8月22日、中野サンプラザにて「Welcome to プリ☆チャンランド!」が開催。『キラッとプリ☆チャン』初の有観客での単独ライブイベントとなった本イベントには、林 鼓子(桃山みらい役)、久保田未夢(萌黄えも役)、厚木那奈美(青葉りんか役)、芹澤 優(赤城あんな役)、若井友希(緑川さら役)、森嶋優花(紫藤める役)、茜屋日海夏(金森まりあ役)、佐々木李子(だいあ役) 、指出毬亜(輝イブ役)、山下七海(キラッCHU役)、大森日雅(メルパン役)、田中美海(ラビリィ役)、斎賀みつき(ソルル役)、山村響(ルルナ役)、山北早紀(歩堂デヴィ役)、澁谷梓希(明日香ルゥ役)の16名が出演した。

実は中野サンプラザは、2018年に開催された『プリ☆チャン』初のライブイベント”プリパラ&キラッとプリ☆チャンAUTUMN LIVE TOUR み~んなでアイドルやってみた!”の東京公演の会場。その際出演していた面々は、新しい仲間たちとともにこの3年間の成長をはっきりとみせてくれた。

  • 「Welcome to プリ☆チャンランド!」

●“プリ☆チャンランド”の開園を告げたのは、夜ならではのマスコットたちのあの曲

開演時間を迎えると、シリーズおなじみの開幕を告げるチャイムが鳴り、拍手とサイリウムの輝きが場内を包むなか、出演アイドルが作中ライブシーンの見せ場とともに次々紹介されるOP映像へ。

その映像を経て、まずは山下・大森・田中によるゴーゴー!マスコッツが「A・B・C・Dいいね★ダンス」でプリ☆チャンランドへとお出迎え。終始元気いっぱいの、マスコットらしいかわいさを前面に出したパフォーマンスで幕開けを飾る。EDテーマとしてパレードする様子の映像を背負ったこの曲から始まったのも、夜の部ならではのポイントだ。

そして、芹澤・若井・森嶋のメルティックスターが登場し「COMETIC SILHOUETTE」を披露。あんなとさらが各々のパートで堂々と魅せ、その隙間を縫うようにめるが天真爛漫に動き回る……といった、ユニットの関係性がそのまま投影されているのは3年前同様。だが今回は、ふたりの間スレスレをめるとして抜けていく森嶋の姿が象徴するように、チームワークがより強固になったことを感じさせる。

それに続くのは、林・久保田・厚木のミラクルキラッツによる「ミラクルコースター」。テンポが非常に速いユーロビート風の楽曲に細かいステップを乗せ、最初から最後までこの3人らしいキュートさをしっかり散りばめて元気にパフォーマンス。サビの部分での3人揃っての脚上げも、タイミングを合わせつつ高さも伴った、目を惹くものだ。また、曲明けにはそのままミラクルキラッツがMCを担当。

セットにも触れてライブのテーマを”夏”と改めて示しつつ、曲振りの際に3人揃って拳を突き上げながら「レッツゴー!」とコールした際には久保田だけぴょこっと片足立ちになったりと、キャラクターとしての立ち居振舞いを続けていく。また、3人の呼びかけに応じて客席のサイリウムの色が次々と変わると、その素早さがステージ上の3人を驚かせ喜ばせていた。

さて、ここから再びメドレー形式でプリ☆チャンアイドルが次々にステージに登場。まずはアナザーだいあとして登場した佐々木による「フレンドパスワード ~Another World~」から。ダンスには麗しさを残しつつも、ステップに付加された跳ね感やおてんばな歌声をもって、だいあのパフォーマンスと差別化してみせる。

そして後奏中に登場した林がバトンを引き継ぐと、「TOKIMEKIハート・ジュエル♪」の披露へ。この曲では腕を突き出すような動き自体にはキレをもたせながらも、一つひとつの動きのまとめ方やステップをふんわり柔らかくさせてダンスにかわいらしさを効果的に乗せていく。そうすることで林鼓子ではなく、桃山みらいとしてステージに立っていることを非常に強く感じさせてくれた。

それに続いてポンポンを持って勢いよく久保田が登場すると、終始ハイテンションに突っ走り続ける「えもめきピッカーン」がスタート。Aメロ中にステージを端から端まで駆け抜けたかと思えば、Bメロではステージ中央の階段上へとのぼってエネルギッシュさをみせる。そのうえで、テンポの速い曲ならではの細かい振付もパワフルにまっとうすることで、萌黄えもとしてのステージで惹き込んでくれた。

