東京・六本木ヒルズにある「グランド ハイアット 東京」内のレストラン「フレンチ キッチン」では、4月16日から森をテーマにした「森のグリーン アフタヌーンティー」を提供している。
ピスタチオや抹茶などの緑色の食材を使用し、初夏らしい爽やかなグリーンを思わせるビジュアルが魅力的なのはもちろん、売上の一部が森林整備などの森づくりを中心に活動している「緑の募金」へ寄付されるため、SDGsへの貢献へとつながるのもポイント。
"サステナブル×アフタヌーンティー"という組み合わせは同ホテルでも今回が初めてだというが、いったいどんなところが「サステナブル」なのか、そして純粋な「アフタヌーンティー」としても楽しめるのか。ホテルを訪れて味わった。
規格外フルーツなど環境に配慮した食材を使用
「森のグリーン アフタヌーンティー」が提供される「フレンチ キッチン」は六本木けやき坂通り側のロビーから入った2階にある。
これまでも「桜といちごのピンクブロッサムアフタヌーンティー」などさまざまなアフタヌーンティーが好評を得てきた「フレンチ キッチン」。今回は「サステナブル」をテーマにしているということで、「緑の募金」や環境から想起される新緑の「グリーン」をテーマカラーとした。
メニューは以下の通り。
【スイーツ】
ショートケーキ・フルーツタルト・ピスタチオ マカロン・ピスタチオ ムース・抹茶エクレア・サプライズ スイーツ
【グラススイーツ】
チョコレートムース・コーヒーゼリー
【スコーン】
抹茶スコーン・プレーンスコーン(ホイップクリーム、ジャム)
【セイボリー】
サステナブルなサーモンのスモーククロスティーニ ブリオッシュ・抹茶バンズとサステナブルなホタテのムース・ほうれん草ブレッドのエッグサンド・アボカドムース・ほうれん草と枝豆のキッシュ
【紅茶】
ロサンゼルス発のプレミアム オーガニックティーブランド「ART OF TEA」の紅茶
※カフェラテ(アイス/ホット)やカプチーノ(アイス/ホット)なども選べる。
特徴は、ショートケーキやフルーツタルトには規格外フルーツ、ピスタチオ マカロン・ピスタチオ ムースやチョコレートムースにはホールフルーツチョコレートなど、多くは破棄されてしまうような食材を無駄なく使用しているところだろう。
「ホールフルーツチョコレート」というのは、これまで廃棄されることの多かったカカオの果肉や皮の部分も捨てずにすべてチョコレートに活用することで無駄をなくしつつ、砂糖などの味付けに頼らないユニークな味わいを実現しているものだそう。
さらに、サーモンのスモーククロスティーニ ブリオッシュやホタテのムースに使用されている魚介類は責任ある供給源から仕入れたサステナブルシーフードを使用するなど、仕入先にもこだわっている。
「森のグリーン アフタヌーンティー」を体験
紅茶は、環境に優しいオーガニック紅茶ブランドの「ART OF TEA」のから好きなものを選ぶ。甘酸っぱいラズベリーとハイビスカス・ジャスミンの香りの「ハッピーティー」、コクと爽やかな渋み・そして甘いバニラの香りが特徴の「アールグレイクレーム」、そして宇治煎茶と宇治抹茶に甘酸っぱいベリーの香りがする「煎茶+抹茶ミックスベリー風味」の3種。
他のコーヒーやアイスティーなどは好きなものを注文できるが、「ART OF TEA」の紅茶は最初に選んだ1種だけをおかわりをすることが可能。
運ばれてきた紅茶を味わっていると、続々とセイボリー、スイーツ、スコーンがテーブルに並ぶ。一度にすべてのメニューを並べてくれるので、写真映えもするし、わざわざ取りにいく必要もないのでゆっくりと過ごせる。食べる順番を好きなように組み立てられるのも魅力だ。
ひとつひとつが小ぶりで、「これはあっという間に食べ切ってしまいそう……2時間もいらないのでは」と一瞬思ったが、結論から言うとひとつずつ味わっていると2時間はむしろ足りないほどで、時間いっぱい堪能することができた。それぞれのメニューを見ていこう。
まずはセイボリー。どれも一口サイズながら精巧に作られており、さまざまな食材のグリーンが活かされているのが見た目にも美しい。特に「アボカドムース」は普段食べ慣れているアボカドのイメージを覆すほどに甘味と酸味のバランスが感じられる滑らかな食感で、添えられているチーズとの相性が抜群。
ミニバンズに挟まれたホタテは柔らかく甘味があり、抹茶味のバンズとのマッチするのがかなり意外な発見だった。
続いてはスイーツ。
ひとつひとつにこだわりを感じるが、一番感動したのはフルーツタルト。タルト生地も上に乗っているフルーツもいずれも洋酒浸けになっており、噛むたびにじゅわっと大人の味わいが広がるのが嬉しい。マカロンはしっとりとしており、甘すぎないが挟まれているチョコソースが濃厚でバランスが最高だ。
グラススイーツはコーヒーゼリーとチョコレートムースの2種。チョコレートムースの上にはマンゴーとパッションフルーツの種がトッピングされ、ほろ苦いチョコレートムースと甘酸っぱいマンゴーの組み合わせが絶妙。
スコーンも手を抜いていない。カリカリと香ばしい食感に、しっかりと抹茶を感じる味わいとホイップクリームが合う。
そして一番の山場は……「サプライズスイーツ」だ。
中盤に登場する球体の冷たいチョコレートに熱い抹茶ソースをかけてもらう。すると球体のチョコレートが徐々に溶け、中から抹茶アイスが登場! この演出は前回のアフタヌーンティーでも好評だったとのことで、確かに盛り上がるし、チョコレートが変化するのを見ているだけでもワクワクする……!
こうしてひとつひとつのメニューにこだわりが詰まっており、一切の妥協がないので次から次へとワクワクが止まらない。気づけば2時間はあっと言う間にすぎていた。個人的にはセイボリーとデザート・スコーンをバランスよく交互に食べることで最後まですべてのメニューを美味しく食べることができると思う。
「サステナブル」「SDGs」と聞くと、意識を高く持たなければと構えてしまうかもしれない。しかし、「森のグリーン アフタヌーンティー」は美味しく楽しんでいるうちに自然と環境に配慮されており、売上の一部が「緑の募金」へ寄付されるというのも良い。
そして何より、グランド ハイアット 東京という非日常なラグジュアリー空間で過ごす贅沢な2時間は日々のストレスから一時的にでも解放してくれる。まだまだ遠出が難しい春のおでかけ先の候補としては最高の場所だった。
「森のグリーン アフタヌーンティー」は4月16日~6月30日の期間限定。提供時間は15時~17時(ラストオーダー16時/平日2時間、土日祝90分制)。価格(税込・サービス料15%別)は、平日5,720円/土日祝6,820円 (グラスシャンパン付)。