稲佐山が生まれ変わる!?「INASA TOP SQUARE」

長崎の街を一望でき、世界三大夜景の1つにも数えられる「稲佐山」だが、2020年から山頂部分のリニューアルがはじまり、長崎の魅力をこれまで以上に体感できる場所に生まれ変わっているという。その噂を聞きつけて、筆者も今回の旅に稲佐山を組み込んだ。

  • 稲佐山から夜景を一望できる

山頂に向かうにあたっては、2020年2月に誕生したばかりの「スロープカー」を利用。ロープウェイとは異なり、移動中も常に水平のためバランスを崩すことなく眼下に広がる景色に集中できる。また、稲佐山の木々が映り込むように鏡面塗装を施してあるので、夜景だけでなく稲佐山の大自然を観賞することが可能だ。ゆっくりと上る車内からは、一瞬一瞬見える景色が変わり山頂とは違った夜景を望むことができた。

  • 高級車フェラーリなどを手掛けた工業デザイナー奥山清行氏が率いるKENOKUYAMADESIGNがデザインしている

  • 木目調の社内は広々としており、近未来のような雰囲気を漂わせていた

長崎稲佐山スロープカー(中腹駅~山頂駅)
営業時間:9:00~22:00時(通年)
往復運賃:大人500円/中高生370円/小児250円
片道運賃:大人300円/中高生220円/小児150円

長崎の独特な地形が造り出した絶景

頂上に到着したあとは早速展望台へ。「世界三大夜景」とは果たしてどんなものなのか……ドキドキしながら、展望台の階段を一段一段上っていく。ついに現れた景色は、息をのむほどの美しさ。湾岸から丘陵部が急激に立ち上がる独特な地形が造り出した立体的な大パノラマは、長崎夜景ならではだという。

  • 標高334mの稲佐山からは長崎市内のあらゆる光群やランドマークが鑑賞できる。モナコ・上海とともに長崎の夜景が世界三大夜景に選ばれた

「稲佐山にカップルで行くと別れてしまう」という迷信を後ろでカップルが話していたが、むしろその風光明媚な光景を見ずに愛は語れないのでは?と思わせた。

夜景をバックに長崎の恵みを堪能

その後は、展望台内にある2021年7月にオープンしたばかりの「稲佐山レストランITADAKI」にて夜景を眼下に見下ろしながら贅沢な食事を堪能! 

  • 夜景を愛でながら料理を楽しめる

繊細で色彩豊かなコース料理「ITADAKIコース」(3,500円)は、地元長崎で採れる食材を中心に作られているという。五島うどんを使用したカルボナーラやかぼちゃのカプチーノなど一風変わった料理は、舌だけでなく香りや見た目でも楽しませてくれた。

  • 五島うどんを使ったピンクのカルボナーラや雲仙豚のローストなど、食の宝庫長崎の美味しさを堪能できる

稲佐山レストランITDAKI
場所:長崎県長崎市稲佐町364 稲佐山公園
営業時間:ランチ 11:30~14:30(L.O.)14:00/カフェ 14:00~16:30/ディナー 17:00〜23:00(L.O.)21:30

おなかも満たし、帰りはロープウェイを使って下山する。長崎市北側を望めるスロープカーとは異なり、長崎市中心街も一望できるロープウェイはまた違った長崎の魅力をみせてくれた。

帰り際、隣に居合わせた長崎県人と談笑していると「夜景も素敵ですけど、ここは夕景が本当に美しいんです」と教えてくれた。魅力を存分に味わったと思ったが、味わい尽くすところはまだまだあったよう。読者のみなさんも稲佐山を訪れる際は、ぜひ夕景とセットで夜景を鑑賞してみてはいかがだろうか。


最旬スポットの開業、稲佐山リニューアルをはじめ、まさに変わりゆく長崎がそこにあった。そして、その進化の過程を目の当たりにできるのは今この瞬間だけ。ぜひ、あなたも100年に1度の変革期を現場で体感してみてはいかがだろうか。