エアコンの普及により、四六時中冷房に当たっていたりすることから、身体が冷えると訴える人が増えている。また季節を問わず、慢性的な冷え症により不調をかこつ人も少なくない。

  • "冷え症"に速効で利く! 「爪もみ」マッサージ / パーソナルトレーナー・柴雅仁

治療とセルフケアの運動を組み合わせた最新のパーソナルトレーニングで注目される柴雅仁先生に、身体が冷える仕組みからすぐに利く冷え解消法、代謝を上げる体質改善のコツまで話をうかがった。

■夏の冷えに速効で利く! 爪もみマッサージ

暑い夏には冷たい食べ物や飲み物が欲しくなりますが、摂り過ぎると身体の中、特に内蔵が一気に冷えてしまいます。

そもそも人の身体は、体温を維持するために心臓などの内臓や筋肉などが活動しており、そのための必要最低限のエネルギーを基礎代謝といいます。この基礎代謝の多くは内臓で消費されます。

冷たいものを摂り過ぎると、この内臓の働きが落ち、代謝が下がってしまいます。代謝が下がると体温が低下し、血管が収縮して血流が悪くなるので、特に末端部に血が巡りにくくなります。

手足が冷えるのはこうしたメカニズムによるものです。夏の冷え予防に関しては、まず冷たいものを摂り過ぎないことが第一です。

それでも冷えてしまった時に効果的なのが「爪もみ」です。

  • 手の指の爪の端っこを右左とも、力を加えてぐりぐり揉みほぐしていきます。全部の指で行います

  • 同じ要領で足の全部の指も揉みほぐしていきます

直接ほぐしてあげることで手足の血流がよくなるのは当然ですが、東洋医学的な考え方でいうと利く理由はもうひとつあります。

爪の端っこには、内臓に関係するツボがあるのです。ツボとツボをつなぐ経絡(けいらく)の流れがスムーズになると、身体全体の調子がよくなります。手足の爪のぐりぐり効果が、全身に波及するという考え方です。

■冷え体質改善には、体幹部をしっかり動かす

冷え体質を抜本的に改善するには、体幹部が重要です。肩甲骨や肋骨、背骨、股関節、骨盤といった体幹部がきちんと動いていないと、内臓の働きがどんどん悪くなるからです。

「手足が冷えてしょうがない」という人は、まず体幹部がまったく動いていません。

体幹部をきちんと動かすポイントは、股関節、みぞおち、脇、肩甲骨といったインナーマッスルがある部分を意識して使うようにすること。

なかなか難しいですが、普段から意識するのとしないのでは、将来大きな差が開きます。いつまでも若く、元気な身体づくりのために、意識的に「身体の内部」に目を向けましょう。

■背骨回りの血流をよくして冷えからくる頭痛を予防

体幹回りが動いていないと、手足はもちろん頭の血流も滞ります。特に肩ががちがちに固まっている場合は、冷えから来る頭痛の原因にもなります。

ここでは、背骨まわりの血流をよくするストレッチ運動を紹介します。

  • あぐら座りにして、手をピストルの形にして肩を下げ、脇の下に軽く力を入れます

  • みぞおちからゆっくりと身体を後ろにねじり元に戻します

  • 反対側も同様に行います

  • みぞおちからゆっくりと身体を後ろにねじり元に戻します