フォークデュオのさくらしめじ(田中雅功、高田彪我 ※高ははしごだか)が、2日〜3日に『春しめじのお花し 二冊目』を東京・SHIBUYA PLEASER PLEASUREにて開催した。
本公演は「おはなし」と呼ばれる舞台パートとライブステージが組み合わさった公演となり、脚本はメンバーの田中が手掛けた。アドバイザーとしては『リレキショ』で第39回文藝賞を受賞してデビューを飾り『100回泣くこと』『トリガ―ル!』など映画化された作品も多い小説家・中村航が参加している。
物語はさくらしめじが解散するという場面から幕を開け、田中・高田が本人役として出演。中学生の頃から青春を捧げてきたバンドの解散を受け、将来やお互いの事について悩み葛藤しながらも、再び音楽の道を歩んでいく事を決意するまでの様子が描かれている。
劇中には「中学の頃からずっと一緒にやっている彪我だから意味がある。他の奴らじゃ意味がない」「2人で音楽を作る事に意味がある」など、事実も織り交ぜつつ2人の音楽や互いへの想いを感じ取れるセリフも随所に散りばめられており、ノンフィクションを思わせるようなリアルさや熱気が終始舞台上から放たれていた。
ライブパートではさくらしめじの楽曲の中から、劇中のシーンとリンクした全10曲が披露された。冒頭では2人が昔を懐かしみながらライブでも人気の定番曲「てぃーけーじー」「みちくさこうしんきょく」を楽しそうにパフォーマンスを行う。その後、2人が将来に対する考え方で衝突をしてしまい、田中が1人静かに弾き語りで歌いだす「朝が来る前に」などエモーショナルなメロディが続き、ラストでは劇中の2人が再び音楽を志すきっかけとなった合作曲「辛夷のつぼみ」が新曲として披露された。
そして「冬が来ても、春がやってきて綺麗な花が咲くはずです」と観客へエールを送る言葉を投げかけながら「これからも僕たちを見ていてください。僕たち自身も綺麗な花を咲かせます」と、未来に向けたさくらしめじ自身の決意も力強く宣言し、舞台の幕を閉じた。
事前に行われた公開ゲネプロの挨拶で、高田は「この作品は、自信を持って色々な方にお話して行きたいものだと思っています。(脚本を書き上げた田中については)自慢の相方を持ったと思っています」とコメントをしており、これを受けて田中は笑顔で照れた様子を見せていた。