――佐久間さんがプロデューサーを担当した『SICKS〜みんながみんな、何かの病気〜』(テレビ東京系)も単なるコント番組ではなく、大筋のストーリーでも魅せる構成でしたよね。

自分の強みを考えた時に、多分バラエティを作ってる人の中ではかなりドラマの知識があるほうだったり、ドラマに対する愛情も深いのかなと思っていて。

今までもお笑いの中にドラマを組み込む構成はありましたが、そのほとんどがパロディだったと思うんですよ。だけど、僕は『ゴッドタン マジ歌選手権』をやってみて、ネタ元はあるけど、あくまでもマジで音楽作ったほうが面白いという笑いの構造もあるんだと。

それをドラマでもやりたいと考えていたものが『キス我慢選手権』の映画になり、そこから発展して、もっとお笑いとドラマのストーリーを融合させたいと思って、『SICKS』を作りました。

そしてお笑いとドラマのストーリーを融合させたもののもう一つの形が、配信ドラマあるあるも入れながら、見せどころはお笑いにするものを作りたいと思ってできた『トークサバイバー!』なんです。こんな風に右往左往しながら作っていて、これからもそうなっていくんだろうなと思います。

――では最後に改めて、『トークサバイバー!』の見どころを教えていただけますか?

まずはやっぱり千鳥がめちゃくちゃ面白いです。大悟さんがかっこよくて、芝居もトークも面白い。そして全部にツッコミを入れるノブさんが面白くて、出てる芸人もみんな面白くてかっこいいです。

その芸人たちが途中からどんどん消耗していって、ドキュメンタリーみたいになってトークを絞り出していくと、面白いトークをしてるのか、本音を吐露してるのか分からないような状態になって。みんな大変だから、全員の連帯感ができて、「なんとかこの現場を乗り切ろう」という空気になっていくのが面白いですし、あまり見たことがないものになっていると思います。

その中で「この芸人さんってこんなにカッコよかったんだ』『この芸人さんってこんなに面白かったんだ』と驚いたり、あとは芸人さんだけじゃなくて、『この人こんなに面白かったんだ』という人も出てくるという、発見に満ちた全8話になっています。

あとは、こんなに壮大だけど馬鹿馬鹿しくて、くだらない企画に本気で付き合ってくれた俳優の方々のことも好きになる企画が作れたんじゃないかなと思うんですけど、それは見終えたあとで感じていただけたら。1話からゲラゲラと笑って観られると思うので、嫌なことがあった人とかに本当に何も考えずに観ていただきたいです。

■プロフィール
佐久間宣行
1975年生まれ、福島県出身。早稲田大学卒業後、99年にテレビ東京入社。『TVチャンピオン』『ピラメキーノ』『トーキョーライブ22時』『青春高校3年C組』『SICKS~みんながみんな、何かの病気~』『ウレロ☆シリーズ』などを担当し、21年に退社。引き続き『ゴッドタン』『あちこちオードリー』『考えすぎちゃん』とテレ東番組のほか、『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』(ニッポン放送)、『サクマ&ピース』(福島中央テレビ)、『佐久間宣行のNOBROCK TV』(YouTube)に出演もする。2022年、企画・演出を担当したNetflixコメディシリーズ『トークサバイバー! 〜トークが面白いと生き残れるドラマ〜』が全世界独占配信中。