ヤマハ発動機は7月から順次、車両固定式バッテリー搭載の出力8.1kWクラス電動スクーター「E01(イーゼロワン)」を、日本、欧州、台湾、インドネシア、タイ、マレーシア向けに実証実験用モデルとして導入開始する。

  • 「E01」(画像は海外仕様で、日本仕様とは一部異なる)

「E01」は、原付二種クラスのスクーターとしての実用性と、都市間の移動に適した走行性能を備える電動スクーター。EVインフラやシェアリングビジネスなどの構築にあたって、顧客ニーズの把握やその他周辺ビジネスの可能性探求、新たな市場開拓などの実証実験用として、事業所、自治体、官公庁などに向けて導入するモデルでもある。

主な特徴は4点。ひとつ目は、「上質かつパワフルな走行を実現する自社開発のモーター」。専用に開発した高回転型の空冷永久磁石埋込型同期モーター(IPMSM)で、長年培った鋳造技術と加工技術に、新たに同社独自の「平角太巻き線技術」を融合し、二輪EV用空冷モーターとして業界最高レベルの出力/トルク密度、高効率化を実現した。街中の渋滞路・低速走行時の扱いやすさ、全域でのリニアな加速感に貢献している。

ふたつ目は、「満充電で航続距離約104kmを実現するバッテリーと用途に応じて選べる3つの充電システム」。電源は、大容量と高出力を両立する車両固定型リチウムイオンバッテリーを採用した。バッテリー充電は、「急速充電器」「普通充電器」「ポータブル充電器」の3つの充電システムに対応し、使用環境や用途に応じて選択できる。

  • 3つの充電システム

3点目は、「スポーツバイク開発で培った技術を反映した専用設計フレーム」。強度・剛性バランスに優れた新開発バックボーンフレームを採用した。後輪懸架には、同社のスポーツバイクで実績のあるCFアルミダイキャスト製スイングアームを採用し、軽量化を図っている。

4点目は「MOTOROiDを頂点とする当社EVシリーズデザインコンセプト「人機官能EVデザイン」に基づいたスタイリング」。バッテリーとモーターエリアを一直線に配置し、EVのパワートレイン「機能」を視覚化した。

そのほか、「エンジンブレーキの感覚を再現した回生ブレーキ」「走行状況に応じて選べる3つの走行モード」「走行ログやバッテリー残量など車両情報をリモートで確認できるコネクテッドシステム」「スムーズな発進を支援するトラクションコントロールシステム」「取り回しで便利なリバース機能」などの特徴を備えている。

なお、実証実験用モデルとして、日本のほか欧州、台湾、インドネシア、タイ、マレーシアでも導入となるが、製造は同社の組立工場で行うとのこと。