12歳で女優デビューし、芸能活動10年目を迎える大友花恋。2021年は、雑誌『Seventeen』専属モデルを卒業した一方で、8~9月の2カ月間は『ラヴィット!』(TBS)でシーズンレギュラーとして出演、『王様のブランチ』(TBS)に期間限定の隔週ゲストとして再登場、数多くのドラマや映画に精力的に出演している。さらに、チャット型小説サービス「プリ小説」のオーディオドラマ『クールな先輩とハツコイ模様』では、声の芝居にも挑戦するなど、大きく動いた年だった。「いま自分のなかで仕事に対する意識が大きく変わっている過渡期です」と語った大友が率直な胸の内を明かした。

  • 大友花恋

2020年初頭から世界中に広がった新型コロナウイルス感染症の猛威。大友は「生活様式も大きく変わった1年でしたが、私のなかでは、来るべき日のためにしっかりと自分の中身を高める時間でした」と振り返る。そんななか迎えた2021年。「『Seventeen』の卒業など寂しさを感じることもありましたが、環境が変わったことで、いろいろな媒体で新しいチャレンジもできました」と笑顔を見せる。

大友の言葉通り、モデルとしての活動や、バラエティ番組・情報番組などのタレント業、そしてドラマや映画などの女優としての顔など、さまざまなジャンルでの活躍が目立つ。そんななかでも「私の最初のお仕事はお芝居でした」と話すように、大友にとって“演じる”という仕事は特別なよう。「お芝居があるからこそ、ほかの仕事も自分らしくできる。お芝居を通していろいろな感情を伝えたいという軸は変わらないです」と強い視線で語る。

デビューした中学生のときは「もっとお仕事の量を増やしたいという気持ちが強く、どちらかというと自分のためにお仕事があった気がしています」と振り返るが、高校を卒業したころから「私がやっているお仕事は、自分のためだけじゃなく、作品のために生きる職業なんだ」と徐々に意識が変わってきたという。

今年、大友は22歳になり、その思いはさらに強くなった。「ちょうど大学に行った友人たちが、就職活動をしているんです。みんな自分の目標に向かってすごく頑張っている。私はずっとこのお仕事をさせてもらっていたため『この日からパキっと人生が変わります』みたいな分かりやすい境目がなかったので、夢に向かって頑張っている人を見て、自分も受け身ではなく、もっと能動的に取り組まなければと危機感を持ちました。一つ意識が高まるというか、もう一度気持ちを入れ直したいと思っています」。

これまでは撮影現場でも、監督から言われたことを、しっかりやることが大切だと思っていたというが、「いまは監督がなぜこうして欲しいのか……と自分のなかでしっかり考え、ときには監督に相談しながら作品に参加できるように取り組んでいます」と変化を述べる。

そんなタイミングで出会った「プリ小説」オーディオドラマ『クールな先輩とハツコイ模様』。大友は本作で、大好きな先輩に告白し、両想いになっていく女子高生・佐々木茉夕を演じる。大友にとっては初となる声だけの演技だ。

「台本を読んでいて『あー』って言いたくなっちゃうほど、甘酸っぱいお話でした」と照れ笑いを浮かべると「いただいた台本を読んでいるときは頬が緩んでしまって楽しい気持ちになるのですが、いざ口に出して練習すると、全身の血行が良くなったのかなと思うぐらい、カーッと赤くなってしまうんです」というぐらいキュンキュンする シチュエーションのオンパレードだという。