現在放送中のドラマ『あいつが上手(かみて)で下手(しもて)が僕で』(日本テレビ・毎週水曜24:59~、読売テレビ・毎週土曜24:58〜)。俳優の荒牧慶彦が主演を務め、崎山つばさ、和田雅成、鳥越裕貴、陳内将、梅津瑞樹、橋本祥平、田中涼星と2.5次元のトップスターが集結。ヨーロッパ企画・上田誠らが描く、お笑いコンビの芸人青春群像劇だ。

“遭難”劇場と揶揄される寂れたお笑いライブハウス「湘南劇場」へ“島流し”された8人の芸人たちを描いた本作では、俳優達がお笑い芸人を演じる。ドラマに加えて12月には、舞台公演も予定している。(東京公演:かつしかシンフォニーヒルズモーツァルトホール 12月9日~17日、大阪公演:東大阪市文化創造館 Dream House 大ホール 12月23日~26日)

今回は、芸人達の中でも後輩ポジションの幼馴染コンビ・ロングリードのツッコミ担当・湾野岳を演じる橋本祥平、ボケ担当・犬飼佑を演じる田中涼星にインタビュー。アイドル的な人気に納得がいかず、純粋な笑いを追い求めて遭難劇場にやってくるという異色のコンビとなる。ちゃんと共演するのは初めてという2人だが、互いに似たところも感じていたという。

  • ドラマ『あいつが上手(かみて)で下手(しもて)が僕で』に出演する田中涼星、橋本祥平

    左から田中涼星、橋本祥平 撮影:宮田浩史

■実は…「涼星、隣にいてほしいなあ」

——今回2人でコンビを組むことになりましたが、最初の印象と、撮影でがっつり組んでからの印象で何か変わったところはありましたか?

橋本:最初の印象から撮影が終わるまで、変わらなかったです。涼星とがっつり一緒にできると知って、すごく嬉しかったんです。これまでゲストで共演したり、プライベートでごはんをご一緒したりということはあって、「いいやつだ」というのは知っていたので。涼星がいてくれて本当に良かったです。

田中:僕も、いい意味で印象はずっと変わらないです。初めて祥平くんの相方だと聞いた時に「来た〜!」「これはもう、間違いないやつだな」と思いました。これまでに配信や番組でも祥平くんのことを見て「同じ匂いがするな」と感じてリスペクトしていたので、改めて共演することができて嬉しい気持ちがあったし、現場に入っても似てる部分を感じる瞬間があって、楽しい期間でした。

——どういうところが似ている部分だと思ったんですか?

田中:多分2人とも後輩気質というか……先輩に対するレスポンスとか、似てるところがあるんじゃないかな?

橋本:けっこう、心情とかも似てるなと思う瞬間がある。涼星は気配りで気にしいな子で「なんかわかるな、その気持ち」とかリンクする瞬間もありました。

田中:自然と顔を見合わせる、みたい瞬間がありましたよね。

橋本:芸人さんのお話なので、現場もなかなかお笑いにストイックで、先輩からいろいろネタを振られたりして楽しくやるんですけど、「涼星、今がんばってるな。わかるぜ、それ」みたいなこともあって……2人だけにしかわからない(笑)

田中:そう! 後輩としてMPがどんどん削られていくんです(笑)。もちろん楽しいんだけど、終盤になると「祥平くん、助けてください!」みたいなこともありました。

——作中だと湾野が「かわいい」と言われてキレたりしていますが、お二人は「かわいい」と言われるのはどうですか?

橋本:湾野みたいに「『かわいい』と言われるのかぁ。純粋に役者として頑張っていきたいのにな……」と思っていた時期もありました。でも、最近僕も27歳になって、「かわいい」と言われることがありがたいと思うようになりました(笑)

田中:(笑)

橋本:多分、年々減っていくと思うので、貴重なワードだと受け止めております。

田中:わかります。昔はやっぱり「かっこいい」と言われたかったんですよね(笑)。僕も本当にこの年になって「ありがたいことだったんだな」と実感させられました。それに加えて、最近だと「おもしろい」と言われるのが1番嬉しいんだなと気づきました。

橋本:嬉しいよね。

——今回、芸人役を演じたからですか?

田中:それもあります。あとはやっぱり、なんだか内面を認められている感じもしますし。「かわいい」とか「かっこいい」というのは外見のことなので、「おもしろい」と言われると、中身を褒められているようで嬉しいです。

橋本:今回、役に共感するところは多かったです。コンビという関係についても、僕が演じた湾野は犬飼が先輩とわちゃわちゃしているのを見ると、ちょっとイヤな気持ちになるというところがあって。「ネタ合わせをしたいのに、先輩と楽しそうにしやがって」と、犬飼を独占したい気持ちがあると思うんですけど、その気持ちもちょっとわかります。現場でも「涼星は他の人と楽しそうにしてるけど、俺ももっと涼星としゃべりたいのにな」と思う瞬間はありました。

田中:あ〜! 祥平くんはだいたい会話に入ってきてくれるんですけど、そうでない時もあるんです。僕はわかってなかった! そうだったんだ。

橋本:「涼星、隣にいてほしいなあ」みたいな瞬間が(笑)

田中:(爆笑) そういうメッセージだったんですね!?

