東京ドームシティ・プリズムホールにて開催されている「仮面ライダー×スーパー戦隊 Wヒーロー夏祭り2021」は、今年で誕生50周年を迎える「仮面ライダーシリーズ」と、同じく今年で45作を数える「スーパー戦隊シリーズ」それぞれの魅力を凝縮した、夏恒例のスペシャルイベントである。

昨年のイベントは新型コロナウイルス感染防止のため中止となったが、今年は感染拡大予防対策を行い、来場者への安全に十分配慮をした上で開催されることになった。

※記事では「仮面ライダースーパーステージ」の内容に触れています。ご注意ください。

会場内で「密」を作ることがないよう、入場者はまず「仮面ライダースーパーステージ」を観覧し、その後にスーパー戦隊歴代レッド戦士の「立像展示」エリアに案内される。今年は新型コロナ感染対策の意味で、さまざまなプレイゾーンや飲食コーナーは置かれておらず、その代わり「仮面ライダースーパーステージ(アクションショー)」「スーパー戦隊45作品記念ヒストリー(立像・写真パネル展示)」「物販コーナー」の3つに絞ったアトラクションを、従来以上に強化している。

ここでは「仮面ライダースーパーステージ」のもようを簡単にレポートしてみることにしよう。例年の「スーパーステージ」でも、最新ライダーを助けに歴代の“レジェンド”仮面ライダーがかけつけ、怪人軍団を迎え撃つといったライダー共演劇が評判を取ったが、今回は仮面ライダー誕生50周年を記念し、第1作『仮面ライダー』(1971年)の仮面ライダー1号、仮面ライダー2号から始まった「仮面ライダーシリーズ」全35作品の主役ライダーをすべて登場させようという豪快なアイデアが採用された。

世界征服を企む悪の組織・ショッカーは「多次元サブスクリプター」なるマシンを開発し、あらゆる「ライダーの世界」に行き来することを可能にした。さらに、マザーコンピューターから発せられた「ショッカー粒子」により、歴代仮面ライダーの体に“異変”が生じていく。果敢に戦う仮面ライダーセイバーと仮面ライダーゼロワンだが、ショッカー側の力はどんどん強くなっていった。ショッカー大幹部・地獄大使は高らかに勝利宣言を行うが、仮面ライダーの不屈の魂は消え失せることなく、ふたたび熱く燃え上がり始めた……。

より戦闘的な姿になって復活を遂げた地獄大使をはじめ、イカデビルや狼男といったショッカーの中でも大御所クラスの怪人が出現。さらに、バダン帝国の怪人タイガーロイドやゴルゴム世紀王シャドームーンまでもがショッカーに協力し、仮面ライダーたちをギリギリまで追いつめている。

『仮面ライダークウガ』(2000年)から始まり、20作目の『仮面ライダージオウ』(2018年)でフィナーレを迎えた歴代「平成仮面ライダー」、そして『仮面ライダーゼロワン』(2019年)『仮面ライダーセイバー』(2020年)という2人の「令和仮面ライダー」が大暴れするのはもちろんのこと、仮面ライダー1号、仮面ライダー2号、V3、ライダーマン、X、アマゾン、ストロンガー、スカイライダー、スーパー1、ZXの「(昭和)10人ライダー」、さらには仮面ライダーの新しい時代を築いた『仮面ライダーBLACK』(1987年)と『仮面ライダーBLACK RX』(1988年)、オリジナルビデオ映画『真・仮面ライダー 序章(プロローグ)』(1992年)の仮面ライダーシン、劇場映画で活躍した『仮面ライダーZO』(1993年)『仮面ライダーJ』(1994年)にもしっかりと見せ場が与えられた。歴代仮面ライダーの中でもひときわ異質な“生物的”たたずまいが特徴の仮面ライダーシンが披露する、野性味あふれるアクションは必見といえる。

特筆すべきは、各々のライダーが登場する際、オリジナルテレビシリーズからのSE(効果音)やBGMが鳴り響き、作品世界の忠実再現が可能な限り行われているところ。アマゾンライダーが両腕のカッターを交差させて音を響かせた後、必殺技「大切断」を繰り出したり、ストロンガーが体内の電気を敵に放出する「エレクトロ・ファイヤー」を、光のエフェクトで表現したりと、歴代ライダーひとりひとりの個性が重視されており、マニアックな視点で観ていても実に心地よい空間が存在している。

フォーゼの右腕に推進用のロケットが備わっていたり、Xライダーが万能武器ライドルをライドルスティックに変形させて戦ったりと、各ライダーの「武器・装備」もしっかりと押さえられ、まさに至れり尽くせり。ステージに複数備えられたLEDディスプレイや、レーザー光線といった視覚効果の数々が、迫力のライダーアクションにさらなる臨場感を与えている。

50年もの“歴史の重み”を備えた第1作『仮面ライダー』に強い愛情とリスペクトを捧げているのも、今回のスーパーステージの大きな見どころだ。ショーの中盤あたりで、仮面ライダー1号と2号がショッカーの前に姿を現すシーンでは、ライダーの大きな魅力のひとつである「変身」を、意欲的な手法を用いて“お見せしよう”と力が込められた。1号、2号の出現から「10人ライダー勢ぞろい~ショッカー軍団との大乱戦」こそ、中盤の山場といえるだろう。

歴代ライダーが次々と必殺技を繰り出した後、9月5日から放送スタートする新番組『仮面ライダーリバイス』から、仮面ライダーリバイと仮面ライダーバイスがテレビに先がけて登場。ステージ上でのリバイとバイスはセイバー、ゼロワン、1号と力を合わせ、ショッカー軍団の壊滅に大いに貢献した。

第1作『仮面ライダー』から最新作『仮面ライダーリバイス』まで、総勢39人もの仮面ライダーが登場する怒涛の「スーパーステージ」。ぜひ期間中にイベント会場にお越しくださり、仮面ライダー50年の歴史の重みを生で感じてもらいたい。

※チケットについての詳細や公演スケジュールなどは、公式サイトを参照してください。

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