コロナ禍で孤独を感じ、結婚願望を持つ女性が増えているというが、水原には「自分のやりたいことや、一緒にいたい人というのが、より明確になりました」という変化があったと語る。

「これまでは、やりたくないこととか、そんなに関わる必要がなかったけど関わっていた人たちが、自分の大切なものとは全く違うところにあったり、それがストレスになっていたりというのを、ふとした時に気づくようになりました。コロナの最初の頃ってまだ分からないことがあったから、“死”というのをすごく感じて、命には限りがあるということを再認識したんです。そうなったときに、仕事もプライベートも人間関係も、自分の限りある時間というものを使っていると意識して、『ここにいるのはすごい時間を無駄にしてる』と思ったり、逆に自分のやりたいことができたときに『幸せ!』というのをより深いように感じられるようになりました」

ステイホーム期間で家族と一緒に過ごす時間が長くなったことで、その存在の大切さも再認識したことから、「自分がこれから結婚ということがあるのなら、相手は自分の家族を大事にしてくれるような人がいいなというのは、やっぱり考えました」と言うように、恋愛観や結婚観においても、大きな影響を受けた。

「今までの恋愛って、目的があまり定まってなかったような気がするんです。好奇心がすごく旺盛なので、自分の知らない世界を見せてくれる人と付き合ってデートしてみるというのもあったんですけど、そういうことに時間を割けなくなった。だから、今までは相手に話を合わせるということもあったと思うんですけど、今は“自分がどうしたいか”と思っていいんじゃないか、ある意味ちょっとわがままになっても良いんじゃないかと思うようになったんです。そんな自分というものを、そのままの状態で認めてくれる人がいいですね」

●水原希子
1990年、米テキサス州に生まれ、神戸で育つ。03年から『Seventeen』の専属としてモデル活動を開始し、10年公開の映画『ノルウェイの森』で女優デビュー。13年のNHK大河ドラマ『八重の桜』でテレビドラマ初出演を果たし、以後『進撃の巨人』(15年)、『信長協奏曲』(16年)などの映画、『嘘の戦争』(17年・カンテレ)、『グッドワイフ』(19年・TBS)、『ブラを捨て旅に出よう~水原希子の世界一周ひとり旅~』(20年・Hulu)、『彼女』(21年・Netflix)などドラマに出演。映画『あの子は貴族』(21年)で、第35回高崎映画祭最優秀助演俳優賞を受賞した。