「住宅ローンの返済が苦しい」と悩んでいる方は、借り換えをすることで返済負担を軽減できる可能性があります。また借り換えには、返済負担の軽減以外にもさまざまなメリットがあるため、住宅ローンを返済中の方は一度検討してみると良いかもしれません。
一方、住宅ローンを借り換えるときは手数料や税金などを支払う必要があるため、効果があることを事前に確認することが大切です。
今回は、住宅ローンを借り換えるメリットや注意点などを分かりやすく解説します。
住宅ローンの借り換えで返済負担を下げられる可能性がある
借り換えとは、返済中の住宅ローンを一括返済し、他の金融機関でローンを組み直すことです。より金利が低い住宅ローンに借り換えることで、毎月の返済負担を抑えられる可能性があります。
住宅ローンの毎月の返済額や、それに占める利息の割合は、金利に応じて決まるしくみです。近年の住宅ローン金利が低下し続けており、2022年1月現在の変動金利はおおむね年0.4%台となっています。キャンペーンを適用することで、年0.3%未満で借り入れできる金融機関もあるのです。
とくに住宅ローンの返済開始から10年以上経過している人は、借り換えをすることで返済負担を軽減できるかもしれません。住宅ローンの返済負担を少しでも軽くしたいと考えている方は、借り換えを検討してみてはいかがでしょうか。
借り換えで団体信用生命保険の保障を手厚くできる
借り換えのメリットは、返済負担の軽減だけではありません。借り換えをすることで、団体信用生命保険の保障を手厚くできる可能性があります。
団体信用生命保険とは、住宅ローンの返済中に万一のことがあると返済が免除される保険です。銀行など一般的な金融機関で住宅ローンを組む場合、団信の加入は基本的に必須です。その代わり団信の保険料は、金融機関が負担してくれます。
保険料負担のない団信は、死亡と高度障害のみの保障が一般的でした。それが近年では「がんと診断されたときに残債が半分になる団信」や「病気やけがで一定期間にわたって働けなくなったときに保険金が支払われる団信」などに無料で加入できる金融機関が増えてきています。
金利タイプの変更も可能
住宅ローンの金利タイプには「変動金利」や「固定金利」があります。変動金利は、返済の途中で世の中の金利に応じて返済額が変わる可能性があります。一方の固定金利は、世の中の金利が変わっても毎月の返済額は変わりません。
住宅ローンの借り換え時には、金利タイプの変更が可能です。例えば、変動金利から固定金利に変更すると、毎月の返済負担が減らなかったとしても金利の固定による安心感を得られる可能性があります。
住宅ローンを借り換えるときの注意点
返済負担の軽減をはじめとした複数のメリットがある借り換えですが、新規で住宅ローンを申し込むことになるため、税金や手数料などの支払いが発生します。また金融機関の審査を受けて通過しなければ、借り換えはできません。
注意点(1)諸費用がかかる
借り換え時にかかる諸費用の種類は、以下の通りです。
登録免許税: 借入金額の0.1%
司法書士への報酬: 5万~10万円程度
収入印紙(印紙税): 借入金額に応じて2万~6万円程度
事務手数料: 数万~数十万円または借入金額の0.1~0.2%程度
保証料: 数万~数十万円または住宅ローン金利に0.2%程度を上乗せ
※諸費用の金額は金融機関によって異なります。
借り換えの諸費用の額は、借入金額や金融機関によって変わります。また金融機関や商品によっては、保証料が不要となる場合があります。
借り換えを検討するときは、毎月の返済額だけでなく諸費用も含めて総合的にメリットがあるのかを考えることが大切です。
注意点(2)審査に通過しなければならない
借り換えをするときは、住宅ローンを新規で申し込んだときと同様に審査を受ける必要があります。審査の結果次第では、借り換えができないかもしれません。
例えば「転職した直後」「クレジットカードの支払いを長期間にわたって滞納していた」などにあてはまると審査に通過できず借り換えできない可能性があります。
住宅ローンを借り換えるタイミング
住宅ローンの借り換えは「借り換え後の金利差が年1%以上」「住宅ローンの残高が1,000万円以上」「返済期間が10年以上」の3つを満たすとメリットがあるといわれています。
しかしこの基準はあくまで目安であり、3点すべてに当てはまらなくても、借り換えによるメリットが得られることがあります。
借り換えを検討するときに大切なのは、シミュレーションを確認して判断することです。借り換え前と借り換え後の返済負担を比較して、ご自身にとってメリットがあるかどうかを確認したうえで借り換えをすると失敗を防げるでしょう。