舞台『陰陽師 生成り姫』のフォトコールが23日に東京・新橋演舞場で行われ、三宅健、音月桂、林翔太、木場勝己が取材に応じた。

  • 左から林翔太、三宅健

    左から林翔太、三宅健

同作は、映画、舞台、そして歌舞伎など様々なジャンルで取り 上げられてきた夢枕獏原作による『陰陽師』(「生成り姫」)の舞台化作。平安時代を舞台に、繊細で聡明な陰陽師・安倍晴明(三宅)と友であり大切なパートナーである源博雅(林翔太)の活躍を描く。

三宅の演じる晴明について、蘆屋道満役の木場は「敵対してるように思われてるんですけど、僕は晴明さんが大好きという道満で行きたいと思ってます。それにふさわしい美しさです」と絶賛する。音月も「対決する場面があるんですが、眼力にやられてしまってるのではないかというか。女性から見ても妖艶で雅という言葉がすごく合う安倍晴明様なので、そのエネルギーをお借りして頑張りたいな、美しさを磨きたいなと思っています」、林も「健くんの素の美しさがそのまま晴明に合っていて、ようやくマスクを外してお芝居をできたんですけど、毎回ドキドキしながらやらせてもらってます」と、"美"の部分が注目の様子。

稽古場では感染対策で私語はほとんどなし、差し入れもなしの状態だったというが、V6に憧れてジャニーズに入ったという林は「幸せな日々を過ごさせてもらいました。僕にとっても思い入れのある新橋演舞場でまたこうして健くんと一緒にステージに立てるというのは本当に奇跡のよう」と思い入れはたっぷり。三宅は「2018年の『滝沢歌舞伎』以来で」と振り返り、音月は「晴明が博雅にカツを入れるシーンがあって、『もうちょっと激しく』となった時に、(林が)ニヤニヤと嬉しそうにしてた」と指摘する。林が「Mの部分が……」と苦笑すると、音月は「師弟関係が垣間見えて微笑ましかったです」と印象を表した。一方、三宅は林について「博雅として一緒にやってるので、かわいらしい。もう本当に役者さんですから、後輩と言うより1人の役者さんとして見ています」と褒めていた。

林は改めて今回の三宅の座長っぷりについて「外の世界でいろんな俳優さんと一緒にお仕事しているところを見るのが初めてだったので、こういう風に現場の空気を作られる方なんだなと、新たな発見でした。すごく周りを見ているんですよね。見てないようで、実はすごいしっかりと。『目がいくつあるの?』というくらい本当に見てらっしゃって、いろんな人にちゃんと気を遣って現場の空気作りをされている方で、後輩ですけど、すごく居心地の良い空気にしてくださっていました」と感謝する。また林自身も主演舞台の時にも活かせるように「頑張ります」と意気込んだ。

今作で大変なことを聞かれると、三宅は「カツラが重いです。肩が凝ります。(衣装を見ながら)これでもまだ軽い方だと思うんですけど、これを年がら年中着てる歌舞伎役者の方々、本当に素晴らしいなと尊敬します」としみじみ。陰陽師として「祓いたいもの」については「僕にいやな思いを寄せてくれる人たち。嫌悪感とか、イラッとしてる人があんまり好きじゃないので、そういう人は寄せ付けないようにしたい。生きていたら、そういうこともあるんじゃないですかね。穏やかな日々を過ごしたいと思ってるので」と回答する。また博雅のような親友がいるか聞かれると「死してまで守りたい無二の親友って、けっこう難しいんじゃないかと思います。もしかしたらいないかもしれないですね」と語った。

さらに今作のように「女性が鬼になってしまった場合はどうする?」という質問に、三宅は「止められないんじゃないですか? もはやなす術はありません」と諦め、林は「僕のことを食べてもらって一緒に鬼になります。治すには愛が一番なんじゃないですかね」と答えていた。東京公演は新橋演舞場にて2022年2月22日~3月12日、京都公演は南座にて2022年3月18日~3月24日。

  • 座長として音月桂の衣装の裾まで整える三宅健(右)