就職活動のために、インターンや企業訪問をしなければならない。

そうした時でも、なかなか行動を起こせない時ってありますよね。今日中に課題のレポートをまとめないといけないのに、どうしてもやる気にならない。

何かを始めようとするときに、ただ心の中で「やらなきゃ! やらなきゃ!」と念じてみても行動に移せない自分に自己嫌悪に陥る学生もいるのではないでしょうか。

  • 行動できず、自分が嫌になることはありますか?

行動するのにモチベーションは関係ない

そうした学生の傾向として、なにかを始めるときに、全部をモチベーションのせいにしてしまっているということがあります。でも、最先端の脳科学では、実は行動とモチベーションの因果関係というものは証明されていないんです。

では、どうすれば行動を喚起できるのか。それは、脳の錯覚で解決できます。つまり、自分自身の脳を、どう素早く切り替えることができるかです。どうしても行動に移せないときは、ぜひ以下を試してみてください。就職活動にも役立つ「5秒ルール」です。

朝から最大パフォーマンスを引き出す方法

「5秒ルール」とは、長年パニック障害に悩まされながら、起業家として成功した米国出身のメル・ロビンズ氏が提唱する手法です。TEDで行ったプレゼンが大きな話題になったことで知られ、著書は全米100万部のベストセラーになりました。

来月になってから、資料の準備が整ったら、と言っていたら、あっという間に就職活動のタイムリミットは過ぎてしまいます。このとき、脳の特性だけを素早く利用して、脳のパワーが最大化に引き出す方法がこれから紹介する5秒ルールになります。

といっても、やり方はかんたん。声に出してカウントダウンするだけ。私自身、毎朝ロケットスタートを実践していて、朝からハイパフォーマンスを得ています。このように、ただカウントダウンするだけなので、誰でも集中力やパフォーマンスをアップさせることができます。

それではさっそく、具体的にやってみましょう。書籍、『自分のやりたいことを全部最速でかなえるメソッド 高速仕事術』(アスコム)でも紹介している「5秒ルール」は、子供でも実践可能ですので安心してください。

読者の皆さんが何か行動しようと思ったときに、頭の中でモチベーションの計算をする癖があると思います。その前に、まずは、すぐさま「5、4、3、2、1」と、(できれば口に出して)カウントダウンしましょう。

そして「0」になるまでに必ず小さな行動を起こす、というだけのものです。ただ、それだけ。それえも、どんどんやる気がみなぎってくるわけです。その理由はいったんなんでしょう。

5秒ルールでチャンスを素早く取りに行こう!

実はこれ、脳科学の世界では明らかになっています。人間は「モチベーションによって、やるきになる」のではなく、「行動するから、脳がやる気になる」ためです。

皆さんも、「就職した先輩の話を聞きにいったら、急にやる気になった」「自己PRを書き始めたら、就職活動に前向きになった」という経験はありませんか。

数字を読み上げるのは、行動のとっかかりになります。これを専門用語で行動を誘引するトリガーと呼んだりします。

そもそも「みずからの口でカウントダウンする」というのも立派な行動です。これがトリガーとなり、やる気の脳内物質であるドーパミンが脳の行動中枢を刺激して、行動喚起のモチベーションに転換されるわけです。

「行動」しなければ何の成果も得られません。新しい資格や留学などでも同じです。とくに社会に出たら、まわりはみんなライバルです。最速でキャリアを積み上げるためにも高速で行動する自分を、今のうちから手に入れていきましょう。

さて、次回は脳科学を利用した就職活動編の最終回。学びのサイクルと生産性を5倍にする「IOK学習サイクル法」をご紹介します。お楽しみに!

著者プロフィール:上岡正明(かみおか・まさあき)

人気バラエティー番組の放送作家として活躍。その後、プロモーションのコンサルティング会社を経営する。経営のかたわらMBA修了、大学での客員講師を歴任。約8万人のチャンネル登録者を誇る人気ユーチューバーでもある。著書に『脳科学者が教える! コスパ最強勉強法』(宝島社)などがある。