日本生産性本部は10月21日、新型コロナウイルス感染症が組織で働く人の意識に及ぼす影響の継続調査(第7回「働く人の意識調査」)結果を発表した。7回目となる今回の調査は、緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の解除後、約10日が経った10月11日~12日、20歳以上の日本の企業・団体に雇用されている1,100名を対象にインターネットを通じて実施された。

同調査結果によると、テレワークの実施率は22.7%で、2020年7月調査以降、2割前後で定着している。従業員規模別のテレワーク実施率は、前回の7月調査と比較して101~1,000名および1,001名以上の勤め先で、実施率は高まっていることが分かった。

また、テレワーカーの直近1週間における出勤日数が週当たり3日以上のテレワーカーは、7月調査の57.6%をわずかに上回り、58.8%となった。

緊急事態宣言・まん延防止等重点措置がすべて解除された9月30日から約10日経っているが、全体のテレワーク実施率が低下しなかった背景には、一定程度の定着が見られるとともに、「リバウンド防止措置」などの事業者向け制限継続が影響していると思われる。

  • テレワーク実施率 出典:日本生産本部

  • テレワーク実施率(従業員別) 出典:日本生産本部

次に、現在の日本の景気をどのように感じているか、働く人の景況感について質問したところ、「やや悪い」「悪い」の合計が68.6%と、4回目となる2021年1月の調査から微減し続けている。

今後の見通しについても、楽観的な見通し(「良くなる」「やや良くなる」の合計)は21.8%とコロナ禍以降最多、悲観的な見通し(「やや悪くなる」「悪くなる」の合計)は37.0%と最少となった。

  • 働く人の景況感 出典:日本生産本部

  • 働く人の今後の見通し 出典:日本生産本部

また希望する働き方に関しては、メンバーシップ型雇用を「同じ勤め先で長く働き、異動や転勤の命令があった場合は受け入れる」、ジョブ型雇用を「仕事内容や勤務条件を優先し、同じ勤め先にはこだわらない」として、ジョブ型雇用が64.9%、メンバーシップ型雇用が35.1%だった。従業員規模別では、1,001名以上ではメンバーシップ型を希望する人が52.7%と多数だった。

  • 希望する働き方 出典:日本生産本部

  • 希望する働き方(従業員別) 出典:日本生産本部

さらに自分自身のキャリアプランを持っているかを聞いたところ、「特に考えていない」が68.2%と最多。次いで「大まかなキャリアプランを思い描いている」が26.4%となり、「明確なキャリプランを思い描いている」は5.5%にとどまった。

  • キャリアプランの有無 出典:日本生産本部