JR東日本大宮支社は26日、宇都宮線・日光線の新型車両として投入するE131系の車両展示会を日光駅で開催した。車両展示会は2月27日に宇都宮駅(宇都宮運転所構内)、3月5日に黒磯駅でも開催予定。宇都宮線・日光線のE131系は3月12日から運行開始する。

  • 宇都宮線・日光線の新型車両として投入されるE131系。運行開始を前に車両展示会を開催

E131系は房総地区の外房線・内房線・成田線などに投入された車両が昨年3月から運行開始し、相模線に投入された車両も昨年11月から運行開始している。宇都宮線・日光線のE131系は計45両(3両編成×15編成)を新造し、すでに全車搬入済みとのこと。3月12日のダイヤ改正後、宇都宮線(東北本線)宇都宮~黒磯間と日光線宇都宮~日光間は全列車E131系となり、ワンマン運転も開始。現行の205系は定期列車としての運転を終了する。宇都宮線小山~宇都宮間の一部列車もE131系を使用する。

宇都宮線・日光線に投入するE131系は、既存の一部車両で採用された日光らしいレトロ調の外観デザインを継承。車体側面の窓上・窓下に火焔太鼓の山車をイメージした黄色・茶色の帯を配し、車体前面の窓下に配したドット柄のデザインも黄色・茶色の2色を採用している。「世界遺産日光の社寺に施される文様にも通じる、賑やかで、高級感のあるデザイン」に仕上げたという。

  • 車両展示会は日光駅2番線ホームで行われた

  • 205系「いろは」車両の普通列車と並ぶ

  • 新型車両の概要を紹介するパネルも

車内の快適性向上のため、既存の205系と比べて車体幅を広げ、客室を拡大したほか、座席を低座面化してクッション性の向上を図り、1人あたりの座席幅も拡大。ドアは半自動機能を搭載し、荷物が挟まれた場合でも引き抜きやすいドアとしている。一部のドア上部に案内表示画面(17インチ)を設置し、運行情報など表示するほか、多言語対応として情報提供の充実を図る。ホームとの段差を低減し、車いす・ベビーカー利用者向けのフリースペースを各車両に設け、車いす対応大型洋式トイレを設置するなど、バリアフリー化も推進する。

セキュリティ向上のため、各車両に客室内防犯カメラを設置。非常通報装置は1両あたり4カ所に増設する。ワンマン運転に対応した機器として、車体側面に乗降確認カメラを設置している。モニタリング技術を活用した車両搭載機器や線路設備の状態監視機能により、故障の予兆を把握し、事前に対処することで、さらなる安全性・安定性向上も実現するとのこと。環境性能の向上を目的に、エネルギー効率を向上させた車両制御装置も搭載した。

  • 車内はオールロングシート。車いす対応大型洋式トイレやフリースペースも設置されている

日光駅での車両展示会は2月26日の10時30分から開催された。同駅2番線にE131系が展示され、1番線に205系(「いろは」車両も含む)の普通列車が到着して新旧車両が並ぶ時間帯もあり、地元利用者や鉄道ファンらでにぎわった。E131系の車内では、実際に着席して座り心地を確かめる人や、半自動ドア機能を試す人の姿も。新型車両の前で記念撮影を行う人も多かった。

2月27日の宇都宮駅(宇都宮運転所構内)、3月5日の黒磯駅でも、日光駅と同様、10時30分から14時30分までE131系を展示し、外観・車内を公開する予定(最終入場時刻は14時)となっている。なお、E131系の投入ともない宇都宮線・日光線での定期運行を終える205系に関して、3月27日に引退イベント「ありがとう205系600代 撮影&検査体験 in 小山車両センター」が予定されている。

  • 宇都宮線・日光線に投入されるE131系の車内・外観