2021年に続いて、2022年もさまざまなものが値上がりする見通しです。すでに値上げが決まっているもののうち、家計への影響が大きいものをピックアップしてご紹介します。また、生活に直結する公共料金や食品などの値上がりにどのように対処したらいいのか、家計防衛策についてもお伝えします。

公共料金の値上げ

電気・ガス

2022年1月の電気・ガス料金は、2021年12月と比べ全社が値上げとなります。これで5ヵ月連続の全社値上げとなり、2021年初と比較すると10%以上の値上げとなります。 値上げ幅は平均的な使用料の家庭で、東京電力146円増、中部電力153円増、関西電力107円増、ガスでは、東京ガス109円増、大阪ガス113円増となっています。

水道料金

神奈川県三浦市は水道料金を2022年7月から10.2%引き上げる方針を固めています。他にも静岡県河津町、青森県七戸町などが2022年4月から水道料金の値上げを実施する予定です。すでに2021年の1月に埼玉県川口市で平均25%値上げ、7月に神奈川県横浜市で平均12%値上がりしており、民間の研究グループでは2018年と比較して2043年には全国平均で43%水道料金が値上がりすると予測しています。今後も値上げは続きそうです。

医療・保険の値上げ

医療費

2022年10月から、75歳以上の一定以上の所得がある人の医療費の自己負担割合を、1割から2割に引き上げることになりました。 対象となるのは、年収が200万円以上(単身者、課税所得28万円以上の場合)の後期高齢者です。すでに年収383万円以上(単身者、課税所得145万円以上の場合)の現役並み所得者は3割負担なので、今回の引き上げは年収200万円以上383万円未満(単身者の場合)の後期高齢者ということになります。ただし、緩和措置として、2025年までの3年間は負担増が最大月額3000円までに抑えられます。

火災保険

2022年10月から、損害保険各社は火災保険の10年契約を廃止し、最長5年ごとの更新となります。自然災害のリスクは、将来、大きく変化していくと見込まれることから、長期的なリスク評価が難しくなっていることが理由です。保険料は契約期間が長いほど割安となるので、実質的な値上げになります。

交通費の値上げ

新幹線・特急

JR東日本は、2020年春から最も混雑する時期の新幹線や特急列車の指定席料金を値上げする方針を決めています。最大で約3割値上げとなります。湘南新宿ラインなど普通列車のグリーン車は対象外です。

首都高

首都高速道路は2022年4月から通行料金を改定し、上限料金を現在の1320円(ETC普通車)から1950円に値上げします。(630円値上げ) その他の車種区分の新たな上限料金は次のとおりです。 軽・二輪1590円(500円値上げ)、中型車2310円(900円値上げ)、大型車3110円(1030円値上げ)、特大車5080円(2430円値上げ)

食品の値上げ

食パン

山崎製パンは2022年1月1日出荷分から食パンを平均9%値上げ、フジパンも同じく2022年1月1日の出荷分から食パンを平均9.7%値上げします。

麺類

東洋水産は「マルちゃん」ブランドの生麺・具材類や冷凍食品の一部について、2022年4月1日納品分から6~13%値上げします。 日清フーズは乾麺、パスタ、パスタソース製品を2022年2月1日納品分より約3~9%値上げします。

冷凍食品

味の素冷凍食品は家庭用や業務用の一部の冷凍食品を2022年2月1日納品分から約4~13%値上げします。 日本水産(ニッスイ)は同じく2月1日納品分から、家庭用のすり身製品や冷凍食品を値上げします。 テーブルマークは3月から冷凍食品を約5~10%値上げします。

食用油

J―オイルミルズは2022年2月1日から家庭用や業務用の菜種油を1キログラムあたり40円以上値上げします。

ハム・ソーセージ

日本ハムは、2022年の2月1日納品分からハムやソーセージなどを5~12%値上げします。 また、商品によっては、価格を据え置いたうえで内容量を減らす対応を行うとしています。

コーヒー

ネスレ日本は2022年1月1日出荷分から「ネスカフェ」などを10~20%値上げします。

醤油および豆乳

キッコーマンは2022年2月から醤油を約4~10%、豆乳を約5~6%値上げします。

ポテトチップス

カルビーは2022年1月からポテトチップス17種を7~10%値上げ、「じゃがりこ」は内容量を減量します。 湖池屋は2022年2月出荷分からポテトチップスの一部商品6~11%値上げします。

値上げにどう対処するか

公共料金や保険料、食品などの値上げは、生活に直結しているため家計へのダメージが心配になります。しかし、工夫次第でダメージは減らすことができます。

電気ガスなどの光熱費は一見どうにもならないように感じますが、電力自由化によって、消費者が電力会社や料金メニューを自由に選択できるようになったため、競争が働き現状よりも安くできる場合があります。

各家庭の電気やガスの使い方に合った電力会社や料金プランを選べば、電気代・ガス代が節約できる可能性があるのです。電気料金を比較できるサイトを使って見直ししてみるといいでしょう。その際、電気代の支払いでポイントが貯まるケースが多いので、ポイント還元率が高い会社を選ぶのも一つの方法です。

食品の値上げについては、個別の商品の値段を気にするよりも、食費全体を見直す方が効果があります。外食の回数を減らすことが食費の節約に一番効果的です。また、買い物の仕方によっても節約ができます。毎日買い物をしない、特売日にまとめ買いをする、よく利用する店の会員になってポイントを貯めるなど、工夫次第で値上げ分以上の節約ができるでしょう。