転職を考えたとき、できるだけ休日が多く、福利厚生のしっかりしている企業で働きたいと考える人は多いでしょう。
休日日数や休暇制度がどれだけ充実しているかは重要なポイントで、「夏季休暇」の有無についても気になるかもしれません。
しかし、実際に夏季休暇がどんな制度なのか詳しくは知らないという人も多いはず。
この記事では、気になる夏季休暇制度について紹介します。夏季休暇を取るときの注意点なども紹介するので、ぜひ最後まで読んでみてください。
夏季休暇とは?
夏季休暇とは、その名のとおり夏季に取得できる休暇のことです。
夏季休暇はいつ?
夏季休暇は、8月の13日~15日のお盆の3日間を中心に、3~5日程度取得できるというのがよくあるケースです。
ただし、お盆に全員が一斉に休みを取って会社を休業にすることができない会社などの場合、各従業員が取得時期をずらしながら休暇を取得するというケースもあります。
一般的に夏季と呼ばれる7~9月の期間で限定している会社もあれば、6月から12月など夏季に限定せず取得時期を比較的長期に設定している会社もあります。
夏季休暇は有給?
夏季休暇を法定外休暇として導入している場合、有給か無給かを企業が決めることができます。
年次有給休暇など、法律によって定めがある休暇のことを法定休暇と呼ぶのに対し、法律の定めがなく、企業が制度の導入の有無や制度の内容を自由に決められる休暇を法定外休暇または特別休暇と呼びます。
法定外休暇として夏季休暇が設定されている場合、就業規則などにルールが書かれているので、確認しておきましょう。
ただし、会社によっては夏季休暇を年次有給休暇の計画付与日としているところもあります。
労働基準法では、労働者が自分で請求・取得できる年次有給休暇日数を最低5日残しておくことを条件として、残りの年次有給休暇は労使協定により日付を指定できるとしています。この方法を使えば、企業としては夏季休暇を有給の消化日数にできるので、年次有給休暇の取得率を上げられるというメリットがあります。
夏季休暇の導入例
実際の企業での導入例をいくつか紹介します。
- 正社員は7~9月の3か月間の間に、特別有給休暇制度として、5日間の夏季休暇を取得できる。
- 7~9月の間に平日4日間、夏季休暇の取得を奨励している。夏季休暇に加えて年次有給休暇を使って長期の休暇取得を進めている。
- 計画年休など他の休みとあわせて8月に9連休取得できる。会社として、年次有給休暇の年5日取得も達成。
会社によって、夏季休暇の運用の仕方はさまざまです。
夏季休暇を取るときの注意点
夏季休暇は、会社によってそもそも存在しない場合もあります。また、日数や取得方法などのルールも会社によって異なる点は、注意が必要です。
年次有給休暇のように、法律で会社から労働者への付与が義務付けられている法定休暇とは異なり、夏季休暇は法律で取得を義務付ける記載はありません。法律に定めがなく、企業が制度の有無や内容を自由に決められる休暇のことを法定外休暇といいます。
夏季休暇を導入している企業は、主にこの法定外休暇(特別休暇)として夏季休暇を扱っています。法定外休暇では、制度の有無やルールを会社が決めることができます。
「夏季休暇を取ろうと思ったら、そもそも制度がなかった」「友達は5日間も夏季休暇があるのに、自分の会社は3日間だった」ということも十分にあり得ます。
会社の夏季休暇のルールを、就業規則を読み職場の人に聞くなどして、よく確認しておきましょう。
夏季休暇と夏期休暇の違いは?
一般的に、夏期休暇よりも夏季休暇という表現が使われます。
夏季も夏期も「夏の時期」という意味です。そのため「今年は夏期に5日間休みを取って旅行に行く」といった表現も間違いではありません。
公務員の夏季休暇
公務員の夏季休暇について、気になる人もいるでしょう。ここからは、公務員の夏季休暇について紹介します。
公務員の夏季休暇の日数
公務員には7月から9月までの期間に、3日間の夏季休暇があります。
心身をリフレッシュさせるためや、家族と過ごす時間を増やすための特別休暇として、夏季休暇が与えられています。
非常勤職員の夏季休暇
公務員の非常勤職員も、7月から9月までの3日間に、夏季休暇を取得することができます。
過去、非常勤職員に夏季休暇はありませんでしたが、世間的にも非正規で働く人の待遇改善の動きが進んでおり、非常勤職員の夏季休暇が制度化されました。
夏季休暇のお知らせマナー
会社によって夏季休暇がない会社もあり、時期も異なるため、自分が夏季休暇を取るときは、取引先などに知らせておきましょう。
夏季休暇を知らせるときのマナーについて紹介します。
夏季休暇のお知らせメールの必要性
ここまで解説したとおり、夏季休暇自体がない会社もあれば、日数や時期も会社によって異なります。
自分が夏季休暇を取っている間、クライアントは通常通り働いており、連絡がつかず対応が遅れることでトラブルにつながるおそれもあります。
そのため、夏季休暇を取るときは、事前にメールで知らせておく必要があるといえます。
社外への夏季休暇お知らせメール文例
社外へ夏季休暇を知らせる際のメールの文例は、以下のとおりです。
株式会社●●商事
△△様
お世話になっております。
●●株式会社の××です。
恐縮ではございますが、下記の期間で夏季休暇をいただきます。
××年7月●日(月)~7月×日(金)
上記期間中のお問い合わせは、7月●日以降の回答とさせていただきます。
ご迷惑をおかけいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
よろしくお願いいたします。
件名は、「夏季休暇のお知らせ(●●株式会社・佐藤太郎)」など、夏季休暇のお知らせであることがわかるようにしましょう。
署名を活用した夏季休暇の社外へのお知らせ
メールでのやりとりを日常的にしている相手には、署名を使って夏季休暇日程を告知する方法もあります。
署名の直前に、以下のように夏季休暇を知らせる文章を入れておきましょう。
××年7月●日(月)~7月×日(金)は、夏季休暇とさせていただきます。
お知らせメールを送るときの注意点
夏季休暇のお知らせのメールを送る際には、いくつか注意点があります。
メールは、休みの1週間前までには送りましょう。進行中の仕事のやりとりがある相手など、早めに見積もって1か月前に知らせておけば、休みを踏まえたスケジュールを組むことができます。
また、休暇中にプライベートの自分の連絡先は、なるべく記載しないようにしましょう。自分の休みがつぶれてしまうおそれや、対応ができない可能性もあります。自分の休暇については、周囲にもしっかりと理解してもらうのがいいでしょう。
最後に、メールを送る際には、夏季休暇の期間を間違えて書かないように気をつてください。日程の記載ミスは、トラブルにつながることもあります。メールを送信する前に、正しい夏季休暇の期間を記載できているか改めて確認しましょう。
夏季休暇の制度は会社によってそれぞれ
夏季休暇は、ワークライフバランスの観点から主に企業が法定外休暇として定めているお休みのことです。
夏季休暇制度の有無や取得する際のルールなどは、会社ごとに異なります。転職の際には求人票をよく確認して、夏季休暇の有無をチェックしましょう。
自分の会社に夏季休暇があるか気になる人は、就業規則を確認したり、周りの人に聞いてみたりするのもおすすめです。例年の取得状況などもあわせてきいておくといいかもしれません。
仕事はもちろん、プライベートでも生活は充実させたいもの。ワークライフバランスのとれた生活で、仕事も遊びも満喫しましょう。