今年4月にフジテレビに入社し、10月から朝の情報番組『めざましテレビ』(毎週月~金曜5:25~)に加入した小山内鈴奈(おさない・れいな)アナウンサー。フィールドキャスターとして現場に出て取材し、水曜日の名物コーナー「ココ調」も隔週で担当している。
そんな小山内アナは、青森県のフジテレビ系列が映らない地域で生まれ育ち、採用面接で対面するまで、『めざましテレビ』開始当初から28年間エンタメ一筋の軽部真一アナを知らなかったという。そんなスタートからの入社、そして念願の“めざましファミリー”入りを果たすまでには、人一倍の努力を惜しまない精神力があるようだ――。
■夜行バス→ネットカフェ→カラオケ→面接
弘前大学理工学部物質創成化学科出身の小山内アナは、医薬の開発など医療関係の職業を志望していたが、「もともと理系科目が得意ではなかったので勉強が大変で、『これはちょっと厳しいかもしれない』と思いました」と他の道を探すことに。
そんな中、様々な企業が参加するインターンシップの説明会で、テレビ局のアナウンサーの姿を見て、「説明されている姿がとてもキラキラしていてかっこ良くて。その後個別でお話を伺い、さらに素敵な職業だと思ったことが、目指したきっかけ」と新たな目標に設定。人前で話すことは苦手だそうだが、「憧れのほうが勝ったんです」と挑戦を決意した。
フジテレビ系列が映らない地域で過ごしてきたが、ゴールデンのバラエティ番組は土日の昼帯で放送されることが多く、「『IPPONグランプリ』や『逃走中』などを家族で楽しんで見ていたのですが、就活をするに当たっていろいろ調べてみると、他にも家族で楽しめるような番組が多いと感じて、すごく楽しい会社なのかなと思いました」と、フジを志望。
特に好きだった番組は『笑っていいとも!』。「本来、お昼に生放送していたんですよね。でも青森では夕方にやっていて、ちょうど学校から帰ってきた時間だったんです。宿題をやりながら『いいとも!』を見るというのがルーティーン化していて、家族と一緒に見ることもありました」と、その地域ならではの視聴スタイルを明かした。
こうしてフジテレビの入社試験に挑むことになるのだが、面接試験を受けるたびに、弘前と東京を夜行バスで往復した。
「学生なのでお金を節約しなくてはいけないですし、親に頼るわけにもいかないので。夜の9時半に弘前を出発して、朝の6時くらいに東京に着くバスで往復していました。すっぴんなので、まずネットカフェでお化粧をしてからカラオケに行って発声練習して、自分を鼓舞する曲を歌い、面接に臨むというのがルーティーンになっていましたね」
■大型バラエティ特番で受けた洗礼
内定を得て4月に入社すると、研修を経て、7月から夕方のニュース番組『Live News イット!』(平日版:毎週月~金曜15:45~)で、フィールドキャスターを担当。8月には、2夜連続生放送の大型バラエティ特番『FNSラフ&ミュージック』の総合司会に、同期の女性アナ3人で抜てきされた。
「3人で台本を何回も読み合わせて『これで大丈夫だよね?』って確認し合いながら、“不安を吹き飛ばせるように楽しく頑張ろう”と言って結束して頑張りました」というが、松本人志、中居正広、ナインティナインというMC陣の生放送で、当然台本通りにはいかない。「入るべきタイミングで入れず、CMごとに反省して、CM明けて“はいっ!”って気持ちを切り替える感じでした。バラエティの進行は本当に難しいのだなと思いました」と洗礼を受けた。
それに加え、出演者は一流芸人に一流アーティストばかり。「一緒にスタジオにいるはずなのに、テレビを見ているような感覚になってしまいました。ご挨拶をしても本当にテレビを通しているようで、『自分は本当にここにいていいのだろうか』と思ったりしたのですが、『やるしかない』と気合を入れて頑張りました」といい、この貴重な経験で同期3人は「もともと仲が良いのですが、より一体感が生まれたと思います」と、結束が強くなったそうだ。