圧倒的な果汁量で缶チューハイ界に革命を起こしたキリンの「本搾り」。ナチュラルな果実味が味わえることで高い人気を得ているが、いつの間にかラインナップもかなり充実していたのはご存知だろうか。なんとその数、現時点で8種類。しかも、どれも果物の美味しさを引き出しつつ、しっかり差別化もできているのだから素晴らしい。

ということで、今回は現在販売されている8種類の本搾りを一気に飲み比べ。それぞれの味わいの特徴をレポートしたい。

「本搾り」の全8フレーバーを一気に飲み比べ!

「果実そのままのおいしさを届けたい」という思いで開発された本搾り。果汁と酒、炭酸だけで作られており、純粋な果物の美味しさを表現するために、香料や酸味料、糖類は一貫して無添加。また、「調達部」という部署を設けて世界中から本搾りに適した果汁を仕入れるなど、その果物へのこだわりは本物だ。

ちなみに、そのままだと果汁は缶の下部に溜まっていくようで、メーカーは一度、飲む前に缶を逆さまにして、成分を均等にすることを推奨している。

では、さっそく一本ずつ飲んでいこう。

「本搾り レモン」

まずは王道の「レモン」から。果汁は12%配合で、飲み口からはみずみずしいレモンの酸っぱさが存分に感じられる。甘みはほとんど感じられないが、かといって苦味もあまりキツくはない。すっきりとキレがあるので、揚げ物などの食事にもピッタリ合いそうだ。

かなり本格的なレモン味に仕上がっているので、甘酸っぱい系のレモンサワーを期待して飲むとビックリしちゃうかも。ウォッカのクリアな美味しさもちゃんと感じられる。さすがロングセラー商品。缶チューハイとして実に完成度の高い一本である。

「本搾り グレープフルーツ」

お次はグレープフルーツを試飲。レモンと並ぶ定番フレーバーだが、実は一番人気はこのグレープフルーツらしい。果汁は28%で、確かにかなりフルーティーな仕上がり具合。本当に搾りたての果汁を飲んでいるかのようなジューシーさである。

グレープフルーツ特有の苦味もあるが、レモンを飲んだ直後に飲んでみるとほのかな甘みも感じられる。レモンと違って、グレープフルーツはそのまま果物として食べ慣れているので、その分、より果実のリアルさが実感できたような気もする。一番人気だというのも納得のクオリティだ。

「本搾り ピンクグレープフルーツ」

続いては「ピンクグレープフルーツ」。果汁は29%で、ノーマルタイプのグレープフルーツ味と比べて、ピンクグレープフルーツはややマイルドでトロピカルな風味が感じられる。

そのぶん、ノーマルタイプのグレープフルーツよりも飲みやすくなっていると言えそうだが、食事は少し選ぶかもしれない。自然な甘みでスッキリしており、後味にほんのりとした苦味が癖になる美味しさだ。

「本搾り オレンジ」

今度は「オレンジ」を飲んでみよう。果汁は45%とかなり高めだが、実際に飲んでみると、決して甘すぎず、いい塩梅に調整されていることがわかる。スッキリしているが酸味自体はほどほどで、むしろ少しまろやかな印象すらある。お酒が強くない人でもかなり飲みやすいはずだ。

そしてやはり果汁45%は伊達じゃなく、これまでのラインナップの中でもフレッシュさやジューシーさが特に色濃く感じられる。まさに果物の美味さをダイレクトに味わえる一本だ。

「本搾り ライム」

続いては「ライム」を試飲。こちらも定番フレーバーかと思いきや、意外にも昨年レギュラー化されたばかりの、比較的新しいフレーバーである。果汁は13%。

一口飲んでみると……おお~、これは強烈な酸味と香味。レモンよりも酸っぱく、ドライな飲み口である。そのぶん爽快感もかなり高いので、脂っこい食事や味の濃い料理なんかと合わせれば、口の中も一発でスッキリとリセットしてくれそうだ。

「本搾り 柑橘ブレンドシークワーサー」

期間限定フレーバー「柑橘ブレンド シークワーサー」はどうか。先月登場したばかりなので、まだ味わったことがない人も多いだろう。果汁は11%に設定で、レモン、うんしゅうみかん、オレンジ、シークワーサーがブランドされているようだ。

飲み口はレモンやライムに並ぶ強い酸味が特徴的で、やはり味わいはシークワーサーが前面に出ているが、いろんな柑橘が使われているだけあって、かなり奥深い味わいに仕上がっている。シトラスの豊かな風味が存分に楽しめるので、柑橘好きはぜひ一度は味わってみてほしい。

「本搾り 薫りぶどう&芳醇りんご」

お次はイオングループでの限定販売となっている「薫りぶどう&芳醇りんご」。アルコール度数は4%とやや低めに設定されているが、果汁は驚異の60%でシリーズ最高値を記録している。

当然ながら、味わいはめちゃくちゃジューシー! ぶどうのふくよかな甘さがジュワ~ッと舌に広がる。そこにりんごのフレッシュさが加わることで、サッパリとした後味に仕上げているイメージだ。しかし、ぶどうとりんごがこんなに好相性だとは知らなかった。すごく綺麗に、違和感なく混ざり合っているので、ぜひ一度、実際に試してみてほしい。

「本搾り パイン&青りんご」

ラストは「パイン&青りんご」。こちらもイオングループ限定で販売されている商品である。果汁は39%で、アルコール度数は4%となっている。

「パインというからには結構甘いのだろう」と思って飲んでみると、意外にスッキリとしていて甘すぎない。本物の果物の果汁をそのまま活かしているからこそ、変に甘くなりすぎることもないのだろう。味わいはトロピカルでナチュラルなパインの甘みがダイレクトに感じられ、最後に爽やかな青りんごが香るイメージ。食後にゆっくりと時間をかけて楽しみたいタイプのお酒である。

「本搾り」全8本飲んでみた結果…

ということで、全8種類の本搾りをすべて試してみた結果、どれも果物のジューシーさ、フレッシュさに優れており、「本格的すぎる」と言ってもいいほどリアルな果実感が堪能できることが再確認できた。

個人の感想になるが、食事に合うフレーバーと、単体で楽しみたいフレーバーの2パターンにざっくりと分けられるように思う。

レモン、グレープフルーツ、ピンクグレープフルーツ、ライム、シークワーサーは食事と一緒に楽しみたいフレーバーで……

オレンジ、ぶどう、りんご、パイン&青りんごは単体で味わうのに向いていると感じた。週末や年末年始に宅飲みする際は、ぜひ参考にしてほしい。