主査とは地方自治体で使われることが多い役職ですが、民間企業でも使われているケースがあります。また、「主」がつく役職は他にも多いので、きちんと理解できていない人が多いのでは。今回は主査について、主な役割や社内での位置づけ、他の「主」のつく役職との違いについて解説。さらに、地方自治体での主査の平均年収や、英語表現についても紹介します。

  • 主査とはどんな仕事?

    主査の仕事内容について紹介します

主査とはどんな仕事?

主査は「しゅさ」と読み、主に国の機関や地方公共団体における職名のひとつです。民間企業にも置かれる場合があります。

主査という言葉の本来の意味は「主になって調査、審査などの業務をすること」。仕事内容としては、管轄する部署内の一般職員の業務チェックや調査に加え、助言や意見のとりまとめなどを行う役職になります。

■地方自治体の主査

国や地方自治体での主査は、民間企業でいう「係長クラス」の場合が多いです。組織によっては、一般的な主査よりもさらに高度で困難な仕事内容を任されるなど、「課長補佐クラス」のケースもあり、自治体によって異なる場合があります。

いずれにしても、「係長~課長補佐クラス」の位置づけと考えて間違いありません。中間管理職としてプロジェクトの主力となり業務を行う立場であり、年代では30代後半から40代前半ぐらいが中心となります。また、年齢、経験を積めば年功序列で、誰でも主査までは昇進できるという自治体が多いようです。

■民間企業の主査

民間企業での主査の立場は企業によってさまざまです。「係長」より下の「主任クラス」を主査としている企業もあれば、係長よりも上である「部長クラス」を主査としている企業もあります。

企業によって、「主任~管理職クラス」となるため、取り引きの前にその企業での主査の立場を下調べしておくのがおすすめです。

  • 主査とはどんな仕事?

    似たような役名「主事」「主任」との違いは?

他の「主」つく役職との違い

地方自治体には主査の他にも「主」のつく役職が多く存在するので、どの役職がどういった位置にあるのかがわかりづらく、混乱の原因となることがあります。

そこで特に間違いやすい「主事」と「主任」の序列や仕事内容の違いについて解説します。ただし、序列に関しては自治体によって異なるケースもありますので注意してください。

一般的な地方自治体のケースとしては、新卒で入職すると主事として仕事をはじめることとなり、ある程度の経験を積み主任になります。そこから早めに主査になれると出世コースともいえますが、昇任試験なしで主任、主査までは上がれる自治体が多いです。

■主査と主事の違い

主事は「しゅじ」と読み、民間の企業でいうと一般社員、平社員にあたり、下位職員の職名のひとつです。そのため、主査との序列では「主事< 主査」となり、主査のほうが立場が上の役職になります。

新卒で入職した職員はまず主事という役職名になります。組織にもよりますが、主事として仕事をしているのは、多くが7年目~8年目ぐらいまでの職員が多いようです。

主事は先輩や上司の指示を受けながら現場にて業務などを行う一般職員であり、何かを自ら決定するような立場にはありません。

■主査と主任の違い

主任は「しゅにん」と読み、地方自治体で使われる職位のひとつ。民間でも使用されていることが多い職名です。 序列は主査よりも下、主事よりは上になり、3つを比較すると「主事< 主任< 主査」となります。だいたい入職して7年目以上の職員が多いです。

一般の職員よりは上の立場なので、それなりの能力を必要とされますが、管理職のような決定権は持っていません。

民間企業などではリーダーやチーフとよばれ、現場やプロジェクトに携わる社員のまとめ役、さらに上層部と一般社員とのパイプ役を行います。自治体においての主任の仕事内容は、主力となり仕事を行う立場で、大きな仕事を任されることもあります。

  • 他の「主」つく役職との違い

    主査は職内でもそれなりの経験者です

主査の平均年収や年齢

ご紹介したように、自治体によっては昇任試験が必要なところもありますが、多くは主査までは年功序列で昇進できる地方自治体が多いです。しかし、昇進する年齢により出世コースか否かが決まるといわれることもあります。自治体により違いがあるため一概にはいえませんが、主査のだいたいの平均年収や年齢について紹介していきます。

■地方自治体での主査の平均年収や年齢

主査に昇進する人の平均年齢は「30歳代後半~40歳代前半」ぐらい。このあたりの年齢で主査のポジションにつくケースが多いです。入職してからは約10年以上の経験があることになります。

年収はだいたい700万円~900万円となります。

  • 主査の平均年収や年齢

    主査の英語表記にはいくつかの種類があります

主査の英語表記

主査を英語で表記する場合は、仕事内容やどういった分野の仕事をしているか、までを把握した上で表現するべきです。いくつかよく使われる主査の英語表現を紹介します。

  • Project General Manager
  • Assistant Manager
  • Technical Editor
  • 主査の英語表記

    主査の役職をしっかり把握して自信を持ってビジネスに役立てましょう

主査を理解して仕事に役立てよう

主査を知らないと、取引先の名刺に主査の文字をみても、相手がどういった役職なのかが理解できず焦ってしまいます。民間か自治体かなどによって、それぞれ微妙に違いがありますが、多くは「係長クラスの中間管理職」と理解しておけば、スムーズに対応できます。主査の意味をしっかりと認識できているとビジネスシーンで役立ちますので、ぜひ参考にしてください。