帝国データバンクは12月15日、「全国企業『メインバンク』動向調査(2021年)」の結果を発表した。同調査は、2021年10月末時点の企業概要データベース(約147万社)をもとに、企業がメインバンクと認識する金融機関を分析したもの。なお、一企業に複数のメインがある場合は、各企業が最上位とする金融機関をメインバンクとした。

  • メインバンク社数 上位60行庫

    メインバンク社数 上位60行庫

2021年の全国メインバンク社数トップは「三菱UFJ銀行」となった。企業数は9万6,511社、シェアは6.64%となり、2009年の調査開始以降13年連続のトップに。しかしながら、社数は減少が続いているほか、全国シェアも前年から0.10ポイント減少。12年連続のシェア縮小となり、減少幅は全金融機関で最大となっている。

2位は「三井住友銀行」(企業数7万7,437社、シェア5.33%)。前年からシェアで0.08pt、社数で約1,200社減少しており、昨年を上回る減少幅に。3位の「みずほ銀行」(企業数6万2,291社、シェア4.28%)も、シェアで0.06%、社数で約1,000社減少し、同じく過去最大の落ち込みを記録。この結果、都市銀行(メガ)上位3行のメイン社数は昨年比で計約3,700社、シェアにして計0.24ptの減少となり、メイン社数の減少が進んでいる結果となった。

地方・第二地方銀行では、上位60行のうち「北洋銀行」(2万3,895社)が最多。次いで「福岡銀行」(2万1,871社)、「千葉銀行」(2万1,124社)、「西日本シティ銀行」(2万563社)と続いた。また、「第四北越銀行」のメイン社数は1万7,993社(シェア1.24%)で、北陸4県に拠点を置く地方銀行として初めて上位10行入りとなった。

  • 業態別シェア 2021年上位順

    業態別シェア 2021年上位順

業態別にみると、シェアが最も高いのは「地方銀行」で40.51%となり、全業態のなかでは唯一3年連続で4割を超えた。シェア拡大は12年連続となり、2009年の調査開始以降、地方銀行のシェアは総じて拡大傾向が続いている。次いで「信用金庫」(シェア23.39%)が続き、3年連続でシェアが拡大、地方銀行と信用金庫を合わせたシェアは全体の3分の2に迫る結果となった。

  • 都道府県別 金融機関シェア(トップ) 一覧

    都道府県別 金融機関シェア(トップ) 一覧

各都道府県別に企業がメインバンクとして認識している金融機関をみると、「東京都」と「大阪府」、「埼玉県」、「愛知県」、「兵庫県」の5都府県で、都市銀行がトップシェアに。一方、42道府県では地方銀行・第二地方銀行がトップシェアを占めた。

都道府県シェアで最も高いのは「長崎県」の十八親和銀行で、県内シェアは84.26%と断トツ。以下、2位「和歌山県」(紀陽銀行:県内シェア63.73%)、3位「島根県」(山陰合同銀行:同61.92%)、4位「奈良県」(南都銀行:同61.50%)、5位「愛媛県」(伊予銀行:同60.34%)と続き、単独で県内シェアが6割を超えたのはこの5県。

シェアベースで1行単独「過半数」となる都道府県は合計20県に上り前年から増加。また、統合予定の青森県と福井県を含めれば22県に。地域毎に業態別のシェアをみると、9地域中6地域で「地方銀行」がトップシェアとなった。