“今読むべきビジネス書・実用書・教養書”を厳選し、要約してそのエッセンスを伝える「flier(フライヤー)」。最新のトレンドを学んだり、読みたい本を見つけたりするためのツールとして、学割プランユーザーを含めて累計88万人に活用されています。
この記事では、flierを利用する意識の高いビジネスパーソンの中でも特に、20代~30代のユーザーが今、リアルに読んでいる本とその傾向を紹介します。同世代のビジネスパーソンは今、どんな本を読んでいるのでしょうか? なぜその本が選ばれたのでしょうか? 気になった本があれば、ぜひチェックしてみてくださいね!
なぜ、デキる人ほど仕事を詰め込むのか?
11月、20代~30代に一番読まれたのは、『世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた』(中野信子、アスコム)でした。
「頭のいい人」というと、どんな人を思い浮かべるでしょうか? 学力の高い人? とにかく仕事ができる人? 説明がうまい人? いずれにせよ、頭のよさは生まれつきのもので、「努力しても追いつけない」と思い込んでいる方が多いのではないでしょうか。
そんな方は、本書を手に取ってみてください。本書は、フランスの研究所に勤務した経験がある著者、中野信子氏が出会った「頭のいい人」の心がけや行動習慣をまとめた一冊です。
その一つとして紹介されているのが「適度なストレスを与える」。優秀な医師であるEさんは、臨床をこなしながら、自らプレゼンの機会を設けたり、頻繁に研究会に出席したりと、自分を追い込みながら仕事に励んでいたそうです。
この話を聞いて、「忙しいのになぜ自ら仕事を増やしているんだろう?」と疑問に感じる方も多いでしょう。しかし脳科学者である著者によると、適度なストレスは学習パフォーマンスを高めてくれるのだそう。Eさんはこの性質を利用し、あえて適度なストレスを感じるようにしていたのでしょう。
本書を読めば、「頭のいい人」がどのように考え、行動しているかがよくわかるはず。まずは本書の中から一つ、「頭のいい人」の行動習慣をマネしてみましょう!
「寝る前15分の使い方」で人生は変わる
2位は、『神メモ』(原邦雄、すばる舎)でした。
「目標や夢はあるけれど、何から始めていいかわからない」「仕事とプライベートをうまく両立したい」――そんなあなたには、本書で紹介される「神メモ」の習慣をつけることをおすすめします。
「神メモ」に必要なものは、A4サイズの紙1枚とペンだけ。 (1)すべてのタスクを書き出して見える化する、(2)長期目標を書き出す、(3)取引先や収入源を書き出す、(4)自分の土台をつくるものを書き出す、という4つのステップで、今やるべきことの優先順位をハッキリさせていきます。
「神メモ」で優先順位づけができれば、「エネルギーを注ぐべきこと」と「やらなくてもいいこと」が明確になり、成果が上がりやすくなります。時間の余裕が生まれて、プライベートの充実にもつながるでしょう。
寝る前のたった15分。自分のやりたいことを実現し、よりよい人生を送るために、今夜から始めてみませんか?
「310円のサンドイッチ」が売られていないのはなぜ?
3位は、『価格の心理学』(リー・コールドウェル、武田玲子訳、日本実業出版社)でした。
日本において、多くの商品の価格は、98円、198円、180円など、8や9、80で終わっています。なぜでしょうか?
その理由は、私たちの思考パターンにあります。
人は誰しも、意思決定をスムーズにするため、おおよその価格帯を設定してパターンごとのルールを決めています。たとえば298円のサンドイッチは「200円グループ」に、310円のものは「300円グループ」に入るとしましょう。事前に想定した設定価格が200円程度であれば、298円と310円にはわずか12円の差しかないにもかかわらず、300円グループのものは購入候補からはずしてしまうのです。自分の行動を振り返ってみても、納得できるのではないでしょうか?
このように本書では、「価格」と「私たちの心理」の関係がテーマとなっています。一見、難しく思えるかもしれません。ですが、多くの人にとってイメージしやすいエピソードがふんだんに盛り込まれているので、興味の赴くままに読めるはずです。
ビジネス書から、ビジネスのヒントを得よう
今回も、現在の自分の姿と向き合い、さらなる成長を遂げようとするビジネスパーソンの姿が見えるようなランキングとなりました。
本の要約サービスflierには、他にも、ビジネススキルを磨きたいときや自分とじっくり向き合いたいときに役立つ書籍が多くそろっています。11月のランキングでは、『毎日がうまくいく朝のスイッチ』(大嶋信頼、あさ出版)や『観察力の鍛え方』(佐渡島庸平、SBクリエイティブ)、『武器としての組織心理学』(山浦一保、ダイヤモンド社)などがベスト10にランクインしました。
来月はどのような本が注目を集めるのか、楽しみにしていただければ幸いです。