M!LK同様、俳優業も、『ドラゴン桜』や『TOKYO MER~走る緊急救命室~』、『真犯人フラグ』など話題作への出演が続くなど充実一途だ。以前から妥協せず作品に向き合う佐野のストイックさには驚かされるが、そんな作品に真摯に向き合う姿勢が、結果として表れているのではないだろうか――。
「なかなか努力が実を結んでいるなと実感できるものってないんですよね。一つの指標としてSNSのフォロワーなど数字的なものもありますが、それも漠然としたものですから。でも本当に少しずつですが、今までやってきたことが間違いじゃなかったのかな……と感じることは増えてきました」。
そんななか、自身にも少し変化が出てきたという。「僕はなんか完璧主義に近いところがあって、なにをするにしても、納得するまでやり続けようとする癖があるんです。でも最初から完璧を求めると、なかなか一歩が踏み出せなくなる。それが結構つらいなと思うようになってきた時期があったので、最近は『75点主義』ということを意識しています」。
プライベートに「75点主義」を取り入れたことで「結構楽になりました」と語った佐野。しかし俳優業に関しては「まだまだ妥協できないというか、やるからには120点を出したいというか、納得するまでやりたいと肩に力が入ってしまうんですよね」と苦笑い。
それでも「ちょっと肩の力を抜いて、あまり自分に過度に期待し過ぎないようにするというのが、最近の僕のなかでのテーマなんです」と語ると「それぐらいの方が、いい芝居ができるかもしれないので、トライしてみたいなとは思っています」と新たな一面を模索中だという。
「僕のなかではとても挑戦的な役でした」と『就活タイムカプセル』で演じた拓真という役について述べた佐野。「幸せってなんだろう」という普遍的なテーマのなか「情報化社会でいろいろなものが素早く変化していく時代、少し立ち止まって、自分の人生を見つめ直すきっかけになってもらえれば」と作品に込めた思いを語ってくれた。
1998年3月23日生まれ、愛知県出身。2015年2月公開の映画『くちびるに歌を』で俳優デビューし、同年3月にシングル「コーヒーが飲めません」でCDデビューした。近年の主な出演作は、ドラマ『ドラゴン桜』(2021)、『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(2021)、『真犯人フラグ』(2021~2022)、『小さな恋のうた』(2019)、『かぐや様は告らせたい』シリーズ、『嘘喰い』(2022)、舞台『里見八犬伝』(2019)など。