ユナイテッドは9月27日、「企業のリスキリング実施に関する調査」の結果を発表した。同調査は8月27日~9月1日、同社メールマガジンの配信先の企業120社を対象に、インターネットで実施した。

  • 社内でリスキリングに取り組んだことはありますか

リスキリング(Reskilling)とは、「職業能力の再開発、再教育」のこと。具体的には今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、新たなスキルを獲得することを指す。

社内でリスキリングに取り組んだことはあるか尋ねたところ、37.5%が「現在、取り組んでいる」、3.3%が「取り組んだことはあるが、現在は取り組んでいない」と回答した。合わせると4割以上の企業がリスキリングに取り組んでいることがわかった。

「取り組んだことはないが、今後取り組む予定」と回答した企業は26.7%で、約7割の企業がリスキリングに興味を持っていることがわかった。一方、「取り組んだことはなく、今後も取り組まない予定」「不明」と回答した企業は、取り組まない理由は「やり方がわからない」「コストがかかる」「従業員に任せている」などだった。

会社としてリスキリングに取り組み始めたのはいつ頃からか尋ねたところ、「半年~1年前」(19.8%)が最も多く、「5年以上前」「2年前」(各18.5%)が続いた。

リスキリングに注目している背景、企業課題について当てはまるものについて聞くと、64.2%が「従業員によってITスキル、リテラシーにばらつきがある」と回答した。42.0%は、「社内のIT人材の不足」と答えている。企業で必要なITスキルを身につけた人材の確保に対して課題を感じている企業が多く、そのような背景からリスキリングに興味を持っていることがわかった。

  • リスキリングに注目している背景、企業課題について当てはまるもの

企業内でのリスキリングの位置付けについて当てはまるものを選んでもらったところ、「社内研修(業務時間内)」(80.2%)が最も多かった。

また、リスキリング実施前までの、従業員の育成や自主的なスキルアップの取り組みの有無について聞くと、「新入社員研修の実施」「OJTの実施」「その他社内研修の実施」と回答した企業が半数以上を占めた。

リスキリングの対象となる従業員について尋ねると、「社員(技術職)」(76.5%)が最も多く、「社員(ビジネス職)」(70.4%)が続いた。

  • リスキリングの対象となる従業員

リスキリングの対象となる従業員の階級は、「一般社員クラス」「係長・主任クラス」が共に72.8%と最多で、「課長クラス」(64.2%)が続いた。「経営者・役員クラス」「部長クラス」が取り組む企業もあったが、いずれも40%未満となっている。対象となる従業員の年代は、「30代」(82.7%)が最も多く、「40代」(69.1%)、「20代が」(61.7%)、「50代」(40.7%)、「60代」(14.8%)という順になった。

リスキリングに取り組んでいる学習内容について聞くと、「IT基礎(ITパスポート等)」「ノーコードに関連する技術」「データサイエンス」などの回答が多く、ITに関する基礎知識や、業務改善に直結する内容を学習している企業が多かった。

リスキリングの手法について尋ねると、「​​外部研修サービスの利用」(54.3%)が最も多く、次いで「学習動画サービス(有料)の利用」(48.1%)となった。一方で「スキルを持った従業員が他の従業員へ教える、内製資料の活用など」を選択した企業も一定数見られた。

  • リスキリングの手法について当てはまるもの

リスキリングのよかった点について尋ねたところ、「まだ効果を実感できていない、リスキリングに取り組んでいないので不明」(37.0%)が最も多かった。「今後の事業展開に必要なスキルを身につけた従業員が増えた」「自発的にリスキリングに取り組む従業員が増えた」などのメリットを感じている企業もあるが、リスキリングの効果を実感できるようになるまでには時間がかかり、継続的に取り組む必要があることがわかった。

  • リスキリングのよかった点で当てはまるもの

今後のリスキリングの実施について当てはまるものを答えてもらったところ、79.0%が「取り組む予定」と回答した。今後リスキリングを検討している内容、目標や展望について聞くと、現在実施している内容を継続する企業が多く、新たに取り組む内容としてはDX関連、データサイエンス、Webマーケティング、AI関連などのITスキルの習得を目指す企業も多かった。

  • 今後のリスキリングの実施について当てはまるもの