今回は、「反骨精神」という言葉の使い方や対義語、例文をはじめ、「反骨精神」を必要とする職業や、このマインドを持っている人の特徴をご紹介します。

「反骨精神」と聞くと、「反骨」という言葉からも、強靭な精神、不屈の精神のようなイメージがわくとかもしれませんが、正確にはどのようなマインドを指す言葉なのでしょうか。反骨精神は成果を出すのに良い影響を与える精神でもあります。

本記事では、反骨精神の意味や語源、類義語や英語表現をはじめ、反骨精神を持つ人の特徴やそのようなマインドが必要な仕事をご紹介します。

  • 「反骨精神」とは?

    「反骨精神」の意味や語源、類義語などをご紹介します

「反骨精神」とは?

「反骨精神」とは、不利な状況や不当な権力に物怖じすることなく立ち向かったり、世論や時代の風潮に反抗したりする気概を表す言葉です。

「反骨精神がある」と聞くと、どうしても頑固で堅物なイメージがわくかもしれませんが、筋違いな主張をしていて頑なに意見を変えないような人を指しているわけではなく、根拠に基づいて自分の信念を貫いているような人のことを指します。

同様に、口先だけで物事を主張して行動がともなっていないという人ではなく、言行一致している人のことを指す言葉としても使われます。

「反骨精神」の意味とは

「反骨精神」には、時代の風潮や世間に反抗するような心持ちという意味があります。ただ世間の流れにただ反発するわけではなく、不当な権力や権威に媚びたり屈したりせずに、自分の強い意志を示している様子を表現する言葉です。

「反骨」は気概を表す言葉なので、精神とセットで反骨精神と使うことが多いです。

「反骨精神」の「反骨」の語源は?

「反骨」の語源は中国です。「反骨」は中国語の「叛骨」という言葉から来ています。昔中国の仙人が、自分の骨をひっくり返すことにより体調を整えていたという逸話から、「反骨」という言葉ができたとされています。

  • 「反骨精神」の類義語

    「反骨」の語源は中国語の「叛骨」です

「反骨精神」の類義語

ここでは「反骨精神」の類義語をご紹介します。反骨精神の類義語としては、「心理的抵抗」「ハングリー精神」「不屈の精神」「逆境をバネにする気持ち」などが挙げられます。

心理的抵抗

「心理的抵抗」は、物事を素直に受け入れることができない気持ちを表す言葉です。反骨精神は「マインドのこと」を指すのに対して、心理的抵抗は気持ちの面から生まれる「抵抗のこと」を指しているという点で異なります。

ハングリー精神

「ハングリー精神」は、苦しい状態にあっても負けないという強い気持ちを表すという点で反骨精神と似ている言葉です。

不屈の精神

「不屈の精神」も、「ハングリー精神」と同様に貧困など弱い立場にいながら、その辛い状況にもめげることのない強い意志を表す言葉です。また、逆境をバネにどのようなことにも耐えてしまうような精神のことを表すこともあります。

逆境をバネにする気持ち

「逆境をバネにする気持ち」と「反骨精神」は、置かれている境遇や心に抱いている感情が似ています。辛い境遇にいながらも、その辛さをバネに強い信念が生まれるという意味で類義語として使われます。

  • 「反骨精神」の対義語

    「反骨精神」の類義語は、「心理的抵抗」「ハングリー精神」「不屈の精神」などです

「反骨精神」の対義語

反骨精神にはこれといわれている対義語はありませんが、以下でご紹介する「臆病」「唯々諾々」「従順」などの言葉は、シチューエーションによって反骨精神と反対の意味の言葉としても使用することができます。

臆病

「臆病」は、気が小さく、些細なことにも恐れおののくことを意味する言葉です。自分の信念を持って何事にも立ち向かう勇敢な様子がイメージできる「反骨精神」に対して、物怖じしてしまう「臆病」は、正反対な人間性といえます。

唯々諾々

「唯々諾々」は、「いいだくだく」と読み、誰かの言いなりになるという意味を持つ言葉です。反骨精神には、どのような権威にも屈することなく自分の意志を貫くという意味があるので、唯々諾々は正反対の意味を持つ言葉といえます。

従順

「従順」とは、相手に逆らうことなく、素直な態度で相手のいうことを聞くことです。従順は他人に反発することがないことを指しますが、反骨精神は、屈することなく反発することを指すので、これら2つの言葉は対義語と考えることができます。

  • 「反骨精神」を英語で表すと?

