老後の2000万円問題がきっかけで、資産形成への関心が非常に高まっています。国の年金や会社の退職金に期待できない今、多くの人が自助努力で老後資金を作らなければならなくなってきました。今回は、「つみたてNISAで毎月いくら積み立てたら65歳で2000万円を手にできるのか」解説します。

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なぜつみたてNISAを活用するのか

いま銀行預金の金利は、一部のネット銀行などを除いて0.001%となっております。こういった低金利の時代が続いている中、銀行預金だけでなく様々な資産形成の方法が注目を浴びています。

中でも"つみたてNISA"を活用する人は増えており

・少額から投資を始めたい
・自分だと運用できないからプロに任せたい
・長期でリスク分散しながら安定的に運用したい

こういった考えをお持ちの方は、有効な手段かもしれません。

つみたてNISAを活用したときのメリット・デメリット

とはいえメリットばかりではありません。メリットに加え、デメリットを理解しておくことも大事です。

"つみたてNISA"のメリットとしてあげられるのが税金面です。通常の投資信託や株式は、配当金、運用益に対して20.315%の税金がかかりますが、NISA口座で運用すれば税金はかかりません。つまり投資して増えた分をまるまる得ることができるのです。

対して、デメリット(注意点)は、選択できる投資信託の数が限定されていること、元本保証がないことです。つみたてNISAは投資信託を買っていきます。投資信託とは、投資家から資金を集めて運用のプロが債券や株式を選んで運用し、その利益や損失を投資家に配分する仕組みです。運用する株式や債券は銀行預金とは異なり元本保証はなく、投資信託も元本保証はありません。

運用次第では高い利益を得ることもできるので、運用成果を期待できる金融商品とも言えます。

老後に2000万円を作るには? 利回り5%の場合のシュミレーション

これらを踏まえたうえで、この記事では利回りが5%の投資信託を活用した時に、毎月いくら積み立てをすれば2000万円貯まるのか見てみましょう。

仮に45歳から65歳までの20年間積立したとします。運用期間20年で2000万円にしようとすると毎月4万9000円必要になります。銀行預金で2000万円貯めようとすると20年間で8万3333円かかるので、毎月3万円以上少ない積立額で実現可能となります。

自分にあったファンドの選び方とは?

このように、より高い利回りの商品を選べば少ない積立額で目標貯蓄額を達成することが可能なので、ファンド選びが非常に大事になってきます。つみたてNISAで選べるファンドは金融庁が厳しい条件を設定して、それをクリアしているものですが、長期にわたる運用なのでどんなものか理解したうえで購入しましょう。

チェックすべき大きなポイントとすれば、運用手法です。投資信託の運用手法は2種類あって、インデックス型とアクティブ型があります。

インデックス型とは、TOPIXや日経平均株価などベンチマークとする指標と連動する運用成果を目指すものです。対して、アクティブ型とはベンチマークとする指標を上回る運用成果を目指すものです。

アクティブ型は、運用成果によってはインデックスよりも高い運用効果を得られる可能性がありますが、うまくいかなかった場合はインデックスより下回る可能性もあるので注意が必要です。

勉強をしっかりして自信のある方はアクティブを選んでも良いかもしれませんが、これから始める方はインデックスから始めるのがおすすめです。自分がどれだけのリスクを許容できるかを理解した上で、選んでみてくださいね。

まとめ

投資信託の運用益は、通常20.315%が所得税と住民税で課税されます。つみたてNISAなら運用益が非課税となり手残りも多いのですが、非課税期間は20年間と年間40万円までといった制限がある為、老後の資産形成には不十分な可能性があります。つみたてNISAも視野に入れつつ、自分に合った投資を組み合わせて資産形成を行っていきましょう。

この記事を執筆したファイナンシャルプランナー

髙上凛太郎(たかがみりんたろう)
所属:株式会社マネープランナーズ

2級ファイナンシャルプランニング技能士
広島県出身
大手通信系に新卒で入社後
外資系金融機関に転職
お客様と接していく中で、より良い商品と提案を提供したいという想いでファイナンシャルプランナーに転身。