角2封筒は大学受験や就職活動の履歴書送付、ビジネスシーンなどで使用頻度が高いサイズです。封筒の書き方だけで相手に与える印象が大きく異なるため、丁寧な書き方を知っておくことが重要です。
この記事では、角2封筒を中心に、封筒の色やサイズ選び方や宛名をまっすぐに書くコツ、資料の入れ方、郵送のしかたなど、書類を送付する際の基本をくわしくご紹介します。
封筒のサイズについて知ろう
封筒のサイズには、角2のほかさまざまなものがあります。ここでは封筒の種類について紹介します。
一般的な封筒の種類
封筒には大きく3つの種類があり、それぞれの形ごとにさまざまなサイズの封筒が作られています。
- 角形(かくがた)封筒:書類を折らずに入れられる
- 長形(なががた)封筒:封筒の短いほうに封入口がある
- 洋形(ようがた)封筒:封筒の長いほうに封入口がある
角形封筒だけをみても以下のような種類があります。
封筒の種類 | サイズ | 規格 | 折らずに入れられる書類サイズの目安 |
角形0号 | 287×382mm | 定形外 | B4 |
角形1号 | 270×382mm | ||
角形2号 | 240×332mm | A4 | |
角形20号 | 229×324mm | ||
角形A4号 | 228×312mm | ||
角形3号 | 216×277mm | B5 | |
角形4号 | 197×267mm | ||
角形5号 | 190×240mm | A5 | |
角形6号 | 162×229mm | ||
角形7号 | 142×205mm | B6 | |
角形8号 | 119×197mm | 定形 | ー |
角2封筒とは、角形封筒の中のひとつで角形2号封筒の通称です。
角2封筒はA4サイズを折らずに入れられる
A4(210×297mm)サイズの書類を折らずに入れられるサイズの封筒は、おもに以下の3つがあります。ビジネスでは角型2号や角形A4号が選ばれることが多いです。
封筒の種類 | A4サイズの書類を入れた場合の状態 |
角形2号 | 短辺方向、長辺方向ともに余裕がある |
角形20号 | 長辺方向に余裕がある |
角形A4号 | ぴったり納まる |
角2封筒は、ここで挙げた3種類の封筒のうち、最もゆとりがあります。封筒にA4サイズの書類を折らずに何枚も入れたい場合や、ファイルに挟んだ書類、厚みのあるカタログ類などを入れるのに向いています。
角2封筒は定型外郵便になる
切手を貼って送る定形郵便物・定形外郵便物には、サイズや重量の規格があります。
角2封筒を郵送する場合は、定型外郵便物扱いです。定形郵便物の切手代(25g以内84円、2022年2月時点)では送れない点に注意しましょう。
提出する封筒のサイズは指定されていることがある
高校・大学などに願書を提出する際は、合格した場合の書類一式を受け取るために返信用の封筒を同封するよう求められることがあります。
この返信用封筒は角2封筒を指定されることがあるのです。書き方は各学校の募集要項に準じるものの、返信用の角2封筒には、連絡先を正しく記載しなければなりません。
角2封筒の表側の書き方|送り先の郵便番号・住所・宛名
ここでは角2封筒の表側の書き方について紹介します。なお、住所や宛先について、パソコンでテンプレートを活用して封筒に印刷したり、ラベルを作成して宛名に貼り付けたりする方法もあります。
縦書きの書き方
ここでは角2封筒に縦書きで宛名を記入する書き方を解説します。封筒の宛名は、縦書きと横書きを明確に使い分ける決まりはありません。ただし新聞や小説などは縦書きで書かれるものが多いため、かたい印象を与えたい場合には縦書きが向いています。
【住所の書き方】
郵便番号
郵便番号の枠がある場合には、枠内に郵便番号を書きます。枠がない場合は右上に、数字と数字がくっつかないようにしながら読みやすく書きましょう。なお郵便マーク(〒)は記載しません。宛先住所
住所は封筒の右側に記載します。都道府県名やビル名を省略せずに書くのがポイントです。
【宛名の書き方】
宛名は封筒の中央に書きます。 正式な会社名を右側に記載し、左側に宛名を記入します。
【朱書きの書き方】
送付相手には、たくさんの郵便が届いているかもしれません。重要な書類を送付する場合は、開ける前におおよその中身を知らせるために朱書きを記載します。
朱書きには以下のようなものがあります。
- 履歴書在中
- 請求書在中
- 応募書類在中
- 親展:宛名本人に開封してほしい場合に記載
- 重要
- 至急
縦書きの場合は、封筒の左側に赤ボールペンなどで縦書きに記載し、枠で囲みます。
横書きの書き方
封筒の宛名は縦書きで書かれることが多いものの、角2封筒は十分な横幅があるため宛名を横書きすることも可能です。
横書きはややカジュアルな印象を与えますが、宛先名にカタカナや英単語が含まれる場合には伝わりやすい書き方です。書き慣れている場合は横書きのほうがバランス良く美しい宛名が書けるでしょう。
【住所の書き方】
郵便番号
縦書きの場合と同様に、封筒の上側に書きます。住所
