3月26日に開局したばかりのBS松竹東急(BS260ch・無料放送)のドラマ『家電侍』(毎週土曜23:00~)が、きょう2日にスタートする。主演の滝藤賢一は、同じく今月スタートのドラマ『探偵が早すぎる~春のトリック返し祭り~』(読売テレビ・日本テレビ系)にも主演し、異例の連ドラ同クール2作主演を果たすことになった。
これまでも数多くの作品に出演し、ますます露出が多くなると思いきや、実は今年から1つ1つの作品によりしっかりと丁寧に向き合うため、出演作を絞っているのだという。作品に臨むスタンスを切り替えたことで、「ターニングポイントになるのでは」と期待を抱く2022年。そして、この先の俳優人生をどのように見据えているのか――。
■濱谷Pとの信頼関係で8年越しに実現
今作の原案である濱谷晃一プロデューサーとは、自身初の主演ドラマ『俺のダンディズム』(2014年)からの付き合いだという滝藤。「あの頃に僕を主演でやろうって言ってくれる人は濱谷さんしかいなかったですよ」という抜てきから、『バイプレイヤーズ』『黒い十人の秋山』『コタキ兄弟と四苦八苦』(いずれもテレビ東京)とタッグを重ね、信頼関係を築いてきた。
「貧乏浪人(滝藤)の元に、ひょんなことから現代の最新家電が届くようになり、それが原因で様々な事件が巻き起こる時代劇コメディ」という今作のアイデアを濱谷Pに聞いてから8年越しに実現できたのは、その関係性があったからこそ。
「今回もそうですけど、提案してくださる企画が面白いんです。『俺のダンディズム』なんて、今見てもとても好きな作品ですし、シーズン2で男の遊びをテーマにした『俺のウィークエンド』をやろうなんて話もあったんですよ。濱谷さんは忘れてるみたいですけど(笑)」
■1月の極寒ロケを乗り切る「素晴らしいチーム」
これまで名バイプレイヤーとして、数々の作品に出演。オファーが来たらスケジュールの許す限り受けるというスタイルで、撮影時期の重なる作品が何本もあったほどだが、「今年からは1本1本、できれば打ち合わせから参加し、丁寧に時間をかけて向き合い、最後のプロモーションまで責任を持ってやりたい、という気持ちでおります」という。
今作は、全13話をわずか21日間で撮り切るという異例のスケジュールのため、撮影は早朝から深夜に及び、1月の北関東という極寒の中でのロケである上、ほとんどのシーンに出ずっぱり。「15分の仮眠を取ることもできなかったですから」と、俳優人生の中で最も過酷な撮影だったことを打ち明ける。
さらに、撮影順がストーリーの進行通りではないため、13冊の台本を一気に覚えなければならなかったが、「台本が来るのが遅くて(笑)、最終的にセリフを全部入れるのは無理でした。もう、めちゃくちゃ大変でしたね」と吐露。一方で、「僕らよりもスタッフさんのほうが大変なので、体調も崩さずよく乗り切ったと思います。本当に素晴らしいチームです」と称えた。
この経験をしたからこそ、「今撮ってるドラマも結構スケジュールが大変な方なんですけど、屁とも思わないですね。何なら、楽じゃないかと思ってしまうくらい『家電』はキツかったです(笑)」と、俳優人生26年にして、また一段とたくましくなったようだ。