ニコ・ワークスが設立した一般社団法人親育子育ラボ(以下、「親育子育ラボ」)は、「出産・育児費」に関するアンケート調査を実施、11月24日に発表した。調査期間は2021年10月8~17日、調査対象は子育てママパパ向け育児情報メディア「babyco(ベビコ)」の妊婦さん・子育てママパパ会員で調査サンプル数は748件、調査方法は「オンラインbabyco」のWEBアンケートで行われた。

まず、妊娠から出産までにかかる費用について、出産準備品を含めると平均70万円近い額という結果に。出産の際には、一児につき出産育児一時金が42万円支給されるが、それでも分娩・入院の際の自己負担額は平均34万円。妊娠中の検査費用や、里帰り、出産準備、内祝いなどを含めると、出産に関わる費用は約70万円となった。(※妊婦検診・分娩入院に関わる費用は、出産育児一時金等を除いた自己負担額を集計)

また紙おむつやベビー服、産後サポート用品など、出産後のママのケア及び子育てのための準備品の購入総額は平均14万円となった。0歳児のママ384名の回答のうち、最も多かったのは「~5万円」26%、同率で「~10万円」「~20万円」が24.5%となった。

出産準備品に購入するにあたって工夫したことやこだわった点の質問では、「布団とチャイルドシート、ベビーカーに関してはお値段が高くても安全で安心なものを購入。哺乳瓶や付属品も日本製にこだわって購入した。(30歳後半/0歳ママ)」「オーガニックにこだわりました(30歳後半/0歳ママ)」と価格よりも品質を重視するママがいる一方で、ネットフリマや知人からのおさがりを活用し、費用を抑える工夫をしたという意見も。商品の価格や品質は、店頭やオンライン・SNSなどさまざまな手段を活用して、比較検討をしている傾向も見受けられたという。

内祝い(出産お祝いのお返し)の出費は平均14万円。最も多かったのは「~10万円」28.4%、次いで「~5万円」23.2%、「~3万円」18%と続いた。出産に関わる分娩などの医療費以外にも、出産準備品や内祝いなどの消費には、総額約30万円前後の出費が発生していることが読み取れるという。

子育てに関わる出費について、年齢別に見た結果では、0歳で年間41万円のところ、3歳では69.8万円と、約30万円増加していることがわかった。これはおむつ代や食費、衣料費等の日用品にかかる費用の変化は大きくないものの、保育園・幼稚園関係にかかる費用が増加したためと見ている。

自家用車や住宅購入など、環境の変化に関する質問も行われた。「出産をきっかけに自家用車は買いましたか?」という質問では、車の新規購入(買い替え)率は約25%、「出産を機に住宅環境に変化はありましたか?」という質問では、住宅を購入した率は18%となり、引越しやリフォームなどを含めると29%の世帯が住宅環境を変えている結果となった。

今回の調査を踏まえ、同社では「妊娠・出産時には補助金や給付制度があるにも関わらず、出産準備品等の出費を含めると約70万円という自己負担額が発生し、0歳までにかかる費用はおむつ代などの日用品や保険料などを合わせると、約110万円にものぼります。その後は子どもの成長と共に保育園・幼稚園関係の費用や行事やイベントなどの費用も増えていくことに。少子化を改善するためには、これら金銭面での負担の現状やリアルな声にも耳を傾ける必要があるのでは、と考えます」と分析、コメントを寄せている。