コロナ禍で、自宅で過ごす時間が増え、コーヒーへの注目度が高まっています。全日本コーヒー協会の「コーヒーの需要動向に関する基本調査」によると、新型コロナウイルスの感染拡大以降、レギュラーコーヒーの消費量が大幅に増加したといいます。

コロナ禍でコーヒーへの注目がアップ

『世界一のバリスタが書いた コーヒー1年生の本』(宝島社)は、これまでカフェでコーヒーを飲む習慣があったが、淹れ方が分からない、専用の道具も持っていないという人のための知識をまとめた本です。

著者の井崎英典さんは、世界最大の参加国で競われる、最も歴史のある大会の一つ、「ワールド・バリスタ・チャンピオンシップ」で、2014年にアジア人初の世界チャンピオンとなった人物。バリスタとは、コーヒーに関する知識・技術を持ってカフェ(本場イタリアではバール)などで働く人のことです。

「難しそうなコーヒー技術を超やさしく解説」がコンセプトのため、紹介する道具は最小限。専用の道具がなくとも、「茶漉し」で淹れられる方法までも紹介しています。

コーヒー器具と淹れ方をざっくり学習

コーヒーは嗜好品であり、道具選びも個人の好みが色濃く出てきます。それなのに、「これはすごい。自腹でも買うよね!」と、編集スタッフの意見が一致した品がありました。それが、クレバードリッパー。

クレバードリッパーって?

その前に、コーヒーの基本を説明します。コーヒーとは、コーヒー豆を粉に挽き、含まれる成分をお湯に移した飲み物。成分を移すことを「抽出」と呼び、さまざまな抽出方法がありますが、基本的には以下の2通りとなります。

・透過式(とうかしき):粉の層を断続的にお湯が通ることで、液体を濾過して抽出する方法。ペーパードリップ、ネルドリップ、エスプレッソなどが、この方法に分類されます。コーヒーの微細な粉は、フィルターで漉され、すっきり系の味わいに。

・浸漬式(しんししき):粉をお湯に浸して抽出する方法。フィルターなどで濾過をしません。フレンチプレスなどがこの方法。フィルターで漉さないため、コーヒーに含まれる油分などが漉されず味わえて、お湯が通り抜けないため抽出時間をコントロールしやすくなります。ただし、微細な粉(微粉)が残るので、気になる人は取り除く必要があります。

この透過式と浸漬式のいいとこ取りできるのが、浸漬式ドリッパー。

ペーパードリップはお湯が速やかに粉の層を通り抜けるが、浸漬式ドリッパーだとお湯がドリッパー内に一度溜まります。成分をしっかりお湯に移しつつ、微粉も漉し取れることができるのです。

クレバードリッパーが便利すぎるし美味

筆者は、ネット通販でクレバードリッパーを購入しました。

ドリッパーはシンプルな形。写真奥は、付属品のフタ。

ドリッパー中央の穴に弁があり、お湯を溜められる仕組みになっています。

淹れ方は、ドリッパーにペーパーフィルターをセットし、粉を入れ、お湯を注ぎ時間を置き、抽出が終わったら、ドリッパーをコーヒーサーバーに置くという流れ。

説明書によると、360mlのお湯に対し、粉22g、抽出時間3~6分が目安。

抽出中は付属品のフタを閉めておくと、温度が下がりにくくなります。

抽出が終わったらサーバーに載せると、ドリッパーの弁が開き、コーヒーが落ちてきます。

出版元の編集者である田中早紀さんは、「本を作ったのをきっかけに、コーヒーの淹れ方の基本が分かりました。浸漬式と透過式、どちらもよさがありますが、そのいいとこどりができるドリッパーがあるなんてすごい。気になってつい買ってしまいました」と話しています。

また、「取材中に井崎さんがお勧めしていた『ORIGAMI』のドリッパーも買ってしまいました。道具はいろいろ奥深くて沼ですね」と、すっかりコーヒーライフを堪能中の様子。選ぶのも、使うのも楽しいのがコーヒー道具のいいところ。自分で丁寧に淹れたコーヒーでおうち時間を楽しく過ごしてみてください。