2019年に唐沢寿明主演で放送された前作が好評を博し、現在、第二弾が放送中の日本テレビ系ドラマ『ボイスII 110緊急指令室』(毎週土曜22:00~)。24日に放送された第3話では、緊急指令室の新たなメンバーとなった小松知里が、DV彼氏に拉致される事件が発生し、気になるストーリーの続きとともに、演じる藤間爽子(26)にも注目が集まった。
藤間のことはNHK連続テレビ小説『ひよっこ』での若かりし頃の立花富役で記憶している人も多いかもしれないが、もともとは紫派藤間流家元の三代目藤間紫を、今年の2月末に襲名した日本舞踊家だ。
日本舞踊だけでなく、芝居をしたいという夢に向かって、オーディションを受けまくっていた頃は、特技に「日本舞踊」と書かずに「ボーリング」と書いていたという藤間。当時は「家ではない、何もない今の私を見てもらいたかった」と言うが、「結局、日本舞踊をやっていた藤間爽子だから、ここまでたどり着けたのかな」と思うようになったという。そんな藤間の、藤間爽子として、紫として立ち始めた現在の心境を聞いた。
■警察官の制服姿に対する不安
――藤間さんは日本舞踊の家元ですが、第二弾から参加の『ボイス2』は、踊る白塗り男も話題になっていますね。
白塗り男の横で踊ってみたいです(笑)。今回、出演のお話をいただいて本当に嬉しかったのですが、「第二弾」って意外とプレッシャーなんですよね。映像のお仕事をそんなに経験しているわけではないので、緊張や不安もあって、どんな現場なのかグルグル考えていましたが、実際に入ってみると、前作でチームワークの出来上がっているなかに入れたのは、逆に良かったです。新しく入ったのが私だけではありませんし。
――警察官の小松知里役です。
制服を着たときはコスプレにならないか不安でした(笑)。身長が小さいので制服に着られてる感が出たら嫌だなと心配しましたが、みなさんに似合ってると言ってもらって、あとは撮影を重ねるにつれて、肌に馴染んできました。
――3話4話は知里の回ですね。
知里は正義感が強くて、一生懸命事件に立ち向かっていく警察官として登場します。頑張り屋さん過ぎて弱音を吐けないところがあって、警察官とはこうあるべきだみたいな考えでDV彼氏のことを誰にも相談できず、自分で解決しようとして、事件に巻き込まれます。緊急指令室にいると、プライベートは見えづらいですが、ひとりの女性としての知里の姿を見てもらえるかなと思います。
――撮影は大変だったのでは?
大変というより楽しいほうが大きかったです。緊急指令室も楽しいですが、実際にロケに行って、アクション指導の方に教わって、動いて血まみれになってというのは楽しかったです。非常階段で蹴られるシーンでは、暑くて暑くて、本物の汗を垂らしながら撮影してました(笑)。
■祖母(初代・藤間紫)とは2人きりになったことがない
――藤間さんは今年の2月末に三代目藤間紫を襲名されました。
襲名前まではあまり実感がわかなかったのですが、みなさん大きな名前だとおっしゃるので、責任を持たないとと思います。ただ祖母(初代)と私は違う人間なので、私なりの藤間紫を作り上げていけたらとは思っています。
――おばあ様は藤間さんにとってどんなおばあちゃんでしたか?
変わっている人でした。普通のおばあちゃんとは違いましたね。あとみなさんがすごいすごいと尊敬して付いていくので、子どもながらにスゴイ人なんだなというのは感じていました。2人きりになったことはありませんし。
――そうなんですか!?
常に周りに人がいるので。今思うと、ふたりっきりになったことがないなぁと。おばあちゃんに対しては緊張するとか怖いとか全くありませんでしたし、一緒にご飯に行ったり休暇を一緒に過ごしたり、仲良く遊んでもらったりしましたけど、環境としては普通とは違いますよね。あと、オンオフがすごくしっかりした人で、お仕事とか芸事になると目つきが変わりました。
――オンのときのことも覚えていますか?
覚えてますね。目がキリっとなって。でもオフのときは、女らしいおばあちゃんで、ずっと私の肌のどこかを触ってペタペタとくっついている人でした。ただそうした祖母の記憶というのがだんだんなくなっていくんですよね。私が14歳のときに亡くなったので。もう少し、せめて私が二十歳になるまで生きていてくれたら、色んな話ができたり、気づくことがたくさんあったのかなと思います。