切手を貼る位置の少し下から住所を書き始めます。
【宛名の書き方】
封筒のほぼ中央に宛名を書きます。
【朱書きの書き方】
朱書きの位置は封筒の右下です。周囲に少し余白を作り赤字で記載して赤枠で囲みます。
「行」「様」「御中」の使い分け方
角2封筒の宛先には必ず敬称を付けます。例えば履歴書を送付する場合には、採用担当部署「御中」とし、もし担当者がはっきりしている場合には、採用担当部署 〇〇「様」と敬称を使い分けます。
その他敬称の使い分け方は以下のとおりです。
敬称の種類 | 書き方例 | 使い分け方 |
御中 | 〇〇部 御中 | 部署名のみ記入する場合 |
様 | 〇〇部 ご担当者様 | 担当者名がわからない場合 |
〇〇部 〇〇〇〇様 | 担当者名がわかる場合 | |
行 | (自分の名前)行 | 返信用封筒に自分の名前を書く場合 |
また、返信用封筒を用意する場合には、個人名の場合は自分の名前の後ろに「宛」、法人の場合は「行」の敬称を付けましょう。
なおもしも会社などから「〇〇部 〇〇行」という返信用封筒を受け取った場合は、二重線で行を削除して「御中」に書きなおして投函しましょう。個人名であれば「様」に書きあらためます。
角2封筒の裏側の書き方|差出人の郵便番号・住所・宛名
ここでは自分の名前を記入する裏側の記入方法をご紹介します。
封筒の表側を縦書きにした場合は裏側も縦書き、表側が横書きの場合は横書きにします。なお、相手への敬意を示すために、表書きよりも小さな字で書くのが一般的です。
縦書きの書き方
縦書きの書き方は以下のとおりです。
【住所の書き方】
郵便番号
左側の半分より下側に横書きで書きます。枠がある場合は枠内に記載します。住所
郵便番号の下に書きます。左側に名前を書く場所を開けておきましょう。
【差出人の書き方】
住所よりは少し大きい字で記載します。
横書きの書き方
横書きの書き方は以下のとおりです。
【住所の書き方】
郵便番号
左側の半分より下側に横書きで書きます。枠がある場合は枠内に記載します。住所
郵便番号の下に書きます。左側に名前を書く場所を開けておきましょう。
【差出人の書き方】
住所よりは少し大きい字で記載します。
〆を付け丁寧に封をする
封筒に必要な書類を入れた後は、途中で開けられないようのりで封をします。重要な郵便物には、確かに封をした(封緘:ふうかん)という意味で「緘」というシールや印鑑を押します。
用意がなければシメ「〆」を記入する方法で構いません。ただし単にバツ印「×」を付けるのは誤りのため注意しましょう。
補足事項がある場合
必要に応じて、封筒の裏に日付を記載します。書いてある日付時点の情報で書類を入れたという意味のため、投函履歴書を送付する場合は履歴書に記載してある日付と同じ日を記載します。
宛名が縦書きの場合は漢数字で縦書きにして、宛名が横書きの場合は数字で横書きにします。
返信用封筒の折り方と入れ方
返信用封筒はたくさん折り目があると印象がよくありません。折らずに入る場合はそのまま同封しましょう。
しかし角2封筒に角2封筒を入れたい場合などは、折らなければ入りません。4つ折りにすると厚くなってしまうので、長辺方向を折って3つ折りにすると入れやすくなります。
角2封筒を郵送する前のチェック項目
角2封筒にはビジネス上の重要書類を入れる場合が多くあります。
字をまっすぐに書く
角2封筒は大きいため、宛名を書く場合に字が曲がってしまいうまく駆けません。線が細いボールペンよりも太目のフェルトペンのほうが、しっかりとした字が書けて読みやすい印象になります。
また、字を揃えるためにこれから書こうとする場所に薄く鉛筆で線を引いておくとガイドになり字が曲がりにくくなります。軽く下書きをしておくと便利です。
受け取る相手の気持ちを考える
書類を送る際は、必ず開封して受け取る相手がいます。途中で雨に濡れたり書類がバラバラになったりしないようにクリアファイルに入れてから封筒に入れるのがおすすめです。書類の順番を要項にあるとおりの順番に揃える気遣いもあると良いでしょう。
請求書の発送などであれば、封筒を発送したことをメールで一報するのも一案です。一方応募者が殺到する可能性がある受験申込などの場合は、先方にメールをすると負担になる可能性が高いため、避けておくのがマナーだといえます。
速達と普通郵便を使い分ける
角2封筒を郵送する際には、定形外郵便(規格内)の料金がかかります。急ぎの場合は速達が使えるため、必要に応じて活用しましょう。
角2封筒を郵送する場合の郵便料金は以下のとおりです。(2022年2月時点)
重量 | 普通郵便料金 | 速達料金 |
50g以内 | 120円 | 380円 |
100g以内 | 140円 | 400円 |
150g以内 | 210円 | 470円 |
250g以内 | 250円 | 510円 |
500g以内 | 390円 | 740円 |
1kg以内 | 580円 | 930円 |
なお郵便局の公式サイトから、配達にかかるおおよその日数が調べられます。