女優の上戸彩が、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、あす8日に放送される『笑顔で生きよう~お母さんと僕の約束~』。ステージ4のがんを宣告された35歳のシングルマザーと8歳の一人息子の日々を追った作品だ。

本番中は、あふれる気持ちを何とか抑えながらナレーションを読んでいたが、収録後のインタビューでは涙をこらえきれず、今回の物語の感想を語ってくれた上戸。幼い息子を思い、つらい闘病でも常に笑顔で気丈に振る舞う母の姿を見て、その“強さ”に圧倒されたという――。

  • 『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した上戸彩

    『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した上戸彩

■「私にはできないなと思いました」

昨年秋、突然の末期がん宣告を受けた料理研究家の高木ゑみさんは、病気のことを包み隠さず、入院中の病室から毎日のように病状や心境をSNSで発信。番組では、幼い一人息子を思い、「この子のためにも生きる」と、がんと闘いながらも明るく笑い続け、前向きに乗り越えようとする姿が描かれている。

そんなゑみさんの姿勢を見て、「素晴らしいし、強い女性だし、真似しようと思ってもできないくらい、すごいことをされてる方ですよね。自分に置き換えてみると、不可能だと思います」と感服する上戸。

「SNSを通して、ファンの皆さんからもらうエネルギーや、コメントに応えようとする思いで、不思議なパワーが出てくるというのは分かるんですけど、自分の病状が深刻だと分かっている中で子供と笑顔で接することは、私にはできないなと思いました」と、ゑみさんの“強さ”を感じた。

■笑顔でいることが、自分を楽にする方法

こうした状況でも常に笑顔でいる理由を、ゑみさんは「自分が笑顔になると子供も笑顔になって、看病してくれる人も笑顔になったりとか、笑顔はそうやって連鎖するし、私がしくしくしていると、もっともっと悪い状況になる」と語っているが、この考え方に、上戸も「同じことを思いながら過ごしていますね」と共感。

「やっぱり自分が笑顔でいると周りも笑顔になるし、自分が重くなっているとみんなも悲しくなるというのは、仕事をしている上ですごく感じたことがあったので、それは絶対ですね。笑顔でいることが、自分を楽にする方法だと思います」

  • 自宅での高木ゑみさん(左)と息子 (C)フジテレビ

また、治療の副作用で食欲がわかない中、息子が絞ってくれたみかんジュースに「これなら、100杯は飲めそう!」と喜ぶなど、幼い子供にゑみさんが支えられている場面も見られた。

これにも大きく共感したそうで、「うちは特に上の子がすごく明るいんです。こっちが『怒りすぎちゃったな…』と思っても、すぐケロッとするし、私が怒っても笑ってくれるから、すごく助けられますね。“スーパーポジティブ人間”だと思います」と明かしてくれた。