仮面ライダー生誕50周年記念作品『仮面ライダーリバイス』が、テレビ朝日系全国ネットでただいま好評放送中である。毎年、斬新かつインパクト抜群のヒーローキャラクターを生み出してきた「仮面ライダー」シリーズ。本作では「悪魔と契約する仮面ライダー」として仮面ライダーリバイと仮面ライダーバイス、2人の仮面ライダーが登場し、悪魔崇拝組織「デッドマンズ」に戦いを挑む。

  • 濱尾ノリタカ(はまお・のりたか)。1999年生まれ、東京都出身。幼少期から約20年もの間水泳に打ち込み、学生時代には競泳・バタフライ選手として全国大会リレー種目で4位となった実績がある。大学2年のころ、モデル・俳優として活動を開始。2020年にテレビドラマ『ピーナッツバターサンドウィッチ』に出演し、注目される。2021年公開の映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』では酒呑童子役で出演。撮影:大門徹

悪魔バイス(声:木村昴)を体の中に宿し、リバイスドライバーにバイスタンプを押すことで仮面ライダーリバイに変身するのが主人公の五十嵐一輝(演:前田拳太郎)だ。一輝の弟・大二は政府直属の特務機関「フェニックス」の分隊長を務めており、フェニックスでリバイスドライバーとバイスタンプを用いた「ライダーシステム」を開発したのが、天才科学者・ジョージ・狩崎である。狩崎は仮面ライダーの大ファンで、特に「平成ライダー」が大好きという設定があり、歴代「仮面ライダー」の意匠と「最強生物」の遺伝子を組み合わせた「バイスタンプ」を生み出して、リバイとバイスに新たな力を与える役割を担っている。

今回のインタビューでは、ジョージ・狩崎を演じる濱尾ノリタカが登場。役柄と同じく大の仮面ライダーファンという濱尾は、狩崎という役に自身の思いをどのように込めているのだろうか。クールでスタイリッシュな外見から飛び出る、あまりにも熱すぎる仮面ライダー愛に満ちた言葉の数々を、ファンのみなさんにもしっかりと受け止めていただければ幸いである。

――『仮面ライダーリバイス』オンライン発表会見では、日常的感覚の強い五十嵐家の面々とは一味違うエキセントリックな科学者として、存在感を発揮されていました。濱尾さんがジョージ・狩崎を演じるにあたり、特に気をつけていることとは何でしょうか。

狩崎は自分の“素”とはだいぶ違ったキャラクターですが、視聴者の方に期待を膨らませていただけるよう、高めのテンションで会見に臨みました。『仮面ライダーリバイス』の世界観がみなさんにまだはっきりお伝えし切れていない中で、五十嵐ファミリーとは明らかに異質な狩崎が入ることによって、一気に「物語」感が出てくるような存在でありたいと思ったんです。できるだけクセを強く、テンション高めで、そういう方面から五十嵐ファミリーをサポートすることのできる人物像に努めました。

――濱尾さんは以前から仮面ライダーが大好きだとうかがっています。本作への出演についてはどんな思いを抱かれていますか。

狩崎は物語のキーマンとなるポジションにいますから、役が決まったときは非常にうれしかったです。今回の『仮面ライダーリバイス』では、主人公の一輝はわりとふつうの青年の設定で、拳(前田)はそのイメージにピッタリ。僕も拳と同じ年齢(21歳)ですが、実年齢より少し年上に見られることが多いんです。なので僕がこの作品世界に入るためには、このポジションしかないと思っています。

何しろ狩崎は「仮面ライダーが大好きな科学者」ですし、物語のいろんなことをいちばん知っている人物。メイクや衣装も前衛的で、外見上の特徴も込みですごくうれしいです。僕自身ファッションにこだわりがあって、アパレルショップでバイトをしていたり、ファッション誌でモデルの仕事を多くさせていただいていましたから。まさに僕にとってのハマリ役。自分以外には演じさせないし、演じられない役だと思っています。

――劇中のジョージ・狩崎も「仮面ライダー」好きという設定には驚かされました。『リバイス』の世界には仮面ライダーの存在が広く世間に知られているんですね。

そうなんです。一輝とバイスが仮面ライダーリバイ、仮面ライダーバイスに変身するためのリバイスドライバーやバイスタンプには、狩崎のセンスが入っている。仮面ライダーが好きな科学者だから、仮面ライダーの意匠を用いるという、好きが高じて……みたいな設定がたまらないんです。

――仮面ライダーへの変身システムを作り上げた人物は、過去の(平成)仮面ライダーシリーズにも何人か存在していますが、狩崎を演じるにあたり、そんなキャラクターたちを参考にされたことはありますか。

それは意識的にやらないようにしました。「仮面ライダー」シリーズで活躍していたキャラクターを参考にすると、どうしても似た部分が出てしまいますし、特定の役者さんを意識することになりますから。狩崎の役作りについては、他の映画などからインスピレーションを受けたりしています。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年)のドク(演:クリストファー・ロイド)とか『アイアンマン』(2008年)のトニー・スターク(演:ロバート・ダウニー・Jr)とか、いろんな作品の超ハイテンションな性格のキャラクターが出ている映像を集め、「狩崎リファレンス」とでも称すべき資料を作った上で、動き方やテンションの上げ方の参考にしています。

ただ、役の説明を受けたとき『仮面ライダーV3』(1973年)の「ライダーマン=結城丈二(演:山口暁)」のイメージが浮かんだのは確かですね。僕の中でいちばん好きな仮面ライダーが『V3』ということもあって、ふと「この設定、結城丈二が入ってるな」と感じました。

――会見の席で『仮面ライダーV3』風見志郎の変身ポーズを披露されたのは、V3がお好きだからという理由があったのですね。

一輝に仮面ライダーリバイへの「変身ポーズ」をリクエストする狩崎、というくだりですね。「一輝くんにアレ(変身)をやってもらいましょう!」と言いながら、僕がV3の変身ポーズを先にやってみせるという(笑)。風見志郎(演:宮内洋)の変身は最初の構えが肝心なんです。あまり詳しくない人はバッと両腕を水平に構えるんですけど、違うんです。一回振りかぶってから上体を左に傾け気味に構えないと、宮内洋さんぽくなりません。そのあたりのこだわりをちゃんと出させていただきました。