ここまでは藤井三冠の強さが際立つシリーズ
豊島将之竜王に藤井聡太三冠が挑戦中の将棋のタイトル戦、第34期竜王戦(主催:読売新聞社)七番勝負第3局が10月30、31日に福島県「雨情の宿 新つた」で行われます。ここまでは挑戦者の藤井三冠が2連勝しています。
ここまでの本シリーズは、藤井三冠の強さが際立つ展開になっています。
第1局は中盤で劣勢に立たされるも、粘り強くチャンスを待つ指し回しで豊島竜王の疑問手を誘い、逆転。逆転後は一転して電光石火の寄せを披露して、藤井三冠が勝利を収めました。
驚異的な内容だったのが第2局。豊島竜王の新工夫を真っ向から咎めてリードを奪うと、その後は一切の隙を見せずに勝利。先手番ということで万全の準備をして臨んだであろう豊島竜王をして、「準備不足だったかなと思います」と言わしめる完勝でした。
ここまでの2局は共に相掛かりの戦型になっています。第3局は藤井三冠が先手番。先手では相掛かりと角換わりをメインに戦う藤井三冠ですが、ここ1年ほどは相掛かりの採用が目立ちます。一方の豊島竜王は後手番の時には相手の作戦を受けて立つ棋士。恐らく第3局でも戦型は相掛かりとなるでしょう。
このカードは初対局から豊島竜王が6連勝と圧倒したものの、今年に入ってからは藤井三冠が10勝3敗と逆に差をつけています。前局の竜王戦第2局の結果を受け、通算成績は藤井三冠の10勝9敗となり、ついに逆転しました。
通算勝率で8割4分4厘(未放映のテレビ対局を除く)という信じられない成績を残している藤井三冠ですが、二日制タイトル戦だとさらに驚きの勝率となります。これまで王位戦七番勝負を2期と今期の竜王戦七番勝負を戦っていますが、なんと成績は10勝1敗。勝率は9割0分9厘です。
豊島竜王は次の第3局を落とすとカド番になってしまいます。今の藤井三冠相手に4連勝するのは至難の業。是が非でも勝利し、先手番の第4局につなげたいところでしょう。
注目の第3局は10月30日の9時に対局開始です。