第一生命経済研究所は11月11日、「2021年・冬のボーナス予測」を発表した。それによると、民間企業の冬のボーナス支給額は前年と比べて0.7%増の38.3万円と予想している(毎月勤労統計ベース)。冬のボーナスとしては3年ぶりの増加となるものの、コロナ前の水準には届かない見込みだ。

非製造業は伸び悩み

  • ボーナスの推移(出典:第一生命経済研究所Webサイト)

同社は冬ボーナスの増加予測について、背景に「企業業績の改善」があると指摘。2020年度下期の経常利益は前年比6.8%増となったのに加え、2021年度上期は同43.5%増と、増益幅が大幅に拡大する見通し(日銀短観ベース)。ボーナスは業績に連動する傾向が強いことから、冬ボーナスも増加に転じる可能性が高いという。

業種別では、好調な輸出を背景に業績が改善している製造業での伸びが期待される一方、コロナ禍の影響が続く非製造業は伸び悩むと予想している。

同社は、「今冬のボーナスは増加が見込まれるものの、あくまで昨年の大幅な落ち込みからの反動の域を出ず、昨年の落ち込み分を取り戻すには至らない。コロナ前である19年よりも水準は低いままであり、ボーナスの回復は依然道半ばといえる」としている。