9月の誕生石は2種類あります。本記事では、9月の誕生石として扱われているサファイアとラピスラズリを持つことで期待できる効果や宝石言葉を解説します。また、ふたつの宝石の歴史や由来、お手入れ方法もご紹介。9月の誕生石を探している方は選び方の参考にしてください。
9月の誕生石(1)サファイア
ここでは、9月の誕生石のひとつであるサファイアの歴史や由来、原産地について解説します。
サファイアとは
サファイアは何世紀もの間、王族や聖職者の装飾品として使われてきた宝石です。ギリシャ語で青色を意味する「sappheiros」やラテン語で青色を指す「sapphirus」からサファイアと名付けられました。昔は青色の石を全て、サファイアと呼んでいたそうです。
サファイアは青色以外にもさまざまな色があります。その中でも青色の輝きが美しいブルーサファイアは古くから愛されています。
サファイアの原産地
サファイアの主な原産地はミャンマーやカシミール、スリランカです。また、オーストラリアやカンボジア、タイ、マダガスカル、アメリカ、アフリカでも発見されています。
サファイアの歴史や由来
サファイアは次のように扱われてきた歴史があります。
- 古代ローマやギリシャではブルーサファイアが嫉妬や危害から所有者を守ると信じられてきた
- 中世ヨーロッパでは癒しを持つ力があるとして、目の病気や伝染病による腫瘍を治すと信じられてきた
- 聖人や哲学者の石として、神の恩恵によって精神を再生するといわれてきた。枢機卿や司教の指輪に用いられた
- キリスト教徒はサファイアが神の王国の輝きと清らかさを表すとして、聖母マリアの象徴だと考えられている
サファイアの効果・宝石言葉の意味
ここでは、サファイアの別名や効果、宝石言葉をご紹介します。
別名・和名 | 青玉・蒼玉(せいぎょく)、聖人の石 |
効果 | 人を愛する、真実を探求する、貞操を守る、自身がつき成功を収める、心配やイライラを吹き飛ばす |
宝石言葉 | 慈愛、誠実、徳望、貞操 |
宝石言葉にもあるように、サファイアは慈愛や誠実を意味しています。貞操を守って真実の愛を貫く力が働くといわれているため、一途な愛のお守りとして持つのもいいでしょう。
言い伝えでは不誠実な人が持つと変色するとされているので、サファイアを持つなら慈愛や誠実を意識して行動するのがおすすめです。
サファイアの種類とお手入れ方法
ここでは、サファイアの種類をご紹介します。お手入れ方法もあわせて解説します。
サファイアの種類
サファイアと聞くと、深みのある美しい青を想像する人も多いでしょう。しかし、サファイアにはピンクやオレンジ、緑、黄などに輝く種類もあり、青色以外はファンシーサファイアやカラーサファイアと呼ばれています。以下からは特に人気のある種類をご紹介します。
■ブルーサファイア
ブルーサファイアはサファイアの代表的な色合いです。ブルーサファイアの中でも、特に美しく価値の高いものはコーンフラワーブルーと呼ばれています。
■ピンクサファイア
ファンシーサファイアの中でも人気が高い種類がピンクサファイア。鮮やかで可憐に輝くピンクを好む女性も多いです。コランダムと呼ばれる鉱物が赤に変色するとルビーで、赤が薄く現れたものがピンクサファイアとなります。
■パパラチアサファイア
ピンクサファイアとオレンジサファイアの中間に位置するのがパパラチアサファイアです。オレンジにもピンクにもみえるような輝きが特徴で、その絶妙は色合いと希少さによって幻の宝石とも呼ばれています。
サファイアのお手入れ方法
サファイアのモース硬度は9で、他の宝石に比べて硬く耐久性に優れています。普段のお手入れでは柔らかい布で優しく拭き取ってあげましょう。特別にお手入れするなら、石けんや中性洗剤を溶かしたぬるま湯の中で、柔らかいブラシで軽くこすります。終わったら柔らかい布で水気を取ってください。
9月の誕生石(2)ラピスラズリ