その空気を一変させたのが、「夢色エナジー」のイントロとともに登場した厚木。りんかソロ曲らしい凛とした空気をまとって切れ味鋭いダンスパフォーマンスをみせつつ、表情にはわずかにふわっと優しい微笑みを残す。さらに終盤階段上からメインステージへと降りてくる際の振付におけるしなやかな腰の動きや、大サビ中に髪をなびかせたときの麗しさなど、厚木もまたりんかと見事にシンクロしていた。

●メドレー形式で次々登場! プリ☆チャンアイドルと名曲の数々

ミラクルキラッツ3人のソロ曲が終われば、今度はメルティックスターの出番。まずは芹澤が登場し「ヒロインズドラマ」を披露。あんならしく主役感のような堂々たるオーラを漂わせながらもただ”凄そう”なだけには決して終わらず、素早く腕を出し引きしたかと思えば次の瞬間には身体をゆっくりとしなやかにスライドさせたりとメリハリも抜群。

照明暗めなシーンで浮かべた不敵な笑みも含めて、まさにパーフェクトだった。それに続くのは、若井による「My Secret heArtbeats」。持ち前の高い歌唱力を活かしつつ、さららしいスタイリッシュさを持ち合わせたパフォーマンスでかっこよくキメていく。特に特にサビの直前にわずかに跳ねて、頭の音と同時に着地する部分は、曲中のかっこよさを最高に引き立たせていた。

そんな圧倒的な空気をめるとして、「スペース!スパイス!スペクタクル!」で一変させたのが森嶋。天真爛漫なパフォーマンスのなかでとりわけ見どころだったのが、コロコロ変わる彼女の表情。わぉ!と驚いたりぱあっと笑顔を咲かせてみたりと、楽曲展開に応じてベースにした”笑顔”の色合いが、愛らしさとともに変わる。また、間奏では観客とともにサイリウムを振ったり、後奏では前に突き出した手を観客に振ってみせたりと、歌詞のとおり一緒に”遊んだ”1曲となった。

続いてステージ上には茜屋が登場。披露したソロ曲「シアワ星かわいい賛歌」でまりあらしいかわいさMAXの、柔らかさをふんだんに取り入れたパフォーマンスを魅せる。だが彼女もダンスの手数が増える部分ではビシッと動きを締めているので、ダラダラ流れたダンスには見えない。その匙加減の絶妙さ、1曲だけでも存分に感じられるものだった。

そしてシルエットでステージに登場した指出が歌ったのは、ソロ曲「プラネタリウムの殻」。イブらしいしとやかさを歌声や振付の大枠にしっかりもたせてパフォーマンスし、後半にはステージで歌える喜びをも内包したかのような優しい微笑みをたたえる。終盤にかけて響かせた、美しくも芯をもった歌声も魅力的だ。

その背後に流れた猫の形の星座が降ってくる映像を受けてか、それに続いたのは「Despertar del SOL!」と「Lustro della LUNA」の2曲。前者は斎賀が少年っぽいかわいさを歌声に乗せながら、手の振付などを駆使し笑顔も観客に届けつつ映像の中のソルルとリンクさせながら歌唱。一方後者は山村がスウィング調のサウンドに涼やかな歌声を乗せ、サビ明けにはスカートの裾を持って観客へと挨拶するような振付も交えられていたりと、佇まいまでルルナらしさ満載の麗しさ。連続での登場で、対になるふたりの魅力を明確に感じさせてくれた。

そして佐々木が、今度はだいあとして登場して「フレンドパスワード」を歌唱。前述したように振付のベースはアナザーだいあのものと共通しているものの、とにかく美しく歌い上げるボーカルが大きな違い。人々を直接前にしてこの曲を届け、人と繋がれた喜びがあふれたかのような晴れやかな表情で歌い踊っていく。またサビ直前に真っ白だった背景がぱあっと虹色に染まると、客席の白いサイリウムの輝きもあいまって、虹色の輝きを得ただいあが浮かび上がるかのような美しい景色も。

そんな感動的なシーンの後は、しばしの間メルティックスターによるトークパート。ここでもセットに合わせて途中でスイカ(型のビーチボール)割りが行なわれるなど、各々のキャラクター性を踏まえたやり取りが展開され、わちゃわちゃ感のあるテンポのいい会話からも改めてチームワークの良さがにじむ。また、”海”らしく観客とのウェーブを通じた交流も。左右にウェーブを起こした芹澤と森嶋に、少々変化球として前後の往復も成功させた若井と、役割分担もバッチリだ。