『第100回全国高校サッカー選手権記念 伝えたい、この想い アナウンサーたちのロッカールーム』

「高校サッカーをやっていなかったら、私は『news every.』という番組を12年続けられていないです。高校サッカーがなかったら、私の日本テレビ人生は、つまらないものになっていたと思います(笑)」とまで言う藤井アナ。日テレへの入社志望は「完全に高校サッカーです!」と打ち明ける。

「子供の頃は少年サッカーをやっていて、年末年始はいつも友達の家にみんなで上がり込んで高校サッカーを見ていました。私、アナウンサーになりたかったんじゃなくて、サッカーに関わる仕事がしたかったんです。だから、テレビ局はサッカー中継のある局しか受けていないですし、それ以外はユニフォームを作るスポーツメーカー、日本サッカー協会、等々力競技場の芝を管理する団体など、“サッカー縦軸就活”をやっていました(笑)」

採用面接では、「サッカーのそばで生きていきたい」という熱意をアピールすると、それが伝わって、どんどん次の選考に進むことができたという。「こうして今があるのはサッカーのおかげです。この本で、その恩返しができればと思います」と、取材中には何度もサッカーへの感謝の思いを語っていた。

●藤井貴彦
1971年生まれ、東京都出身。慶應義塾大学卒業後、94年日本テレビ放送網に入社し、スポーツ実況アナウンサーとしてサッカー日本代表戦や、クラブワールドカップ決勝、2010年バンクーバー五輪の実況などを担当。高校サッカーでは、第85回(06年)、第86回(07年)、第87回大会(08年)の決勝などを実況した。10年4月からは夕方のニュース番組『news every.』のメインキャスターを務め、コロナ禍で視聴者に寄り添うコメントが注目を集めている。21年4月からは音楽番組『MUSIC BLOOD』のナレーションも担当する。