ここでは、9月の誕生石のひとつであるラピスラズリの歴史や由来、原産地について解説します。ラピスラズリは9月と12月、ふたつの月の誕生石として数えられる宝石です。
ラピスラズリとは
ラピスラズリは深みのある青や紫がかった色合いが美しい宝石です。紀元前から世界各国で重宝されてきました。ラテン語で石を意味する「lapis」とペルシャ語で青や空、天を意味する「lazward」が組み合わさって、ラピスラズリ(lapis lazuli)と名付けられています。
■ラピスラズリの原産地
ラピスラズリの原産地として有名なのがアフガニスタンやロシア、チリになります。この3ヶ国はラピスラズリが採れる3大産地です。また、カナダや北米でも産出されることがあります。
ラピスラズリの歴史や由来
ラピスラズリは次のように扱われてきた歴史があります。
- アフロディーテ(愛と美の女神)と関係が深く、古代ローマではカップルの守護石として崇められた
- エジプトやバビロニアはラピスラズリを砕いた粉を絵具の顔料にし、壁画に用いて魔除けや護符にしていた
- ツタンカーメンのマスクの顔料やフェルメール作の名画「真珠の耳飾りの少女」の絵具としても使用された
- 日本では、仏教の貴重な七宝のひとつ「瑠璃」として扱われた。東大寺の正倉院に残る宝物には、瑠璃が使用されたものがある
ラピスラズリの効果・宝石言葉の意味
ここでは、ラピスラズリの別名や効果、宝石言葉をご紹介します。
別名・和名 | 瑠璃(るり)、聖なる宝石 |
効果 | 不幸から身を守る、幸運が訪れる、試練を引き寄せるが乗り越える力を与える |
宝石言葉 | 真実、幸運、浄化、崇高、克服、知性、健康、成功の保証 |
ラピスラズリは身につけた人に対して試練を引き寄せるとされています。しかし、その試練を乗り越える力も与えてくれる宝石です。精神力や魂のレベルアップを支援するといわれています。
何らかのやり遂げたいことがある人は、達成する誓いを込めてラピスラズリを身につけてもいいでしょう。
ラピスラズリの種類とお手入れ方法
ここでは、ラピスラズリの種類をご紹介します。お手入れ方法もあわせてみてみましょう。
ラピスラズリの種類
ラピスラズリは単体の鉱石ではありません。ソーダライトやアズライト、パイライトなど、各鉱石の微細な結晶が不純物として混じっています。そのため、各鉱石の配合率によって色合いやニュアンスが異なります。
さらに、原産地によっても色合いやニュアンスが違うので以下をチェックしてください。
- アフガニスタンやペルシャ:ミディアムダーク、すみれがかったような青が多い
- チリ:緑に影響を受けているものや斑点がみられる
- ロシアやシベリア:黄鉄鉱やカルサイト(黄、青、ピンクなどさまざまな色合いを持つ石)が含まれる場合がある
ラピスラズリのお手入れ方法
ラピスラズリはホコリや皮脂が付きやすい宝石なので、柔らかいブラシでホコリを取った後、石けんや中性洗剤を溶かしたぬるま湯に入れて優しく洗います。真水でよくすすいで柔らかい布で水気を取ってください。乾拭きして水分をきちんと取り除きましょう。
ラピスラズリのモース硬度は5〜6です。傷つきやすい固さなので、こすり洗いは控えてください。また、装着時や保管時にぶつけないように気をつけましょう。太陽光にさらされると変色する可能性があるので、保管場所にも気を配るのがおすすめです。
9月の誕生石からお気に入りを身につけましょう
9月の誕生石はサファイアとラピスラズリのふたつです。サファイアの宝石言葉は「慈愛、誠実、徳望」となっています。貞操を守って真実の愛を貫く力が働くため、カップルや夫婦で身につけるのもいいでしょう。
ラピスラズリは9月と12月、ふたつの月の誕生石です。宝石言葉は「真実、幸運、浄化、崇高、克服、知性、健康、成功の保証」となり、幸運を引き寄せたい人や何かをやり遂げたい人におすすめ。
今回ご紹介したふたつの宝石からお気に入りをみつけて、指輪やネックレス、ピアスなどで身につけるといいでしょう。