マイナンバーカードには4種類の暗証番号が設定されています。本人が設定する暗証番号ですが、交付や更新から時間が経つと忘れてしまうこともあります。確認する方法はあるのでしょうか。
この記事ではマイナンバーカードに設定された暗証番号の種類や忘れた場合の対策を解説します。
マイナンバーカードの暗証番号は4種類
マイナンバーカードには電子証明書のための暗証番号が設定されています。他人による「なりすまし」や改ざんを防ぐための本人確認の手段として、電子証明書(公的個人認証サービス)があります。その電子証明書のデータがマイナンバーカードには記録されているのです。
マイナンバーカードの暗証番号は「署名用電子証明書」「利用者証明用電子証明書」「住民基本台帳用」「券面事項入力補助用」の4種類にわかれ、それぞれ設定する必要があり、使いどころも異なります。
ただ、4種類といっても、利用者証明用電子証明書、住民基本台帳用、券面事項入力補助用には共通の暗証番号の設定が可能です。署名用電子証明書は異なる暗証番号の設定が必要ですが、実質的にマイナンバーカードの暗証番号を2種類にできます。
暗証番号を決めるタイミング
マイナンバーカードの暗証番号は交付申請の際に必ず設定する項目です。ただし、電子証明書を希望しない旨を申し出た場合は住民基本台帳用、券面事項入力補助用の2種類の設定に限ります。
マイナンバーカードの交付申請はオンラインや窓口での手続きが選べます。オンラインでは申請用のWebサイトの既定のページにアクセスして進められます。申請してから当日の受け取りは不可能で、カードができるまで待ち、必要書類を持って交付申請を行う手順です。
交付できるまでの期間に予め暗証番号を決めておきましょう。
暗証番号を決める際の注意事項
マイナンバーカードの暗証番号には設定できる組み合わせが指定されています。署名用電子証明書は「英数字6文字以上で16文字以内かつ、英字は大文字、英字と数字を組み合わせること」が設定条件です。利用者証明用電子証明書、民基本台帳用、券面事項入力補助用は共通で「数字4文字」が条件となります。
また、暗証番号を簡単に特定されないためにも、ご本人以外が把握できる番号に設定しないことです。例として、自身、家族や後見人などの代理人の誕生日、電話番号、車のナンバーなど、推測されやすい個人情報に倣った文字列は避けます。
ほかのサービスやサイトで使っているパスワードをマイナンバーの暗証番号に使い回す行為も危険です。ほかで不正アクセスを受けた場合に被害が拡大する恐れがあります。適切な設定と管理を心掛けましょう。
暗証番号は後から確認できない
マイナンバーカードの暗証番号は設定後の確認ができません。忘れてしまった場合は役所の窓口で初期化の手続きを踏み、再設定する必要があります。
前述のとおり、安易な暗証番号は危険であり、紙のメモは紛失が心配です。どうしても覚えられない場合は、窓口に行けば再設定できます。マイナンバーカードの暗証番号が必要になるならば事前に確認しておき、余裕を持って再設定できるようにしておくことです。
暗証番号の確認手段がないため、本人の頭の中だけに記憶しておくことが理想的ではあります。
また、暗証番号を覚えている場合は役所や既定のWebサイトから変更できます。
署名用電子証明書
署名用電子証明書は「インターネットなどで電子文書の作成や送信をする際に利用する電子証明書」のことです。電子文書が本人のものであることを証明するために使われます。たとえば、e-Taxの電子申請の際に暗証番号の入力が求められます。
また、マイナンバーカードの交付の際に使わないと判断した場合、電子証明書を希望しないことで、利用者証明用電子証明書とともに未設定にすることも可能です。
利用者証明用電子証明書 (住民基本台帳用・券面事項入力補助用)
利用者証明用電子証明書は「インターネットやコンビニ交付などログインする際に利用する電子証明書」のことです。本人がログインしたことを証明するために使われます。たとえば、マイナポータルやe-taxのログインの際に入力が求められます。
住民基本台帳用は転入手続きやマイナンバーカードの氏名や住所の変更手続きの場合に使う暗証番号です。そして、券面事項入力補助用は個人番号や氏名、住所、生年月日、性別を確認してテキストデータとして利用する場合に使います。
マイナンバーカードの暗証番号がロックされる場合
マイナンバーカードの暗証番号は連続して入力を間違えた場合、電子証明書が失効した場合の2つに陥るとロックされてしまいます。
暗証番号がロックされたら自力での解除はできません。役所の窓口で所定の手続きを取る必要があります。ロックを防ぐためにも具体的に2つのパターンについて解説します。
連続して3回間違えた場合 (署名用電子証明書は5回)
利用者証明用電子証明書を含めた3種類の暗証番号は、連続して3回間違えるとロックされます。署名用電子証明書のみ、5回連続で間違えたらロックとなります。
ただし、ロックの累積回数は正しい暗証番号を入力するたびにリセットされます。マイナンバーカードの暗証番号を入力する際は焦って打ち間違いのないようにしましょう。
電子証明書が失効した場合
マイナンバーカードの電子証明書には有効期限があるため、既定の期間に更新の手続きを行わなければ、自動的に失効してしまいます。有効期間は電子証明書の発行から5回目の誕生日までです。
また、署名用電子証明書は結婚や引っ越しなどで氏名や住所の変更があった場合、電子証明書が失効扱いになります。続けて利用するためには、新たに電子証明書の発行手続きを取らなくてはなりません。利用者証明用電子証明書の場合は氏名や住所の変更があっても失効扱いにはならず、そのまま使えます。
マイナンバーカードの暗証番号が入力できない場合
マイナンバーカードの暗証番号が使えなくなってしまった場合は、所定の手続きが必要です。3つの場面別に解説します。
ロック解除は窓口で初期化の手続き
暗証番号がロックされてしまった場合は、居住地の役所の窓口にて、初期化申請を行い、新たな暗証番号を再設定する必要があります。本人が申請するならば、マイナンバーカードを持参すれば手続きできます。
忘れた場合は窓口で初期化と再設定の手続き
暗証番号を忘れた場合には自力での確認はできないため、ロックされた場合と同様に窓口にて初期化申請と再設定を行います。窓口が空いている時間や日にちは限られているため、暗証番号を忘れることがないようにしましょう。
電子証明書は更新の手続き
電子証明書の有効期限切れ、または氏名や住所などの変更で署名用電子証明書が失効扱いになった場合は、居住地の役所の窓口で更新の手続きを行います。マイナンバーカードと期限が切れる前の暗証番号を覚えている必要があります。
有効期限が近付くと有効期限通知書が届きます。マイナンバーカード本体にも更新があるため、混同しないようにしましょう。有効期限の3ヶ月前から更新手続きが可能です。
マイナンバーカードの暗証番号は忘れない番号にしよう
今回はマイナンバーカードの暗証番号の種類や忘れた場合の対策について解説しました。マイナンバーに設定する暗証番号は4種類あります。
暗証番号は種類によって連続して3回または5回間違えるか、電子証明書の有効期限の失効するとロックされます。忘れた場合に確認する手段がないため、確実に覚えておかないと役所の窓口で再設定の手続きに行かなくてはなりません。
いざという場面で暗証番号を失念して慌てることがないように、他人から特定されないように注意しながら、忘れない暗証番号に設定しましょう。