日本コカ・コーラは、「檸檬堂」ブランド戦略発表会を3月17日に実施、2022年の戦略や新製品「檸檬堂 無糖レモン」「檸檬堂 うま塩レモン」の紹介を行った。本記事ではその様子をレポートする。
家飲み需要で好調なレモンサワー缶市場、次に狙うのは?
発表会では「檸檬堂」ブランドを担当する日本コカ・コーラ マーケティング本部 アルコールカテゴリー ブランドマネジャー 名郷根 宗氏が登壇。同ブランドの2022年の戦略や新製品の説明を行った。
コロナ禍での「巣ごもり消費」で家飲み消費は伸びており、外飲みで人気だったお酒が家庭内でも飲まれるようになっている。なかでもチューハイ市場は堅調に推移している。2021年のチューハイ市場の変化としては、市場の成長を上回る27.6%という成長率を見せる「レモンサワーカテゴリの浸透」、「新ジャンルユーザーからの流入」、「1本あたりの平均購入単価の増加」といった特徴が見れるそうだ。そういった背景をもとに「少し高くても美味しいレモンサワー缶が浸透したと感じています」と振り返る。
日本コカ・コーラが手掛ける「檸檬堂」も、2021年も販売金額で7.5%増、購入者数で4.4%増、購入者当たりの購入金額は8.9%増と好調。「酒場とお酒好きへの愛と敬愛」、レモンサワー専門ブランドとして「レモンサワーへの美味しさの探求心」、家飲みでも「酒場らしいユーモアのある提案」といったブランドの特色も消費者に認知されていると自信を見せる。
しかし、まだ「お酒好き」ヘビーユーザーにはレモンサワー缶はまだまだ定着しておらず、ここに家庭内での飲用の伸びしろがあるとも分析する。
そういった状況を踏まえ、名郷根氏は2022年のカテゴリー成長の機会を3つ挙げた。ひとつは「家庭内での飲用において"質"を求める傾向が顕在・定着」していること、ふたつめは「レモンサワーの浸透・酒税改正によるお酒好きの流入が加速」すること、3つめは「レモンサワーのお酒好きヘビー層の家庭内飲用に機会」があることだ。「この大きな機会に対して市場消費者のニーズに応え、よりお酒好きの方のすそ野を広げ、いつもの家飲み時間を『檸檬堂』から豊かにしていきたい」と期待を寄せた。
「檸檬堂」新商品はお酒好き向けの2本
お酒好きなユーザーへの新商品として、3月28日より「檸檬堂 無糖レモン」「檸檬堂 うま塩レモン」を全国発売する。また「はちみつレモン」「鬼レモン」はパッケージをリニューアルする。
「檸檬堂 無糖レモン」「檸檬堂 うま塩レモン」は今までの「檸檬堂」では満足できなかったお酒好きの方の期待に応えるために開発された商品。仕込みにこだわり、レモンの味わいが特徴の新メニューだ。ターゲットはお酒が好きな40~50代男性。
「檸檬堂 無糖レモン」は、スッキリ甘くないお酒を嗜む人に飲んでもらえる味わい。甘みを一切加えず、厳選したレモン果汁をブレンドしている。開発時は居酒屋で出てくる手搾りのレモンサワーをヒントにしたという。パッケージは「檸檬堂」らしい酒場の前掛けをベースに、男性らしい力強さと、無糖のシャープなイメージに仕上げている。
「檸檬堂 うま塩レモン」は、じっくりお酒の味を嗜みたい人に向けて開発した。コクのある瀬戸内の塩を隠し味に加えることで、レモンとお酒が調和したまろやかなうま味が実現している。食事と一緒でも、単品でもしっかりと味わえる商品にしたという。デザインは「無糖レモン」同様、前掛けをベースに、レモンと塩のうまさが調和したまろやかさをデザインに落とし込んだ。
既に発売している、炭酸水などと割って飲むタイプの「檸檬堂 うちわりレモン」は、いつもの「檸檬堂」とは一味違う、こだわりの一杯を飲みたい人のために作ったという。ターゲットはレモンサワー好きの30~40代。飲用シーンは休前日や週末といったゆとりのあるタイミングで、食事中や食後のリラックスする時間を想定している。
原料には発酵レモン果汁を使用しており、独自の「前割レモン製法」で仕込んだしっかりしたレモン感のある味わい、炭酸水で割ったり自由にアレンジができる。また初めての方でも手に取りやすく、1~1カ月半程度で飲み切れる300mlサイズで展開する。
また、より親しみを持てる世界観でのコミュ―ケーションも展開。テレビCM、交通広告、デジタル、店頭など様々な接点を作る。SNSを活用することで、家飲みを豊かにする提案や消費者と共創する提案を行い、ブランドのつながりやレモンサワーの定着を強めていく狙いがあるという。