ゆったりとした時間が流れ、600年以上の紡がれた歴史が今も残る、山口県の長門湯本温泉。2020年3月、このまちに溶け込むように生まれたのが、「界 長門」です。

2021年5月には、風流な夏を過ごせる川床も完成。川のほとりで涼を感じて、とろとろ美人の湯でお肌を磨いて。喧騒から離れてリフレッシュしたい人のツボをパーフェクトに抑えた極上宿の魅力に迫ります!

1.川のほとりに佇む話題の温泉宿「界 長門」

  • どっしりした風格ある建物

かつて歴代の藩主が湯治に訪れていた長門湯本温泉。「界 長門」はその歴史にもとづき、武家文化を体現した「御茶屋屋敷」をテーマにした温泉宿です。外観はシックで風格ある佇まい。清流・音信川に寄りそうように建っています。

2.音信川の風景と山口県の伝統工芸品を楽しめるロビー

  • 黒い枠は屏風をイメージ

館内に入って、思わず目を奪われたのが、大きく切り取られた窓からの風景!美しい緑と静かに流れる音信川が見事に調和して、眺めているだけで清々しい気持ちになってきます。

  • 上品な輝きを放つ坂倉善右衛門さんの作品(右)

ロビーは藩主が参勤交代時に立ち寄って休んだ「御茶屋屋敷の客間」をイメージした造り。床の間をモチーフにしたシックな黒い棚には、3種類の萩焼が飾られていて、見応えたっぷりです。

同じ萩焼でも色や風合い、質感が全部異なり、奥深い焼物の世界に魅了されます。このなかで筆者が最も魅せられたのは、坂倉善右衛門さんの作品。山口の伝統工芸品・赤間硯を掘るときに出た粉を釉薬に使っていて、高級感あふれるキラメキにうっとりです。

  • 木原千春さんの作品が置かれた場所は、フォトスポットとしても人気

左右に飾られた大きな油絵は、長門市出身のアーティスト・木原千春さんの作品。こちらは、藩主の威厳を表現したものだとか。木でありながらも、動的な躍動感があふれていますよね!

3.ルームキーもご当地感満載

  • ほっこり癒やされるルームキーの大内塗

お部屋のルームキーは、山口の伝統工芸品「大内塗」です。夫婦で対になっているのが特徴で、夫婦円満の象徴だと言われていたり、お祝いの贈り物にも使われるのだとか。夫婦揃ってタレ目におちょぼ口。「ふふっ」と微笑んでいる姿に癒されます。

4.ベッドボードに注目!山口らしさをモダンに取り入れた客室

  • 室町時代から800年以上つづく徳地和紙のベッドボード

ルームキーを手にしたら、いよいよ客室へ。

客室の入り口には、萩ガラス。さらに室内に入ると、山口市の無形文化財にも指定されているカラフルな「徳地和紙」が目に飛び込んできます。

「徳地和紙」は、和紙を折って折り目のところに染め付けをした、いわゆる「折り染め」の和紙。この大きさに仕立てるのに大変苦労したそうで、300枚近く漉いた和紙の大きさを整え、何度も染色のトライアルを重ねて、この作品を生み出したのだとか。

ちなみに、ベッドルームが一段上がっているのも「界 長門」の特徴。藩主のお休み処をイメージして、一段高くしているのだとか。ベッドにゴロン……と横になると、とっても贅沢な気分!藩主気分で「うむ、じっくり休むか…」なんて言いたくなります。

  • PC作業もサクサクはかどりる広々したデスク♪

客室は、スタンダード客室がある「本館」と、特別室がある「別館」に分かれています。

スタンダードの客室は、すべて川沿いに面した全室リバービュー・タイプ。さらに、大きなデスクも置かれていて、PC作業をするのにも便利です。

5.露天風呂とテラス付き。ワンランク上の癒しを楽しめる特別室

  • お庭には、山口の名産・夏みかんの木も植えられています

こちらは「界 長門」で4室だけの特別室。川は眺められない代わりに、箱庭付のテラスがあります。決して蜜にならない“マイ箱庭”で過ごす爽やかな時間は、格別です!

  • 1F特別室の露天風呂

客室にある露天風呂というと、一人で入るのが精一杯……というケースもよくありますが、「界 長門」の露天風呂はかなり広い!2人で入っても余裕の広さで、一人で入れば手も足もう~んと伸ばせます。この開放感はハンパない!