    「反骨精神」の対義語は、「臆病」「唯々諾々」「従順」などです

「反骨精神」を英語で表すと?

「反骨精神」を英語で表すと、「a spirit of defiance」や「rebellious spirit」ということができます。「defiance」や「rebellious 」 には、反抗的(な態度)という意味があり、「spirit」には、精神という意味があるので、直訳すると反抗的な精神となります。

  • 「反骨精神」がある人の特徴

    「反骨精神」の英語表現は、「a spirit of defiance」や「rebellious spirit」です

「反骨精神」がある人の特徴

反骨精神があるといわれる人にはいくつか共通する特徴があります。ここでは、反骨精神がある人の特徴を5つご紹介します。

負けず嫌いな性格

負けず嫌いな性格の人は自分の中にきちんとした根拠があり、自分の意志が正しいと思えば、それを曲げることはありません。その主張を通そうとアピールする際に反骨精神の一面が見受けられるといえます。

努力を惜しまない

反骨精神を持った人は自分が正しいと思った信念を貫くためには、どのような茨の道も真正面から突き進みます。その過程で、必要になる地道な努力も惜しむことなく自分の力で道を切り開こうとする力がある人が多いといえます。

強い意志を持っている

反骨精神がある人はどのような世間の流れにも、強い権威を持った人にもひるまずに、どのようなときでも自分の強い意志を尊重することが多いでしょう。

立場が弱い人の気持ちを汲み取れる

「反骨精神」と聞くと、傲慢で冷淡な印象を抱いてしまいがちですが、決してそのようなことはありません。実は、反骨精神がある人の中には、辛い境遇を経験している人も多く、そのような状況を経験したからこそ、立場が弱い人の気持ちを汲み取れるという長所もあります。

上の立場の人にも媚びない

「反骨精神」がある人は、立場や権威を気にしません。自分が正しいと思うことを貫く強さがあるので、いくら上の立場の人であっても、自分の意見ははっきりと伝える傾向があるといえます。

  • 仕事で「反骨精神」を活かせるときとは?

    「反骨精神」がある人の特徴を5つご紹介します

仕事で「反骨精神」を活かせるときとは?

反骨精神を持っていると仕事をする上で有利に働くことがあります。ここでは仕事の中で反骨精神を活かせるときはどのようなときなのかをご紹介します。

営業の仕事

営業は、門前払いを食らうことも多い仕事です。成果を上げるためには地道な努力だけでなく、何回断られてもめげずに提案し続ける根気や、逆境をバネにうち勝とうとする強い意志が必要になるので、反骨精神を活かすことができます。

落ち込んだとき

反骨精神がある人は逆境に強いため、落ち込んでもすぐにそこから脱却する方法を考え始めます。落ち込んでいる状態から回復するのが早いというメリットがあります。

リーダーとしてチームを引っ張っていくとき

リーダーの資質として、どのような困難にぶつかってもへこたれず、周りを巻き込んで乗り越えていくという点が挙げられます。反骨精神がある人は、目標のために、壁にぶつかっても諦めずに前に進み続けようとすることができるので、リーダーに向いているといえます。

  • 「反骨精神」の例文

    「反骨精神」は仕事上で有利に働くことが多々あります

「反骨精神」の例文

不利な状況や不当な権力に物怖じすることなく立ち向かったり、世論や時代の風潮に反抗したりする気概という意味を持つ「反骨精神」の例文は、以下のとおりです。

1. 反骨精神を持った人ほど、伸び代が大きい。

2. 最近の若い世代の子たちには、反骨精神が見られない。

3. 彼は反骨精神を持っているため、正にこの会社のリーダーとしてふさわしい人材だ。

  • 「反骨精神」は仕事や成長に活きるマインドです

    「反骨精神」の例文を3つご紹介します

「反骨精神」は仕事や成長に活きるマインドです

反骨精神とは、不利な状況や不当な権力に物怖じすることなく立ち向かったり、世論や時代の風潮に反抗したりする気概を表す言葉です。

反骨精神を持つ人は、営業の仕事で成果を出しやすかったり、リーダーとしてチームを引っ張っていったりすることが得意な人も多いのが特徴です。「反骨精神」と聞くと、どこか傲慢なイメージがあるかもしれませんが、辛い境遇を経験している人も多く、実際は立場の弱い人の気持ちも汲み取れる、優しくて強い素敵な人だということができます。