健康志向の高まりや環境への配慮から肉、乳製品の代替品が注目を集めている。そんな社会的ニーズを背景に、J-オイルミルズが「Violife(ビオライフ)」ブランドより植物生まれのチーズとバターを新発売する。

同ブランドはオランダに本社を持つアップフィールドが展開するプラントベースドチーズ(植物性チーズ代替品)だ。乳原料を使わないチーズって味はどうなの? と興味を持ったので、商品サンプルを試食してみた。

  • ヴィーガンチーズの味は?

なお、パッケージデザインは実際の商品と異なる可能性がある。

家庭用に販売される5商品が到着

紹介するのは、こちらの5商品。チーズの主原材料はココナッツオイル、でん粉、オリーブオイルなどで、バターは食用植物油脂やそら豆たんぱく質など。すべての商品とも乳原料、乳糖、ナッツを使っていない。

  • 左から「Violife 植物生まれのとろけるスライス チェダータイプ」「Violife 植物生まれのとろけるスライス モッツアレラタイプ」、「Violife 植物生まれのシュレッド チェダータイプ」、「Violife 植物生まれのビオバター」(右上)、「Violife 植物生まれのクリーミィ」(右下) ※すべてオープン価格

まずは、クリームチーズのような「クリーミィ」をクラッカーにつけて試食。

  • 「Violife 植物生まれのクリーミィ」

真っ白で、柔らかい。あっさりとした味わいで、口どけもなめらか。喉の奥でふわっと風味が広がり、奥ゆかしい存在感だ。お菓子づくりなど、どんな食材とも相性が良さそうだ。

  • あっさりとした味わいで、口どけもなめらか

次は、2種類のとろけるスライスチーズ。

  • 「Violife 植物生まれのとろけるスライス チェダータイプ」「Violife 植物生まれのとろけるスライス モッツアレラタイプ」

この後、オーブンで温めた。チェダータイプ、モッツァレラタイプともとろりとした食感は、乳由来のチーズと変わらない。チェダータイプの方が深いコクを感じる。

  • チェダータイプの方が深いコクを感じた

「Violife 植物生まれのシュレッド チェダータイプ」も、あたためるとよく伸びて使用感は乳由来チーズと同じ。グラタンなどのおいしさを引き立ててくれそうだ。

  • 「Violife 植物生まれのシュレッド チェダータイプ」

  • よく伸びてくれる

さて、「Violife 植物生まれのビオバター」はどうだろう。

  • 「Violife 植物生まれのビオバター」

ほどよい固さがあるが、パンにのせるとすぐに柔らかくなって塗りやすい。まろやかな口あたりと優しい味わいで、料理や菓子に幅広く使えそうだ。

  • 塗りやすさに驚く

にんじんやパプリカで色合いを再現

Violifeの味と香りは、植物由来の発酵、抽出だけのシンプルな工程で再現。食感や口どけ感は、ココナッツオイルが大きく貢献しているらしい。さらに、色はにんじんやパプリカなどの野菜を使って乳由来のチーズやバターの色合いに近づけているそうだ。

「Violifeは、20年にわたり3,000以上のレシピ、200製法以上でテストを繰り返してたどりついたおいしさです。一般消費者のモニター調査でも大変高い評価をいただきました」(J-オイルミルズ スペシャリティフード事業本部 油脂加工品事業部 大槻敦子さん)

いずれの商品も、事前に知らなければ植物生まれとは気付かないほど満足度の高い味わいと食感。クセのあるチーズが好きという人には、少々物足りなさを感じるかもしれないが、いままで乳由来のチーズやバターが苦手だった人にはぜひお勧めしたい。

「いままで植物性原料を使ったプラントベースドフード(PBF)を試したことのない人にも気軽に食事に取り入れ、より多くの方に楽しんでいただきたい。新たな食の選択肢を提供していきたいと考えています」(大槻さん)

確かに、この植物生まれのチーズやバターは、乳由来商品の代替品というよりはPBFという新しい食カテゴリーととらえ、料理やその日の気分・体調に合わせて使い分けるのもいいだろう。

今回紹介した商品は東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、群馬県、栃木県、茨城県のスーパーなどで販売。今後、販売エリアを拡大していく予定だ。ネット販売は9月中旬から、業務用4商品が10月上旬からの販売予定となる。

おいしくて、環境負荷の軽減にもつながるというPBF商品は、これからますます注目を集めそうだ。