢だったので、当時は被害者側の立ち位置で恐怖を感じていましたが、月日が経って今、親の立場からこの事件を見返したときに、本当になんとも残酷で、心の痛みがすごいです」と事件を振り返った。守さんの活動については「ただ怒りをぶつけて、誰かを傷つけたり自分を傷つけたりするのではなく、法律に対して挑むという、ちゃんと次につなげていくことが本当にすごいと感じました。僕たちもいつ犯罪被害に遭い、当事者になるかもわからない。まだ被害に遭っていない僕たちは、犯罪被害者予備軍というような立ち位置でもあると思います。被害に遭った人が、次に自分たちのように苦しむ人が生まれないように活動してくれていると知って、自分に何ができるのかということをすごく考えました」と語った。