パナソニックサイクルテックは、e-BIKEの新ブランド「XEALT(ゼオルト)」をこの春立ち上げた。東京・稲城市にある都内唯一のMTBパーク「SmileBikePark(スマイルバイクパーク)」で実施された「XEALT M5」試乗会の様子を紹介する。

日本人に合うサイズのe-BIKE「XEALT」

パナソニックサイクルテックは、電動アシスト付き自転車の市場で国内トップシェアを誇るパナソニックの自転車メーカー。電動アシスト付き自転車といえば、子どもの送り迎えに使う「子乗せ」タイプ、通勤や通学に使う「一般車」タイプがすぐに思い浮かぶが、同社では「e-BIKE」と呼ばれるスポーツタイプの電動アシスト自転車にも注力している。

電動アシスト付き自転車の市場は拡大中だ。近年は、舗装道路以外の山道などを走るツーリングやトレイルライドなど、レジャー目的の楽しみ方も注目されている。

そういった状況のなか生まれたのが、「XEALT(ゼオルト)」ブランド。このブランドでは、小柄な人が多い日本人の体型を考慮し、細部まで取り回しの良さが追求されている。コンセプトや搭載されている機能などは、XEALTブランドを発表した際のレポートでも紹介しているので、ぜひチェックして欲しい。

XEALTでオフロード走行を体験

満を持して登場したXEALTだが、e-BIKEの楽しみ方には多岐に渡る。パナソニックサイクルテックでは、2022年4月から1年間、ほぼ毎月、ガイド付きツアーやオフロード体験のイベントを実施予定である。

3月末には都内のMTBパーク「SmileBikePark」でメディア向けの試乗会が行われた。XEALTの第1弾モデル「XEALT M5」の乗り味を中心に、試乗会の様子を紹介していこう。

この日、ガイドをしてくれたのはe-BIKE専門サイクリングアクティビティ「Viaggio」代表のサイクリングインストラクター・平野由香里さん。体験イベントの冒頭では、「XEALT M5」の特長や操作の説明をしてくれた。

  • 「Viaggio」代表のサイクリングインストラクター・平野由香里さん

「XEALT M5」は日本人の体型を考慮した車体設計。フレームサイズは360mmと420mmの2サイズで展開されており、360mmサイズの適応身長は157cmから170cm、420mmサイズは170cmから183cmと幅広い身長に対応する。またホイールは取り回しやすい27.5型だ。

  • 身長157cmの編集部員も試乗。安定した乗り心地だ

「サドルの高さは、手元のレバーで操作できます。このレバーを押すと、シートが自動で上がります」と平野さん。

やってみると、実に簡単。トレイルでの乗り降りや下り坂ではサドルの高さを調節するシーンもあるが、降車せずにサドルの高さが変えられる。またサドルはクッション性が高いため、デコボコ道でも快適だ。

サドルの高さ調整レバーと同様に、操作パネルも左ハンドルに設置されている。走行モードもパネルで選ぶ方式で、オートモード、ハイモード、エコモードの3種類がある。アシスト力を押さえながら走るECOモードでは最大135kmと長距離の走行が可能だ。

どのモードで走ろうか迷っていると、平野さんが「XEALTは常にオートモード設定でも、ハイモードにも劣らないパワーを出してくれます。スイッチを切り替えなくても、しっかりとアシストしてくれますよ」とアドバイスしてくれた。

  • 電動アシストの走行モードと合わせて、12段の変速機でギアを入れ替えながら走っていこう

ここのコース、都内とはいえ起伏が激しく、かなり本格的。坂道を走ってみて、「思ったよりも坂がきつい。もう走れないかも!」という時、何も考えずXEALTのパワーを信じてペダルをグルリと回すと、路面をしっかりグリップし、自分のパワーが大きくなったような不思議な感覚が得られた。

「こんな急坂でも、まだまだ押してくれる!」と感じながら、こんなに快適に走れるなんて。それでいながら、電動アシストのパワーに頼るばかりではなく、自分の延長上に自転車があり、自分の体で走っている!」という満足感も得られた。

外遊びの楽しみ方が広がりそう! XEALTライドツアーも開催

漕ぎ出しは非常に軽く、あっという間にスピードが出るが、ブレーキも安心感がある。前も後ろもディスクブレーキを採用し、ストップアンドゴーのメリハリの利いた走行性も素晴らしい。安全のためのみならず、何かを見つけてすぐ止まれることは重要だ。四季折々の景色も見過ごすわけにはいかない。自転車乗りのご褒美だからだ。

今回の試乗会に参加したマイナビニュースの編集部員は、山道でのライドは初めて。最初はおっかなびっくり走っていたが「自力では無理そうな急坂も、背中を押されるようにグイグイ登れて驚いたし、慣れてくると景色も楽しめますね! 実際の山や林を長距離走ってみたくなります」と、実に楽しそうであった。

平野さんが代表をつとめるe-BIKE専門サイクリングアクティビティ「Viaggio」では、XEALTの体験ツアーも実施している。「丸1日、XEALTに乗って山を走り、野外料理をして、そしてまた走って、といった内容です。きっと満足していただけると思います」とのこと。e-BIKEに慣れ親しんでいる方はもちろんのこと、初心者もチャレンジできる難易度のツアーもあるそう。XEALTで外遊びの楽しみ方を広げてみてはいかがだろうか。

【DATA】パナソニックサイクルテック「XEALT M5」
フレームサイズは360mm(BE-GM136)と420mm(BE-GM142)の2サイズ、カラーはブルブラックとスターライトシルバーの2色展開。スターライトシルバーは7月発売予定の初回50台限定カラー。メーカー希望小売価格は44万2,000円。