橋本:そう(笑)

——今わかったから、今後の舞台などでは大丈夫ですね。

田中:そうですね。もう、すぐ隣に!(笑) ウザいぐらい行きますよ。「今、違うから」ぐらいの時も行っちゃうかもしれない。

橋本:(笑)

田中:僕は、犬飼の気持ちはめちゃくちゃわかるというか、ほぼ経験したことがありました。基本的に中立でいたいし、先輩にもかわいがられたいし、相方とも仲良くやりたくて、揉め事が起きた時にどっちにもつけない。あまり怒らないというところも似ていますし、リンクしている部分が多かったので、自分になりすぎないようにと思っていたんですけど、共感できる部分がありすぎて難しかったです。自分が出やすい役でした。

橋本:当て書きなんじゃないかと思うくらい、はまり役だった。

田中:「俺じゃん」と思いました。でも僕じゃないから、不思議なリンクの仕方で。そういう役は初めてだったかもしれない。

■「2.5次元」の広がりを感じる

——『カミシモ』のようにドラマと舞台を連動させたり、2.5次元舞台が映画になる『MANKAI MOVIE「A3!」』『文豪ストレイドックス』などいろいろな展開が増えていますが、そういったところについてはどのように感じていますか?

橋本:活躍の場が増えるというのは、本当に嬉しいことです。もともと舞台から「2.5次元」という言葉が発生したと思うんですけど、映像にも展開されるというのはすごくありがたいことだと感じます。

田中:ドラマや映画のCMも流れているし、世間の認知度も上がってくるんじゃないかなと思って。ちょっとでも気にしてもらえて、市場がどんどん広がっている気がします。もともとそれぞれの作品の力があったところが、合わさって太い道になっているのかなと思います。

橋本:本当だよね。今回もこうやって大きな企画を組んでくださったわけですから。

田中:頑張っていて良かったし、先輩たちが築いてきた道でもあるから、自分たちも後輩に道をつなげないと。一人ひとりが色々な方向で道を切り拓いている感覚があります。

橋本:道が何通りもある。テレビだけじゃなく、アーティスト活動をしている人もいるし、可能性がたくさんあるのだと思います。

田中:祥平くん、ドラム叩いてるし(『BanG Dream!』プロジェクト内のバンド「Argonavis」)。ドラムを叩くなんて思ってなかったでしょう?(笑)

橋本:本当に(笑)。予想できないよね? また来年、再来年どうなっているのかもわからない。

田中:とんでもないことをしている可能性もあるよね。

橋本:お笑い芸人になるとも思ってなかったし。

田中:結果はどうにせよ、M-1とかキングオブコントに「出てみますか?」みたいなこともあるかもしれない(笑)

——たくさんの道がありますが、「こうなっていきたいな」と思う道はありますか?

田中: もちろん役者をずっと続けていきたいんですけど、ラジオも好きなんです。だからそういう好きなこともやっていけたら嬉しいです。この世界で長くやっていきたいし、そのために色々頑張ろうと思っています。

橋本:いろいろと自分の未来予想図を作ってみたりするんですけど、やってみると舞台も好きだし、映像の現場もバンドも楽しい。それで結果的に「目の前のことをしっかりやる」ということになります。それが未来の何かにつながると信じて、目の前のものをコツコツやって、いい大人になっていけたらなあと思いますね。

田中:まちがいない。

——ではその先にお笑いが広がっている可能性も…

橋本:なきにしもあらずです(笑)。でも、コントがこんなに難しいとは思わなかったですね。

田中:本当に! やってみてわかったことがたくさんありました。

——舞台では生でコントなども楽しめそうでしょうか?

橋本:今回は「遭難劇場」に売れない芸人さんたちが集まるという話で、人を笑わせなくてもいいから成立してたんだけど、舞台となったらさらに難しそう。

田中:ちゃんと見世物として完成させないと。

橋本:だからもう、お客さんのあたたかさに……。

田中:助けられることがあるかもしれないです(笑)

■橋本祥平
1993年12月31日生まれ、神奈川県出身。2013年に舞台デビューし、ミュージカル「薄桜鬼」シリーズ(15年〜16年)、ハイパープロジェクション演劇 舞台「ハイキュー!!」シリーズ(15〜17年)、舞台「刀剣乱舞 」シリーズ(17年〜)、KING OF PRISMシリーズ(17年〜)、『文豪ストレイドッグス』シリーズ(17年〜)、「舞台 幽☆遊☆白書」シリーズ(19年〜)など人気シリーズに多数出演。2021年は舞台「デュラララ!!」に主演、「バクマン。」THE STAGEに出演し、主演映画『文豪ストレイドッグス BEAST』(2022年公開)の上映も控える。

■田中涼星
1994年12月24日生まれ、新潟県出身。ミュージカル・テニスの王子様3rdシーズン(15〜16年)に出演し、注目を受ける。その後ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』シリーズ(15年〜)、Live Musical「SHOW BY ROCK!!」シリーズ(17年〜18年)、MANKAI STAGE『A3!』-(19年〜)、ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズ(19年〜)などに出演。2021年はBARREL Produce Vol.2「99(ナインティナイン)」に主演、舞台「モブサイコ100」〜激突!爪第7支部〜に出演し、映画『MANKAI MOVIE「A3!」〜AUTUMN & WINTER〜』(2022年3月公開)の上映も控える。