田中圭が主演を務めるテレビ東京の金曜8時のドラマ枠『らせんの迷宮 ~DNA科学捜査~』(毎週金曜20:00〜)が現在放送されている。作:夏緑、画:菊田洋之による『らせんの迷宮―遺伝子捜査―』を実写化した同作は、「DNAは嘘をつかない」が口癖で、数億桁の遺伝子配列を記憶するという天才遺伝子科学者・神保仁(田中)が、熱血刑事・安堂源次(安田顕)や科捜研の美女・乱原流奈(倉科カナ)とともに、難事件や未解決事件を解き明かしていく。

同作に刑事・安堂の部下・瓜生夏樹役で出演するのが、田中も所属するトライストーン・エンタテイメントに所属する期待の若手俳優・中田圭祐だ。同作は2020年4月からの放送を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大により撮影が中断し、1年半の休止期間を経ての放送となったが、その期間もポジティブに捉えていたという。学ぶことも多かったという同作について、中田に話を聞いた。

  • ドラマ『らせんの迷宮 ~DNA科学捜査~』に出演する中田圭祐

    中田圭祐 撮影:宮田浩史

■「成長した姿を見てもらいたい」という気持ち

——今回は休止期間も含んで撮影期間が長かったですが、大変だったことはありましたか?

もちろん初めてのできごとでしたが、再開できることは決まっていたので、すんなり戻れました。去年できなかったことができるとポジティブに捉えていましたし、1年間で成長した姿を見てもらいたいなと思いました。撮影開始時にはできなかったことを、間で整理してできるようになるなんて普通はないですし、「もっとこうしよう」ということが考えられる1年間でした。

——主演の田中さんは同じ事務所の先輩ですし「役者としてちゃんとやっている姿を見せないと」といった思いもあったりするんですか?

もちろん、すごく思います。圭さんとは3回共演させていただいて、『らせんの迷宮』の撮影がない間にも『キワドい2人』(『キワドい2人-K2-池袋署刑事課 神崎・黒木』)のゲストでご一緒させていただいたのですが、毎回「良くなったね」と言っていただいて。しかもしれっと僕のカットを見てくれている時もあって「絶対に頑張ろう」と思うんです。成長した姿を見てもらいたいと思います。本当にかっこいい先輩です。

——安田顕さんとは、上司・部下の関係でかなり絡むと思いますが、どんな印象でしょうか?

安田さんとは初共演で、今回、一緒のシーンが多かったのですが、コロナ前は第3話くらいまで撮影をしていて、短い期間でも本当に上司と部下と思えるような関係でいてくださって。僕が「気になったところがあったら言ってください!」とお願いをしていたら「中田くん、これはね」といろいろ教えてくださって、その時にメモしたものは忘れないように台本に書き込んで、1年の間に再確認していました。再開してからも色々なことを教えていただき、本当に素敵な上司だったので、部下としての瓜生と僕がリンクしている瞬間は多かったです。

——具体的にどういうアドバイスをもらったんですか?

技術的なことだったり……たくさんあります。例えば「カメラがどこを抜いているのか」という意識もそうです。安田さんはスタッフさん全員の動きを把握して、自分がどう動くのかを考えてシーンを成立させているんです。だから、僕が役でいることに集中しすぎて、周りがちゃんと見えていなかった時に「集中してるのはわかるけど、いい顔をしているんだから、映ってなかったらもったいないよ」と教えてくださって、それからどの現場に行っても意識するようになりました。

——何か役に向けて、今回準備されたことはあったんでしょうか?

『花のち晴れ』という作品で体を作ったのがきっかけで、作品が終わってもずっと体を鍛えていましたが、今回は刑事役ということで、そこも意識して保っていました。撮影休止期間にも大きくしたのもあって、久々に同じスーツ着たときに、よりかっこよく見えるようにもなったと思います。嬉しかったのが、久しぶりに安田さんと再会した時に「あれ、鍛えた!? 体、いいね」と言ってくださったことで、心の中で「よっしゃあ!」となりました。

元々、何もしてなかった時は56kgくらいだったんですが、『花のち晴れ』でけっこうがっつり鍛えて、65kgくらいまで大きくなりました。その後は少し落として中間くらいの体にしておけば、ひょろっとしたイメージの時には落とせるし、がっしりした方が良かったら鍛えられるんじゃないかと思って、日頃から保っていました。

■まさか芸能界に入るとは

——もともとはファッションに興味を持ってモデルになり、そこから役者としても活動されているという中田さんですが、今のような姿は予想されていましたか?

まったく予想していませんでした(笑)。僕はモデルになる気も1mmもなかったただの高校生で、洋服好きが高じてお声がけいただいたことがきっかけで、芸能界に入ることになりました。『MEN’S NON-NO』の先輩にはカルチャーへの造詣が深い人もいるし、役者をやっている人、自由な考え方の人がたくさんいて、「かっこいいな」と思ったんです。芸能界には何の情報もなく、非現実的な世界のイメージしかなかったのですが、今までに出会ってきた人とは本当に違う人たちに出会えて、楽しくなっちゃいました。

もともと映画も好きでしたし、モデルの現場でもムービー撮影が入ることもあって、動画に映った自分を見たら、静止画とはまた表現方法や見せられる情報も違って、「面白そう」という思いが重なりました。まったく想像もしていない夢だったけど、やらない後悔よりやって後悔した方がいいかな、チャンスを逃した人生はもったいないと思って、今はすごく充実しています。

——出会いが重なって今に至っているんですね。

本当に、人との出会いは大事にしたいです。

——ちなみに、芸能界に入る前からモテたりはしていたんですか?

小学生の時はモテました。転校生で、足が速くて面白かったので、最強でした!(笑) あとは、普通ですかね……? 自分では、わからないです(笑)

——今は小学生の時くらいモテたり…

わからないですけど……(笑)。でも、モテていたいです。魅力的な男でいたいと思ってます!

■中田圭祐
1995年11月27日生まれ、神奈川県出身。2014年にモデルデビューを果たし『MEN'S NON-NO』専属モデルとして活躍。2016年にドラマ『毒島ゆり子のせきらら日記』で俳優デビューを果たした後、『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』(18年)、『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』(20年)、『サレタガワのブルー』(21年)、映画『あの頃、君を追いかけた』(18年)、『シグナル100』(20年)、映画『ブルーヘブンを君に』(21年)などに出演している。